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【朧気紀行文】約6年前の九州一人旅を今更振り返る【福岡編】


 男「ずっと書きたいと思ってた。6年前から、ずっと……」

 女「ウッ……グスッ……嘘つき……」

 男「嘘じゃないさ」

 女「……グスッ……嘘じゃなかったら、どうしてこんなに待たせるの?」

 男「それは……準備期間が必要だったんだ」

 女「準備期間って何のよ?……ウッ……私がこれまでの間、どれだけ不安な気持ちになったと思ってるの!?」

 男「すまない……本当にすまないと思っている……」

 女「すまないじゃすまないわよ!!」

 ペチンッ

 男「…………」

 女「…………それなりの誠意は見せてもらうわよ」

 男「…………」

 女「なんとか言ったらどうなのよ、この薄情者ーッ!」

 男「………………フッ、フ、フフッ、フハハハハハハハハハハハハハ」

 女「え……?壊れた……?」

 男「俺がこの6年間、本当にただお前を待たせてただけだと思うか?言ったろ?準備期間が必要だったって……。さあ、完全に機は熟した。お待ちかねのショータイムの始まりだ……クックックック」

 女「な……、何よ、あなた一体これから何をしようっていうの!?」

 ヌルッ、メキメキメキメキメキ

 女「キ、キャーーーーーーッ!!仮面ライダーに出てくる敵みたいなヌルッとした変身の仕方で、全身が明太子でコーティングされた禍々しい深紅色の怪物へと変貌を遂げているーーーーーッ!?



 はい、ということで訳のわからない寸劇から始まりましたが、今回はですね、朧気紀行文と題しまして約6年前に筆者が一人で勝手に敢行した九州旅行の模様を今更振り返ろうと思います。


 なぜ今更約6年前の一人旅を振り返るのかは冒頭の男女の会話劇を読めばほぼ全員おわかりになると思うんですけど、それでもわからないというごく少数派の方のために説明しますと、まず筆者は大学四年生の時に壊滅的なまでに一緒に旅行に行く友人という存在がいなかったんですね。その寂寥感を癒やすために温泉へ行きたくなり、温泉というならやっぱり死ぬまでに別府温泉に行っておきたい、そして別府温泉へ行くならついでに九州一人旅もしちゃおうという流れで九州一人旅を計画するに至ったわけです。

 あと筆者には死ぬ前に出来るだけ色んな種類の美味な食べ物を食べてから生涯を終えたいという卑しい欲求がありますんで、ひと通り九州のグルメを堪能したかったというのも動機のひとつですね。
 ちなみに九州一人旅と銘打っていますが、実は鹿児島だけ行ってません。これは誤解しないで欲しいのですが、筆者は中学生の時に鹿児島へ行ったことがあるので「行ったことのない都道府県へ行く」というコンセプト上、あと予算の都合から断腸の思いでルートから外させていただきました。決して鹿児島を差別しているわけではない。はいEverybody,say,屋久杉サイコ~!!筆者は朝4時半に起きて屋久島の山を登ったことがあるし、鹿児島空港のお土産コーナーで売ってた『食べる黒豚ラー油』を買って帰って瓶の底まで舐めるようにして食べたことがあるぐらい鹿児島愛に溢れてますから、どうか誤解されなきよう。

 この一人旅を終えた後、いずれブログに書いて備忘録的に残しておこうと思ってはいたんですが、なかなか重い腰が上がらず、心の中だけに留めておけばいいや的な側面もあり、気付けば6年近くも経過していました。いや時間経ちすぎだろ。

 今日は3連休の初日ということで珍しく気持ちに余裕があり、雨も降っているので部屋に篭もって書くのにちょうどいいということで筆を走らせてみた次第です。もともとこのnoteは旅行の記録を残すために始めたといっても過言ではないのでね(それにしては旅行記が少なすぎる気がするが)。

 約一週間に及ぶ隠遁者の九州一人旅紀行文、そんな感じでヌルッとスタートしま~す。

【福岡編】

Day 1(2018.12.17)

 山陽新幹線「のぞみ」で新横浜から博多へ一直線。別に全然一人の寂しさを紛らわすために車内で酒を飲んだり美少女が出てくる漫画を読んだりとかすることなく博多へ到着。

 山陽新幹線公式キャラクター「カンセンジャー」に出迎えられ福岡県に上陸。やはり主要都市だけあって人がそれなりにいた、気がする。6年前なので記憶が朧気ですが。

 街をふらふら散策した後にビジネスホテルにチェックインし、スーツケース等を置いて再び博多の街へ繰り出す。

筆者の致命的な撮影スキルにより「光の街・博多」という文字が闇アングルすぎて見えづらい
クリスマスシーズンに1人で博多来る奴

 駅前はクリスマスシーズンということもあって結構人で賑わっていて活気があった。肖像権とかその辺のことがよくわからないので今回は人がたくさん写ってる画像は載せませんが。

 どうしてもモツ鍋を食べたかったのでお一人様モツ鍋出来る店を探して彷徨。誘い込まれるようにして博多駅駅周辺のグルメストリートというスポットへ辿り着く。

空いてたのは平日だったからなのか、それとも私の負のオーラを感じ取って人々が退散したのか


 1人でモツ鍋を食べられる店を発見。本当に申し訳ないのだが店名を忘れてしまった。こんな美味い店の情報を他のモンに教えてたまるかという守秘欲求が働いて本能的に忘れてしまったのかもしれん。いや忘れたら二度と食えんのだから意味ないやろ。グルメ公安の皆さん特定お願いします。
 何にせよ、1人で食べるモツ鍋は最高に旨かった。博多のモツ鍋なんてただでさえ旨いの確定してるのにそれを1人で独占出来るんだぜ?ニラをひと噛みする度に幸福を感じる時に出るというなんたらホルモンが脳から分泌されていくのがわかる。

カウンター席でモツ鍋、これを一人で独占出来るという快感

 焼酎を飲みながらモツをゆっくり腹一杯味わって食べた後ビジホへ戻って気絶したように就寝。

Day 2(2018.12.18)

 起床即参拝。博多で訪れるべき場所、と検索したら出てきた櫛田神社なる地へ向かう。

無意識的に頭の中でお台場のガンダムと比較してしまう

 調べてみると櫛田神社は博多山笠のスタート地点であるらしく、観光客に人気の場所のようだ。手当たり次第に参拝、祈願。何を祈願したかは6年前なのであんまり覚えてない。

 昼食を取るために一旦博多駅周辺へ向かう。道中、キャナルシティ博多。建物内にいたゴジラに敬礼。

謎アングル
閑散。平日だからだろう。
隙あらばイルミネーション
🫡

 駅に戻るとまたそこから5分ぐらい歩いて、本格豚骨ラーメンの人気店だという『博多 一双』に到着。行列に並び、ラーメンを注文。今回はお椀に店名が書いてあるのでね。濃厚なスープを一口食べた瞬間にノックダウン。麺を啜ろう、という意思を介さずともオートマティックに箸を持つ手が動き始める。うめ〜〜〜!!

ラーメン たしか¥850



 ♪タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タララッタッタララララ〜(世にも奇妙な物語のテーマ)

 突然ですが皆さん、上の画像をご覧ください。この写真が筆者のカメラロールに保存された時刻、2018年12月18日12時06分。

 そして下の画像をご覧ください。

やまやのランチ たしか¥1500

 この写真が筆者のカメラロールに保存された時間、2018年12月18日13時41分。

 どうやら当時の筆者は1日に昼飯を2回挟む、という奇行に及んでいたらしい。全く記憶にない。ちなみに現在の筆者の身長は173cm、体重63Kg………………。

 ♪タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タララッタッタララララ〜

 でも仕方ないですよね、『博多もつ鍋 やまや』のランチは辛子明太子、からし高菜、ご飯がおかわり自由なんだから。なんか肝心の明太子の写真撮るの忘れてるけど。

 記憶が朧気だが、たしかご飯2杯おかわりした気がする。濃厚な博多豚骨らーめんを食べた約1時間後に明太子定食のご飯を2杯おかわり……?

 ♪タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タラ〜ラ〜ラ〜ラ〜…タララッタッタララララ〜


 満腹になったので流石に歩いてカロリー消費せにゃいかんと思った(はずな)ので、歩いて大濠公園へ。こちらも観光客に人気の場所らしい。

かわいい

 非常にのどかで良い場所だった。湖畔をただぼーっと眺めてるだけで悠久の時を感じる。博多豚骨らーめんと明太子唐揚げ定食を食べたのが遠い昔のようだ………………ゲッフ、ダメだそろそろ歩こう。

 徒歩で日本一の海浜タワーと名高い福岡タワーへ向かう。
 道中、シルク・ドゥ・ソレイユ関連の謎のオブジェ。

つい撮らずにはいられなかった
タワー!!ハッ(笑顔)

 入館料を払って中の展望デッキ的なところへ。筆者は高所恐怖症ではないが、高い所が特段好きというわけでもない。でもせっかくここまで来たしどうせなら綺麗な景色拝みたいよなあ。

 階下の景色をぼーっと眺めること数時間。意外と飽きない。冬至が近いのでわりとすぐに日が暮れてくる。

 ええやんええやん。夜のライトアップされた街並みが醸し出す洗練的な雰囲気は東京とそんなに変わらないのかもしれない。
 ecosystemが銀魂のオープニング曲を歌ってた時のこと思い出して脳内で『ジレンマ』がエンドレスフル再生される。神妙な面持ちで夜の博多を見下ろすこと数時間。どんだけ長時間タワーの中にいるんだよ。

 クリスマスイルミネーションでライトアップされた福岡タワー。この光景を冬に一人で見るのもまた乙なモンよ、ってね。

 帰り際、駅隣接の『博多らーめん Shin-Shin』へ行き、生ビール&やきめし&煮玉子入りらーめん。
 博多豚骨らーめんは何杯食べても飽きないですからね。東京で食べるラーメンより麺が細いって新鮮さと、スープの濃厚さが食欲を掻き立てて止まらない。再三言うが筆者の現在の身長は173cm、体重は63Kgである。若気の至りってヤツだね。

生ビール 値段は忘れた
やきめし たしか¥740
煮玉子入りらーめん たしか¥970


 ということで福岡編は以上となります。次からは筆者の行程上、大分県に突入しますので今回のように食べてばかりではなく温泉の体験記なんかも書けると思います、唐突に世にも奇妙な物語のメインテーマが差し込まれることもないと思いますのでご安心ください。

 ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。

大分編につづく

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