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フリーランスが日本社会に普及していく歴史

こんにちは!外務省出身-人材エージェントの深谷信仁です!

日本でフリーランスの働き方が注目され始めたと感じたのは2018年あたり。
しかしフリーランスとは何か?個人事業主とは?働き方の変化は?社会保険や年金は何が変わるのか?など『フリーランス』の定義は曖昧です。フリーランスの働き方を理解するために、1800年〜1901年(18世紀-19世紀)ヨーロッパで生まれた思想、実存主義を考察しました。

すると、フリーランスが台頭する理由がピッタリ重なりました。実存主義の思想がなぜ生まれたのか。そしてその思想は働く人たちにどのような影響を与えたのか。フリーランスはまさに実存主義を体現する人たちと言えます。


自分の知識・経験を活かす考え方

実存主義とは簡単に言うと「生きる道を自分で切り拓くこと。個人の存在、自由、選択に重要性を置く考え方」と言われています。ここでは人は生まれつき定められた本質や運命はなく、自分の選択と行動を通じて自分自身を作っていくと考えられています。

私はこれを読んだ時まさに現代のフリーランスと重なる部分があると思いました。会社に雇われず、自らのスキル経験で仕事をこなす姿、誰と、どの様な仕事を請けるのか、選択の自由もあります。そしてその様にして生きていきたいと願うフリーランスの人たち。まさに19世紀の思想が現代に甦ってきたと実感しました。

テクノロジーの発展でフリーランスは生まれる

ではなぜ、19世紀にこの思想が生まれたのか。考えたのは哲学者サルトルです。この時代は科学の発展、産業革命、戦争、宗教の危機など、大きな変化が起きた時期です。伝統的な価値観や常識が崩壊し、人間の存在意義が問い直された時代だったのです。つまり、こうした伝統的な価値観に代わる、新しい考え方や常識を提示するために生まれたのが実存主義なのです。

これも現代と重なる部分がありました。AIによる科学技術の急速な発展、情報革命、終身雇用の崩壊、仮想通貨の登場など、安心安全と言われていた時代が終わりを告げ、これまでの価値観や常識が見直されている時代と言えます。

フリーランスの道を切り拓く考え方

では新しい考え方として、「生きる道を自分で切り拓く。個人の存在、自由、選択に重要性を置く」と言ってもどうすればいいのか。それは実存主義が教えてくれていました。

『会社員の権利と義務から、フリーランスの自由と責任』へ

これまでは当たり前に会社員を選び、給料やボーナス、有給休暇、福利厚生などの権利を得る代わりに、1日8時間労働、残業、指示命令に従う義務を得て働いていました。つまり『権利と義務』の時代。
では、フリーランスはどうでしょう。権利も義務もありません。全てが自由に選択できるのです。どんな仕事を請けるか、どの案件を選ぶか、どれくらいの報酬が妥当なのか、潜んでいるリスクは何か、もし失敗した時はどうなるのかなどなど。個人が自由に選択できるということは、その選択の結果に対しても、個人が責任を負うということになります。そう今は『自由と責任』の時代なのです。

あなたは自由と責任をどのように考えますか?

フリーランスと社会が密接な関係になること

個人が自由に選択し、行動するということは、必然的に社会に影響を及ぼすということにもなります。これまでは会社を経由して社会と関わり合っていました。しかし、フリーランスはあなた自身が会社のようなものです。この社会との連帯感を自覚し、社会問題に関心を持ち、主体的に行動していくことが大事だと言っているのです。環境問題、格差問題、科学技術の発展など身近に関心ごとはたくさんあります。たとえ何もしなかったとしても、何もしないという選択も1つの影響です。自分が働く社会的環境も自ら作っていく意識で取り組むことの重要性を説いているなと考えさせられました。

あなたは社会のどんなことに関心がありますか?

過去を後悔せず未来を憂えずに、「今、ここ」での自由な生き方

私が実存主義で好きな考え方です。過去や将来を考えず、今この一瞬を大事にする生き方、人生の不条理さや生きる目的など無意味であると認める考え方です。将来が不確実で変動の激しいVUCAの現代社会であるからこそ、実存主義はフリーランスを含むすべてのキャリアにおいて重要と考えています。目の前の仕事に全力で取り組む、目の前の人に真剣に向き合う、あと先考えずに、今目の前に全集中です!

あなたは今目の前のことに集中できていますか?

こうやって人はまた新たなルールや常識を生み出していくのでしょう。世の中は常に変化し続けています。常識や固定観念に縛られず、社会と一体になって、自分のルールを自分で作っていきましょう。


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