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打合せ現場に来ないプロジェクトマネージャーには負ける気がしない

(このnoteは3分で読めます。約2,200文字)
世の中には様々なプロジェクトが存在しています。IT化が進むにつれて情報システムの導入プロジェクトも多くなってきています。人事・給与システムや会計システムなど様々なシステムがありますが、その導入のほとんどがプロジェクト単位で実施されます。

プロジェクトを発足する場合、プロジェクト・マネージャーをトップに(プロジェクト・オーナーがトップの場合もある)、ピラミッド型の体制図が作成されます。プロジェクト・マネージャーは、そのプロジェクトを管理する責任者としてリーダーシップを発揮し、時には社長などステークホルダーに進捗状況を報告するわけです。

いくつかのプロジェクトに参加したうえで、『このプロジェクト・マネージャーはイケてないな』と思うことがありました。その理由は、最前線の現場の打ち合わせに来ないということです。このnoteでは、なぜ現場の打ち合わせに来ないプロジェクト・マネージャーがイケていないと考えるのかについて書きます。

✅1、情報システム導入プロジェクト

世の中には本当に様々なプロジェクトがありますが、このnoteでいうプロジェクトとは、情報システムの設計・製造を行いクライアントに納入する情報システム導入プロジェクトだと仮定します。情報システムのベンダー側は50名規模で、領域ごとに5チームに分かれていると想定します。その5チームを束ねているのがプロジェクト・マネージャーです。

こういったプロジェクトの場合、定期的にプロジェクト・マネージャーがクライアント先のステークホルダーに対して進捗報告をすることが一般的です。このような場面でベンダーとクライアントがバトルすることは往々にしてあります。

遅延していることに対して、『なぜ、遅延しているのか』をクライアントがツッコんだり、『遅延理由に対してどんな対策をしているのか』をさらにツッコんだりします。プロジェクト・マネージャーは大抵、進捗に遅延が発生していた場合は、事前にその原因を社内会議等を通じて把握し、対策を考えてから進捗報告に挑みます。そのため、大抵の場合は問題なく応答することができます。

しかし、進捗報告に参加しているクライアント側のメンバーが、実際に現場の最前線でベンダーと打ち合わせをしている方だと、状況が変わってきます。その方は、打ち合わせの場で何が起きているか把握しているので、プロジェクト・マネージャーの発言に違和感があればツッコむことができるのです。

この時、プロジェクト・マネージャーがイケている人なのかそうでないのかが分かります。


✅2、二次情報しか語れないということ

そもそも、プロジェクト・マネージャーが持っている情報は二次情報(人から伝えられた情報)であり、自分自身が経験して得た情報ではありません。プロジェクト・メンバーから報告された情報でしかないのです。

これは言語そのものが持つ構造的な問題ですが、言語は実際にあった事実を100%伝えることはできません。例えば、『リンゴ』と言われたときにあなたの頭の中に思い浮かぶ『リンゴ』と私の頭の中に思い浮かぶ『リンゴ』は100%一致することはないのです。プロジェクト・メンバーからプロジェクト・マネージャーへの報告も同じです。

いくら論理だてて説明しても、状況を100%正確に伝えることはできないのです。それゆえに、プロジェクト・マネージャーの持つ情報は、現場で実際に起こったことと若干の差異が含まれているのです。それに対して、クライアント側のメンバーは実際に打ち合わせに参加した一次情報を持っているので、プロジェクト・マネージャーの発言に違和感を覚えるのです。

そして、その違和感についてツッコんだときプロジェクト・マネージャーは一次情報を持ち合わせていないので、『○○からは××のように報告を受けています。』としか言えないのです。


✅3、一次情報を集める

『結局、現場のこと全然把握されていないじゃないですか。』という言葉を何度も聞きました。クライアント側は一次情報をもっており、ベンダー側は二次情報しか持っていないとき、情報の非対称性が起こります。

実際に正しいか正しくないかはさておき、一次情報を持っている側の方が説得力が生まれます。『実際、打ち合わせでは○○と発言されてましたよ。』と言われると、なにも言い返せなくなります。

プロジェクトの規模にもよりますが、プロジェクト・マネージャーはすべての打ち合わせに出ることはほぼ不可能でしょう。しかし、一部だけでも打ち合わせに出席しておくと、一次情報を持つことができるので、何かあったときに役立つと思います。


✅4、まとめ

上手くいっていたプロジェクトのプロジェクト・マネージャーは少しでも時間があれば現場の打ち合わせに顔を出していました。そして、進捗報告の際に、『実際の現場の打ち合わせでは、』と枕詞を付けて具体的な報告をしていたので説得力もありました。

もちろん、全ての打ち合わせに出席することはできませんが、プロジェクト・マネージャーはできるだけ一次情報を集めるようにした方が、進捗報告におけるクライアント側との情報の非対称性を解消でき、無駄に不利な立場になることを防げるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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