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『雲・雨・傘』ではなく『空・雲・雨・傘』ではないか。

『雲・雨・傘』という言葉を聞いたことはありますか。

コンサルティングを生業にしている方は聞いたことがあるかと思います。
新人コンサルタントが、始めの方の基礎研修で習うことが多いとフレームワークです。

『雲・雨・傘』は、私もとても大事にしている考え方です。
自分自身の考えがロジックが通っているかを確認するために「『雲・雨・傘』になっているか」という視点で見直したりします。

ただ、最近は『雲・雨・傘』ではなく、『空・雲・雨・傘』がしっくりきます。今日はその話にお付き合いください。

「初めて聞きます!」という方にざっくり説明させてください。

✅『雲・雨・傘』とは

『雲・雨・傘』は、ロジカルシンキングという文脈で語られます。クライアントに対して、何かを提案するときなどに使います。

ざっくりいうと、
「雲が出てきたので、雨が降りそうです。なので、傘を持って外出しましょう。」が『雲・雨・傘』です。

具体的に説明します。
「雲が出てきたので、雨が降りそうです。なので、傘を持って外出しましょう。」を読んだとき違和感はありましたか?
おそらく、スっと入ってくる文章だと思います。これはロジックが通っているからです。

雲が出てきている:客観的事実
雨が降ると思われる:予測
傘を持って行った方がいい:アクション

『雲・雨・傘』は、客観的事実に基づいて、論理的な予測を立て、実施すべきアクションを考えるというものです。

例えば、朝仕事に行くときのシチュエーションです。
「最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。早めに家を出よう。」
これは、『雲・雨・傘』になっているでしょうか。

いっけん、『雲・雨・傘』になっていそうですが、これは『雲・雨・傘』ではありません。予測から導き出されるアクションが合っていないパターンです。会社に定刻出社したいのであれば遅延している電車を使うのではなく、タクシーや自転車など他の交通手段で代替すべきです。時間を早めることでアクションはOKですとしてしまうとツッコミをくらってしまいます。

今回の例では、こちらが良いでしょう。
「最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。今日はタクシーで出社しよう。」

✅『雲・雨・傘』と『空・雨・傘』

「コンサル一年目が学ぶこと」に『雲・雨・傘』という考え方が紹介されます。私は、この本で『雲・雨・傘』を初めて学びました。

中には『雲・雨・傘』という人もいたり、『空・雨・傘』という人もいます。しかし、両方とも意味は同じです。

✅『雲・雨』で止まってしまう評論家

『雲・雨』だけで、「どうした方がいいか」というアクションがない人を評論家と揶揄したりします。「○○はこういうことです。」「××にはこういう問題があります。」と評論家は分析まではしますが、「どうした方がいいか」というアクションまでは言及しません。

✅『空・雲・雨・傘』

『雲・雨・傘』がとても強力なフレームワークであることは間違いありません。ただ、「『空』を最初に追加した方がいいのでは。」というのが最近の持論です。

ここでいう『空』とは導入のことです。

「雲が出てきたので、雨が降りそうです。なので、傘を持って外出しましょう。」を例にとってみると、

「空を見てください。雲が出てきたので、雨が降りそうです。なので、傘を持って外出しましょう。」の「空を見てください。」が導入です。

「雲が出てきたので」という客観的事実には、「空を見てください」が暗黙的に含まれています。言われた側は、無意識的に「あ、空の話をしているのね。」と理解します。この部分を意識的にこちらから提示することで、言われた側の思考プロセスをよりスムーズにすることができると考えています。

私が考える『空』とは、否定しがたい前提の導入です。

もう1つ例を出します。

はじめの方に出てきた「最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。早めに家を出よう。」です。

「最寄り駅付近の踏切で事故が発生」が客観的事実です。
『雲・雨』を抜粋します。
「最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。」
これだけだと何か不足していないでしょうか。
なんでこの客観的事実がいきなり出てきているのか少し想像しないといけなくなりませんか。

実は、先ほどは
>例えば、朝仕事に行くときのシチュエーションです。
を先出することで『空』(=導入)を入れていたんです。

「朝仕事行くシチュエーション」がなければ、
「最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。今日はタクシーで出社しよう。」から、その前提条件となる「この人は朝の出社時の話をしている」ということを導き出さないといけません。

『空』を追加すると、こんな感じになります。
「朝家を出る時間について。最寄り駅付近の踏切で事故が発生した。いつも乗っている時間の電車が遅延すると思われる。今日はタクシーで出社しよう。」

この方がより状況が理解しやすいように感じないでしょうか。

空:導入
雲:客観的事実
雨:予測
傘:アクション
という『雲・雨・傘』を拡張した『空・雲・雨・傘』で考えてみるのはいかがでしょうか。

少し長かったかと思います。
皆さんはどう思われますか?ぜひ、ご意見聞かせてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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