《自作詩》欲しかったもの
《欲しかったもの》
作 小西里
失った後に気づくとは
なんと愚かなことだろう
「元気になったら奢ってください」
「元気になったら買って欲しいものがあります」
「元気になったら」
「元気になったら」
友に会い真実を知った
求めたものは金で買えた
ねだったものを偶然見つけた
たらればは人が扱えない凶器だった
ずっと手紙を出し続けた
今も便箋は残っている
ポストカードは今日も買った
最期は手紙を読める状態ではなかったと
気付いていたが書くのを止めなかった
止められなかった
ど