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かがみの狐城 辻村深月


その書籍は、書店の顔になっている事も多い。
新書も文庫も必ずすぐ手の取れるところに置いてある。

今回、noteにまとめるのは
#買ってよかった本   である。

何かに悩むとき、私は大抵が人間関係についてだった。
それは小学生の頃には始まり、今も。
さすがに中学生くらいまでの悩みは、
大人になった今は「くすっ」と笑って恥ずかしくなるくらいの
ちっぽけなものも多かったが
それは私にとって「明日をどう生きるか」の
大切で、そして大きすぎる悩みだった。

本書では、辻村深月先生が
我々の記憶を細かく思い出させてくれるような
丁寧な「思春期の女の子の心理描写」が特徴である。
人と話すことに奥手になったり
誰にどう思われているのか不安になったり
思春期になると同時に押し寄せるのは
他人と自分の個性の差。
本当ならば尊い個性のはずが
相手の裁量でそれが揺らいだり欠点に書き換えられる。
そんな時代を、大人になった全員が経験している。


読んでいくにつれて
登場人物に共感をすることが増え
彼らの考え方に
大人の自分もはっとする。
子どもであるときに出会っていれば
私も自分や相手の個性を愛せただろうに。

そして結末は、やはり辻村深月先生らしい。
柔らかく甘い味がした。


かなりの長編ですが
暇人な私は4日で読めました。
過去に何か大切な気持ちを置いてきた大人に
読んでいただきたい一冊です。

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