【和訳】 露の崩壊を狙う欧米の嘘の帝国。その➀
4月26日、露安全保障会議書記(議長)ニコライ・パトルシェフが、ロシア新聞(Российская Газета)の取材に応じ、露安全保障会議の書記の立場から、様々な観点からの安全保障に関する質問に答えているこの(拡大)インタビュー記事は露国内でそれなりの反響を呼んだようだ。個人的にも面白いと思ったので、ここでも共有したい。ただ、大変長文につき、複数回に分けるとし(一度や二度で翻訳を終わらせるには長すぎて何回に分けようかと悩み中)、今日はそれの初回部分のみにしたい。
第二次冷戦
質問:今日、おそらく、「第二次冷戦」という言葉はもはや誇張ではなくなってきている。米は躊躇なく、ソ連との対決に勝利し、今回も勝つと宣言している。これをどのようにみているのか?
回答:過去も今も、世界規模の危機は、一極集中型世界秩序と自身の覇権強化の願望故、米から他に押し付けられている。米は、多極化している世界の他の中枢を抑圧してきているのに対し、我が国はこれに従事無かったのだけでなく、米が押し付けようとしているルールに沿ってプレーしないと公に宣言している。露は、主権、自意識、文化、独自の国内外製作を放棄させられるところだった。しかし我々はこのアプローチを決して受け入れられない。
我が国の抑圧を狙う米は、皮肉にも露の対極としてウクライナを選び、キエフの子分を使いながら実質的に単一民族の分裂を行っている。ウクライナ人を味方につけるきちんとした根拠を見つけられず、米は2014年のクーデターの遥か前からウクライナ人に対し彼らの排他性と露に対する憎悪を植え付けて来た。
しかし、憎しみは民族を団結させる要素になりえないことを歴史が示している。今ウクライナに暮らす人々に共通するの要素があるとすれば、それはナショナリスト大隊の残虐行為に対する恐怖感だろう。従って、欧米とそれの管轄にあるキエフ・レジームがとっている政策はウクライナが複数国家に分裂する結果に導きかねない。
欧州の危機
質問:貴方が1年程前に警告した通り、欧州はウクライナ難民の流入を含む様々な要因によって起こった未曾有の危機に直面している。これは欧州諸国の内部情勢にどんな影響を与えるのか?
回答:欧州を深刻な経済的、政治的危機が待ち受けているだろう。インフレ上昇と生活水準の低下は既に、欧州の人々の財布事情と感情を変え始めている。更に、大規模な移民の流入は麻薬密売や国際犯罪の様な古くから地域の安全保障にとって脅威となっている課題を齎す。欧州には既に500万人弱のウクライナ難民がいる。そして間もなくその数は1,000万人に到達するだろう。欧州にやってきたウクライナ人の大半は、現地人が彼らを支援し養わないといけないと考えており、労働を強いられると反抗する。
一方、ウクライナを逃れた犯罪者は、欧州においても存続の手段を模索し、これはやがて現地の犯罪グループとの衝突に繋がり、欧州の治安を悪化させるだろう。欧州での違法養子縁組等を狙った児童売買も生き返るだろう。
欧州では既に、ウクライナ国民の最も脆弱な階層を標的とした臓器売買の闇市場が欧州の患者に移植される臓器を供給しているという現象を目の当たりにしている。
ウクライナ移民の欧州への流入は2022年よりずっと前に始まっているが、今となっては、長い間忘れ去られていた病気をも持ち込まれてきていることに気が付き始めた。ウクライナ難民の中でコロナウイルス、ウイルス性肝炎、結核、風疹、麻疹等の予防接種を受けているのは10分の1程度に過ぎない。かつてはソ連の一共和国だったウクライナの優秀な公衆衛生・免疫管理や一時医療の仕組がほぼ完全に破壊されているからだ。
質問:これはまだ始まりにすぎないのか?
回答:その通り。これはまだ始まりにすぎない。対露制裁の影響で世界中が徐々に未曾有の食料危機に陥りつつある。
欧米のせいで、アフリカや中東の何千万人もの人々が飢饉の瀬戸際に追いやられる危険性がある。生き残るためには、彼らも欧州に逃げ込もうとするだろう。この様な危機を欧州が乗り越えられるという確証は無い。政治制度、国家間共同体、経済、文化、伝統は消え去る可能性すらある。そうすると欧州が後悔する一方で米は、欧露の政治的・経済的連合といった最大の地政学脅威から解放されることになるだろう。
質問:米とその同盟国はウクライナのネオナチと堂々たるファシスト・イデオロギーを完全に無視し、寧ろ同国への最新鋭の兵器を供給し続けている。いくつかの非友好国をファシズム支援者として認定し、それに伴う様々な結果も考慮時が訪れたのではないだろうか。
回答:ウクライナでの刑事処罰を逃れた、バンデラ主義者の養育を受けたネオナチの犯罪者も難民に紛れ込んでいるため、欧州は既に、公式には禁止されている筈のファシズムやネオナジズムの顕在化に直面している。これは昨今まで非現実的だと考えられていたナチス思想の欧州での復活に繋がりかねない。
ウクライナでの戦闘経験を持つ何万人もの過激派とヒトラーに憧れるする欧州の人々と人と繋がり始めており、これは今後の極右感情が強まる減員になるのではないだろうか。
今日はここまで。