「自分を殺してまで叶えなければならない誰かの願いなんて…ないよ」
(前世のお話です)
名前はタオア。男性。
アジア系(黒髪)
ある、領主の血筋の嫡男。
タオアは正室の子。
血筋がものをいう時代…。
タオアは幼い頃から当主となるための教育を受け、育った。
物静かで、淡々としている。自分は“個”ではなく、国を治め、繁栄させる為に存在している。そう思っていた。
タオアには、側室の子であるが二つ上の兄トンアがいた。
トンアは普段ニコニコと笑い、タオアにも好意的であった。
「タオアが当主になった時は支えるよ」
いつもそう言っていた。