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今すぐ使える!朝日新聞・名文記者による文章が簡単に上達する方法

「うまい文章を書くためには、トレーニングが必要である」

これは誰もが認識している、文章上達の秘訣だと思います。
何事においても、技術向上には練習が重要だとよく言われます。

しかし、初心者でも手っ取り早く、うまく書けるようになりたい
そんなときも、ありますよね。

たとえば、会社に提出する感想文やレポート。大人になればなるほど、あまりみっともないことは書けません。でも、どこをどう直せばいい文章になるのかわからない、ということはありませんか?

実は、今すぐ使える、とっておきの文章テクニックがあります。

朝日新聞の名文記者として知られる近藤康太郎さんによると、ある3つのポイントを意識するだけで、初心者でもわりあい簡単に上達することができるそうです。近藤さんは、これを文章の「三妖怪」と呼びます。

本記事では、新刊『文章は、「転」。』(近藤康太郎 著、フォレスト出版)から文章の大敵「三妖怪」についてご紹介します。

著者いわく、この妖怪を退治するだけで、格段に文章が読みやすくなるそうです。妖怪には、次の3タイプがいます。

①重複ドン
②どっさりもっさり
③分かりにっ壁

まず一匹目「重複ドン」は、同じ言葉の繰り返しです。これがなくなると、文章のスピードが上がり、読みやすくなります。

2匹目「どっさりもっさり」は、もさ~っとしている。あってもいいが、なくても分かるような文章のことです。

そして三匹目「分かりにっ壁」は、意味がわかりにくく、読者にはすぐ伝わらない文章のことです。最大の難敵なのだとか。

(※各妖怪について、詳しくは本書をご確認下さい)

この記事では、本書から1つ例をあげてご紹介します。以下の文章をご覧下さい。

【文例】
 会社の始業より一時間早く駅に着くと、会社ではなく駅のコーヒーショップに行く。飲み物を買って席に着くと、メールをチェックし、今日の予定を確認する。時間に余裕がある時は英単語を覚えたりする。これが、数年間続く私の朝のルーティーンだ。 
 数年前、「ジョブローテーション」があり、これまで行っていた仕事と全く違う仕事をすることになった。折衝など内向的な自分には向いていない仕事だった。

短文のリズムがあって上手ですが、実はここにも妖怪がいると著者は指摘します。どこに何が隠れているか、あなたはすぐにわかりましたでしょうか?

たとえば、「会社」「着くと」が重複ドンになっています。
ここはすでにお気づきのところかもしれません。
しかし、その次が肝心です。

二つ目の「会社」を抜いて、「駅の構内にあるコーヒーショップ」と書き換えられそうですが、実はそれは、どっさりもっさりであると著者は言います。

 「コーヒーショップに行く」と書いている時点で、そこが「会社ではないこと」ことは分かります。コーヒーショップが駅の構内にあるのか、駅を出て会社への途上にあるのか、その位置関係が重要でしょうか?

 会社に入る前に一息入れる。そうすることで、対人関係に苦労がありそうなこの筆者も、平静を取り戻す。そういう趣旨の文章です。であれば、コーヒーショップがどこにあろうと、関係ない。なくていい情報です。

したがって、この部分は次のようにブラッシュアップできると著者は述べています。

会社の始業より一時間早く駅に着くと、コーヒーショップへ行く。飲み物を買ってテーブルに置き、メールをチェック、今日の予定を確認する。

いかがでしたでしょうか?
上記の文例には、あと2匹いるそうですが、重複ドンをなくすだけで、無駄が省かれ、より洗練された文章になったのではないかと思います。

本書ではそのほかにも、各地の文章塾やライター向け講座で、著者がじっさいに添削した文例を、許可を得て、多数掲載しています。どこをどう直すと読みやすくなるのか、心を打つのかがわかります。

また、いい文章を書くために必要なトレーニング方法についても紹介しています。単なる言葉を鍛える方法ではなく、数多ある文章術に関する書籍の中でも、文章を書く前提として、ものを感じる力、五感を鍛えることの大切さに焦点をあてています。

「もっと上手く文章を書けるようになりたい」
「自分にしか書けないものを書けるようになりたい」

そんなときに、ぜひ読んでいただきたい一冊になります。

もしご興味がございましたら、ぜひお手にとって読んで頂けますと幸いです。


(フォレスト出版編集部・山田)

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