#376【ゲスト/編集者】読者と一緒に「お金の知識」を学ぶ本づくり
このnoteは2022年4月20日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
新書『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』
土屋:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める土屋芳輝です。本日も昨日に引き続いてSBクリエイティブ編集部の小倉碧さんをゲストにお迎えして、編集部の森上さんと共にお伝えしていきます。小倉さん、森上さん、本日もよろしくお願いします。
小倉:よろしくお願いいたします。
森上:よろしくお願いします。
土屋:昨日はSBクリエイティブさんのこと、そして編集者としての小倉さんのことについて詳しくお聞きしたので、まだ聞いていない方は昨日の放送をチェックしてみてください。本日は小倉さんのご担当されている書籍についていろいろと聞いていきたいなと思います。では、ここからは編集部の森上さんに進行をバトンタッチします。森上さん、よろしくお願いします。
森上:はい。よろしくお願いします。まずさっそくなんですけど、新書の『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』、こちらの本の内容についてお聞きしてもよろしいですか?
小倉:はい。(2022年)3月のはじめに出たばかりの本なんですけど、ありがたいことに今は3刷になっています。
森上:素晴らしい!
小倉:著者が渡部清二さんという方で、独自の方法で「会社四季報」を最初のページから最後のページまで全部読破することを25年間やってきた、まさに「会社四季報」の達人とも言える方なんですけど、その25年間の熟読経験から編み出された1冊です。「四季報」というと数字ばかりがずらずら並んでいる難しそうに見える本って思っている方も多いと思うんですが、いろいろと載っている情報の中のここを見るだけで、投資についてあまり詳しくない方、四季報について全然馴染みがない方でも簡単に株価がこれから10倍とか100倍になるような優良企業を見つけることができますよという、すごいノウハウを集約しつつ、そのやり方で著者ご自身が見つけ出した優良企業の紹介までしているという本です。
森上:なるほど。これはどちらかというと企業に焦点を当てるよりも、基本的に株投資において「この会社が買いだよ」みたいなことを言っているって感じですか?
小倉:そうですね!
森上:なるほどね。「会社四季報」って東洋経済さんから出ているじゃないですか。そことの調整って大変だったんじゃないですか? 大丈夫でしたか?
小倉:はい。元々、渡部さんが「会社四季報オンライン」という東洋経済さんがやってらっしゃるサイトで連載を持っていらっしゃるというつながりもあるということで、渡部さんを通じて東洋経済さんの方には当初からお話をさせていただいて、こういう本を出すこと自体はかなりウェルカムというか、どうぞという感じで、快くOKをしてもらいました。
森上:そうですか。実はうちも一回、僕の担当じゃないんですけど、渡部さんで「会社四季報」の本を出して、担当編集がかなり苦労していたようだったので。
小倉:そうだったんですね。
森上:そうそう。引用するのも結構大変そうだったので、もしかしたら小倉さんもご苦労されたんじゃないかなって思ったんですけど、意外とスムーズにいった感じ?
小倉:「会社四季報」の紙面を掲載したものの確認とかはいくつかプロセスがあったんですけど、おそらくフォレストさんで以前出された渡部さんの本を含めて、渡部さんは何冊か本を出していらっしゃいますから、その経験の中で先人の方が積み重ねてきたノウハウというか、やり方に則ってやらせていただいたかなという感じですね。
森上:そうですか。
小倉:マニュアルみたいなものがありましたね。この時期にこれをやりましょうというのは、渡部さんからお聞きして。
森上:そうですか。小倉さんは株とかにご興味はあるんですか?
小倉:それが全然やったことがなかったんですよ(笑)。今日ご紹介させていただく2冊は両方ともお金に関する本なんですけど、私もつくらせていただきながら勉強した感じです。
森上:そういう意味では、読者視点というか、そこがうまくいっているのかもしれないですよね。噛み砕いてわかりやすく。
小倉:私みたいなド素人でもわかるような内容にはなっているかと思います。
森上:なるほど、なるほど。そういう感じなんですね。これ、アマゾンとかで見ると、「6ヶ所見るだけ!」って、限定されて、「ここがポイントだ!」みたいな。たぶん、キラーコンテンツなんですけど、その内の1か所だけ教えていただけませんか?
小倉:紙面がないとなかなかご説明が難しいかもしれないですね。渡部さんが「会社四季報」の紙面をいくつかのブロックに分類していまして、その中で6ヶ所を見ましょうっていう感じなので……。今回は音声だけでお話をさせていただいているので、うまく申し上げられないのが心苦しいんですが……。
森上:そうですね。それを知りたい人はもう本を買うしかないですね。
小倉:ぜひぜひ!
好評シリーズ第2弾『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』
森上:(笑)。あともう1つが、『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』っていう本なんですけど、これはシリーズですよね?「お金」のほうも売れていましたもんね?
小倉:はい。『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』というのが2年半ぐらい前に出させていただいて、同じコンセプトの姉妹作ですね。で、もう4月になってしまったんですけど、今月から日本でも高校の家庭科の授業で「投資」について学ぶということが今年(2022年)からスタートする、投資元年と言える年だと思うんですが、実は欧米に目を向けると、日本よりもずいぶん先に、アメリカでは高校時代から、こういうお金の基本について学ぶ授業というのが実際に行われているようで、今日ご紹介させていただく『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』も、その一つ前の『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』も両方とも実際にアメリカの高校で授業に使われていた1冊なんです。
森上:なるほどね。金融教育という部分において、金融リテラシー的なところっていうのは、日本よりアメリカのほうがすごいと言われていますよね。これは両方とも翻訳本になるんですかね?
小倉:翻訳書です。
森上:翻訳書なんですね。翻訳書は積極的に取りに行ってる感じですか?
小倉:そうですね。取りに行ってます。最近の趣味の一つとして自分で原書を探してくるというのがありまして、この2冊も自分で探してきたものなんです。
森上:あ! そうですか? じゃあ結構、アメリカのアマゾンとかもチェックしたりとか?
小倉:そうですね。
森上:なるほどね。原著は英語だと思うんですけど、小倉さんは英語はすらすら読めちゃうんですか?
小倉:それが全然私は英語力がないんですよ(笑)。なので、最近はGoogle翻訳さん等々、AIの力を借りてですね。
森上:英語が堪能でない場合は、確かにあの力は借りざるを得ない感じですよね。そして、その力も信用もできるようになってきているしね。
小倉:そうなんですよね。結構精度も上がってきてると思うので、完全にお世話になっています。
森上:そういうことなんですね。『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』は結構売れたんじゃないですか? どのくらい売れたんですか?
小倉:15万部くらいでしょうか。
森上:素晴らしい! 15万部! 『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』のほうも結構いい感じで動いていますか?
小倉:今年の2月に出たんですけども、3刷かな。
森上:素晴らしい! さすがですね。この本は編集していて、一番苦労したこととかありますか?
小倉:苦労は、日本の読者には再現性のない、アメリカの制度を含む内容で、アメリカではそうだけど、それをそのまま日本に持ってこれないような内容も原著には含まれているんですね。それをどれぐらい残して、どれぐらい削るかっていうところはすごく神経を使ったところですね。アメリカっぽさみたいなものを伝える上で、ある程度あるのはよさそうなんですけど、それが多すぎてしまうと自分が使っても役に立たないと思われてしまいかねないので、そこですね。
森上:そこのバランスですね。そうですね。翻訳書あるあるですけど、特にこういうお金とか経済とか社会システムのルールというか、その部分の精度が違う場合にどうしようかってめちゃめちゃ迷うのが翻訳書ですよね。
小倉:そうですね。そのときに、全部削除してしまうっていう選択肢も、もちろんあると思うんですけど、それをしないといけないテーマと、ある程度現地の香りを残したほうがいいテーマがあって、私もそんなにたくさん翻訳書をやらせていただいてるわけじゃないんですけど、少ない経験の中で思ったのはそれですかね。お金に関しては多少残ってるほうがいいのかなという気がしました。
森上:なるほどね。そうなんでしょうね。翻訳書の難しいところって、やっぱそこですよね。僕自身も自己啓発の翻訳書とかってやったことがあるんですけど、あまりにも文化が違う場合って、ベースが違うので、そこをどうしようかなとか、結構考えたり、翻訳者の意見をもらったり、そのさじ加減って翻訳書ならではの難しさってありますよね。
小倉:ありますよね。
森上:なるほどね。こちらもすごく売れているということで、4月から金融教育が始まっていますから、楽しみですね。
小倉:これを機に成功事例のアメリカの高校生がどんな本を読んで勉強してきたのかなって思っていただける方が増えるといいなと願っています。
森上:本当にそうですよね。ありがとうございます。土屋さん、そんな感じですが、何かご意見はありますか?
土屋:そうですね。両方ともすごくおもしろそうで、特に『会社四季報の達人が教える 誰も知らない超優良企業』はちょっと中身をのぞいてみたいなって思いました。
森上:そうですよね。6つのポイントって、どこなんだろうって。
土屋:はい。あと、『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』っていうのは、子どもを持つ立場なので、参考に読みたいなと思いましたね。
ということで、この2冊なんですけれども、このチャプターにURLのリンクを貼っておきますので、ぜひ気になる方は見ていただいて、もちろん買っていただければと思います。では、最後に小倉さんからリスナーの皆さんに一言、メッセージをいただければなと思うんですけれども。
小倉:そうですね。私は今、新書を中心に担当させていただいているっていう話は、冒頭でもさせていただいたんですけど、うちでやっている新書が「SB新書」っていう名前のレーベルでして、15年ぐらいやってきました。このたび、今年の1月に見た目と企画のコンセプトのリニューアルをしました。リニューアルの趣旨っていうのが、新書の枠にとらわれない、単行本的な自由度で企画を発想したいというのと、あと、新書って結構年齢層が高めの方たちが、主なお客さんと思われている書籍なんですけど、意外とうちでロングセラーになっている本っていうのが、もうちょっと若い世代、40代ぐらいの現役世代の方が中心に買っていかれることが多くて、それは他の新書レーベルさんにはない、うちならではの得意なところなので、ならばその得意なところだけやっていくようにしたらいいんじゃないかっていう狙いでやっております。
本屋さんの店頭でリニューアル後の2022年1月以降に出た新書たちの表紙のデザインとかも見ていただけると思うんですけど、見た目があまり新書的ではないんですね。著者の写真をカバー全体にあしらったりですとか。新書ってカバーデザインは1つのフォーマットがあって、帯のデザインとかは書籍ごとに違うみたいなところが多いんですけど、そこには全くとらわれずに、自由に表1を作るというところで、目立つよう、店頭で目にかけていただけるようにということを心掛けています。ぜひ本屋さんに足を運ばれたら、実際に店頭で見ていただければなと思います。
森上:素晴らしいですね。ありがとうございます。
土屋:ありがとうございます。ということで、今回はSBクリエイティブの小倉さんにいろいろなお話をお伺いしてきました。小倉さん、ありがとうございます。
小倉:こちらこそありがとうございます。
森上:ありがとうございました。
土屋:ということで、みなさん、本日紹介した2冊の本を含めた、それ以外のSBクリエイティブさんの新書ですね。リニューアルされたということなので、ぜひ書店さんでチェックしていただければと思います。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)