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#431【フリートーク】新人編集者の本音トーク

このnoteは2022年7月5日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
 

ひたすら企画10本ノックする日々

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める、今井佐和です。今回は「新人編集者の本音トーク」ということで、3人の編集者をお呼びいたしました。フォレスト出版の編集部の森上さん、寺崎さん、そして今回の主人公の美馬さんになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 
森上・寺崎・美馬:よろしくお願いします。
 
今井:今回は「新人編集者の本音トーク」ということなんですけれども、美馬さんはVoicyには初登場になりますでしょうか?
 
美馬:はい。
 
森上:美馬さんが入社したのっていつだっけ?
 
美馬:(2022年)先月、5月の半ばですね。16日に入社しました。
 
森上:今日、収録しているのは6月24日だからちょうど1ヶ月経ったくらいだね。
 
美馬:そうですね。
 
森上:入ってみてどう? どんな感じ?
 
美馬:イメージ通りではありましたね。
 
森上:どんなイメージでした?
 
美馬:修行じゃないですけど、企画を頑張ってつくるための勉強じゃないですけど、今はちょっとずつちょっとずつ企画10本ノックということをやらせていただいているので、この1カ月間は私の頭の中はずっと企画のことでいっぱいでした。
 
森上:そうだよね。月曜日、水曜日、金曜日にそれぞれ10本ずつワンライン、テーマと著者の候補を挙げてもらう感じだよね。だんだんツラくなってきているんじゃない? なんだかんだでもう160本ぐらいいっているんじゃないの?
 
今井: 160本ですか!?
 
美馬:1週間に30本なので、単純に150本くらいですかね?
 
今井:すごいですね。ところで、おそらくVoicyをお聞きの皆さんも驚かれると思うんですけども、美馬さん実は前職は出版と全然違うところにいらっしゃったんですよね?
 
美馬:はい。前職は都内の大学病院の救命救急センターで働いておりました。
 
森上:救急病棟ってもう本当にドラマの世界でしょ?
 
美馬:そうですね。はい。
 
今井:企画じゃなくて、救急患者をノックノックみたいな世界ですよね。
 
寺崎:うまいな(笑)。
 
今井:わからない人をどんどん対応して、みたいな。
 
美馬:大学病院だったので、三次救急でかなりドラマに近い現場だったと思いますね。
 
寺崎:すごいよね。だから昼間に限らず夜中でもどんどん患者さんが送り込まれてくるんだもんね。
 
美馬:はい。今でも救急車の音とか聞くと、ちょっと思い出しちゃいます。
 
寺崎:江口洋介みたいなお医者さん、いた?
 
美馬:本当にダンディなお医者さんがいました。かっこいいですね。
 
森上:そうだよね。だからもう本当に生死を彷徨うというか。三次救急の三次っていうのは、数字の“三”に“次”っていう字?
 
美馬:そうです。
 
森上:一次、二次、三次ってあるんだ?
 
美馬:そうです。三次が一番重いので。一次とかだと夜間外来で歩いて来れちゃうような、それが一次救急ですね。で、二次、三次ってなっています。
 
森上:なるほどね。じゃあ、1番きついやつだ。だから面接していても、体力はもう何も言わなくても前職でバリバリありますよってことはわかったもんね。
 
寺崎:そうですね。あと、やっぱり前職の看護師の仕事を3月に辞めて、それでうちに応募されて面接に来られたっていう、退路を断った本気度っていうのが結構僕も森上さんもびっくりしたんですよ。
 
森上:覚悟ね。面接の公開みたいになっちゃっているけど、大丈夫?
 
美馬:(笑)。

20代の同世代に届く本をつくりたいという想い

森上:結局、ずっと出版の編集には興味があったんだよね?
 
美馬:はい。私の世代だと、やっぱり漫画編集ですね。たびたびこのVoicy内でもお話をされていると思うんですけど、漫画編集になりたくて出版業界に興味を持ちはじめたのが高校生ぐらいですね。で、なんだかんだいろいろとあり、看護師を1年やって、新しい4月のタイミングでやっぱりこの夢をあきらめきれないなと思って、一念発起して、この業界に入りたいなと思いました。
 
森上:それこそ本当にいろんな人と会ったり、書類を見させてもらっている中でもやっぱり本気度って意外と伝わるんだなって。寺崎さんは思わなかった?
 
寺崎:思いますね。数あるうちの1つとして受けてくれている人と、本気で入りたいっていう気持ちで来てくださる方の違いはありますよね。
 
森上:そういうのって意外と伝わるものなんだなって、逆に勉強になったというか。これをわざわざ仕事に置き換える必要はないかもしれないけど、例えば、本気で著者を口説きたいと思ったときの姿勢でも本気度ってそのまま伝わるよねっていう話で。無理やり感はあるんだけど。そこはすごく勉強になったよね。
 
寺崎:あと、今井さん、美馬さんって入社が決まってから入社までに……、一応「これを読んでおいてくださいね」と本は何冊か渡してあったんだけど、なんとVoicyを全部聞いてくれて。
 
今井:えー!
 
寺崎:noteも全部読んできたんですよ。
 
今井:すごいですね!
 
寺崎:すごいでしょ。
 
今井:すごいです! Voicy、今は何回やっています?結構な回数やっていますよね?
 
森上:この前、400回記念をやっていたからね。
 
美馬:私は370ぐらいまでは聞いたと思います。もちろん倍速で聞きましたけど。
 
今井:すごいです! しかも、noteも毎日投稿しているからたくさんありますし。
 
美馬:やっぱり面接対策っていうのが大きかったかもしれないです。面接で何を聞かれても答えられるように。
 
森上:そっか。もう面接前からか。そういうことだね。
 
寺崎:「森上さんの好物は何でしょうか?」みたいな。
 
今井:(笑)。
 
森上:そういうクイズ? 俺、そういうこと、しゃべったことあったっけ(笑)?
 
寺崎:そういう面接もあるらしいよ。社長が出てきて、「はい。今日は、私は朝、何を食べたでしょうか?」って。社長がTwitterに上げていることを聞いてくる。
 
森上:なるほどね。それぐらいチェックしておけ的な感じだよね。言いたいのはそういうことだよね?
 
寺崎:そうそう。
 
森上:俺はそれを聞いたとき、ちょっとざわっとしたけどね。
 
寺崎:まあね。ちょっとざわつくね。
 
今井:ざわついちゃいましたか(笑)。
 
森上:でも、その辺の心構えというか、どんな会社なのかわからないけど、お客様が何をしているか、やっぱりちゃんと準備をするというのは大事だぞってことが言いたいんだろうけど。
 
今井:あと、受ける側としても知っていくうちに「ここ違うかも」って思ったら、他の会社を選ぶこともできるじゃないですか。知らずに受けて入って、「あ。違うかも」だと、ちょっと遅いというか。だからお互いのマッチ度をさらに高めるって意味でも、そういう内部のものにいろいろと触れるというのはいいのかもしれないですね。
 
森上:なるほど。いいこと言うな。
 
寺崎:確かにね。だって、我々はVoicyで内部事情をダダ漏れさせているもんね。
 
今井:赤裸々です(笑)。
 
森上:何も気にしないで話していることが結構あるからね。
 
今井:それで、「この会社いいかも」って思ってくれたことの方が私はすごくうれしいなあなんて思っちゃいました。
 
美馬:それこそ「フォレストピンク」とか、そういう単語とかもnoteを見て知ったので、「面接で使えるかも」とか思ったり(笑)。「私、こういうこと知っていますよ。」みたいな。
 
森上:なるほどね。このVoicyでも募集をかけたりとか、noteでも、あとはオープンでも募集をしたのですが、なんだかんだ書類で言ったら、250人以上は来ていたけど、その中の1人だもんね。そうだよね、寺崎さん? 俺だけ言っているとウソっぽくなっちゃうけど。
 
今井:(笑)。

寺崎:そうだね。それで、晴れてなりたかった編集者になったと。で、美馬さんは、どういうジャンルをやりたいって具体的にあったりするんですか?
 
美馬:もちろん、ビジネス書とかで売れる本を作りたいっていうのは、夢としてはあるんですけど、やっぱり面接の時にもちょっとお伝えしたんですけど、私みたいな10代、20代の女性って、こういうビジネス書とかってあんまり手を出さないジャンルだと思うので、そういう同世代の女性にも手に取ってもらえるような本を作りたいなっていうのは1つの目標としてはあります。
 
寺崎:いいですね。それは、俺にも森上さんにもできないもんね。できないっていうか、なかなかそこの世代に想像力が及ばないっていうかね。
 
森上:そうね。そこの読者になりきれないっていうかね。そこの想像力はどうしても限界があるよね。50近いおじさんたちにとってはなかなか難しいよね。
 
今井:やっぱり女性、男性っていう性別でも、編集者さんって変わってきたりするもんなんですか?
 
森上:あるよね。
 
寺崎:それはやっぱり我々が美容の本とかはなかなか難しいですよ。
 
森上:きついね。難しい。まあ、作ったこと何回もあるけど、結構きついよな。限界があるというか。
 
寺崎:メイクの本とかね。男のメイクだったら作れるかもしれないけど。
 
森上:やっぱり悩みとか、想像に限界があるんですよね。どういうものを求めているかって、一応情報としては知っていても、そこにやっぱり限界があるというか。
 
寺崎:佐和ちゃん、昨日ね、企画会議があって、飲食店の企画だったんですよ。どういう飲食店を選ぶといいかみたいな、ざっくり言うとそういう企画なんだけど、それに対して美馬さんが「私たちの世代は本を見て店を選ぶっていう行為はしないかもしれない」って。「インスタでお勧めされているものから選んでいくから」っていう、企画の根底からズコーンってやられちゃう感じ(笑)。
 
今井:(笑)。まあ、間違いなく、Googleの食べログの星印からチェックしちゃいますよね。
 
寺崎:それは我々でしょ? それもしないんだって。食べログも見ないんだって。
 
今井:インスタなんですね。
 
森上:そう。だからいわゆる本でもなく、普通のWebサービスでもなくっていう感じだよね。そもそもその本自体が役に立たないんじゃないかって。
 
美馬:でも、そういうわけで言ったんじゃなくて、そういう若い子たちにも手に取ってもらえるような本にしなきゃいけないなっていう意味を込めて。はい(笑)。
 
森上:なるほどね。ある程度、年がいっている男性の方向けの企画だったんだけど、そうだよね。
 
今井:素晴らしい視点ですよね。

初めての企画会議で凹んだ話(泣)

森上:そうそう。佐和ちゃんから先ほど質問があった、女性とか年齢とかって、やっぱり刺激というか、それぞれの領域があって、別にそこはフラットだし、上下もないしっていう感じだよね。そういう意見ってめちゃめちゃ貴重だなってやっぱり思うよね。そういう意味では編集部としても絶対プラスに働いているよね。
 
寺崎:だって、人口の半分が女性ですから。男性だけじゃ無理ですよ。
 
森上:そうだよね。
 
今井:今は編集部唯一の女性が美馬さんになりますかね?
 
森上:そうですね。今はそうなりますね。20代はもう1人いますよね。そういう意味では、美馬さんには女性の観点からの貴重な意見をもらえるという。もう美馬さんにも企画会議で企画を出してもらっているんですけど。やってみて、どう? 2回ぐらい出したんだっけ?
 
美馬:はい。2回出させていただいて、率直な感想だと、凹みますね。すごく凹みます。やっぱりなかなか23年生きてきて、自分の出した企画というか、自分のアイデアを批評されることってなかったので、そういう意味ではちょっと打たれ強くならなきゃいけないなと思いました。
 
森上:そうだよね。確かにそういった機会ってないよね。我々はもう慣れちゃっているけど、最初はそうだよね。この年になると、そこは凹むっていうか、よりよくするための意見をもらっているっていう感覚かな。受け取る側の意識の問題で変わってくるかもしれないね。年齢だけでもないような感じもするよね、寺崎さん。
 
寺崎:我々みたいに場数を踏んでいると、凹むというよりもワナワナするよね。
 
一同:(笑)。
 
今井:どうゆうことですか?ワナワナって(笑)。
 
寺崎:絶対にこれはいい企画だと思って出しているんですよ。だけど、営業部がすごいなんか……。今日も僕は若干ワナワナしたんですけど。
 
一同:(笑)。
 
寺崎:ある企画で、すごく否定的な感じでこられたんで。
 
森上:めちゃめちゃ俺もそれは感じたよ。俺は司会をやっていたんだけど。
 
寺崎:だから、凹むよりもファイティングモードになっちゃうね。
 
今井:でも、それがまたいい味になってきますよね、きっと。「絶対“うん”と言わせてやる!」みたいな感じの熱量でいい本につながるっていうか。
 
寺崎:そうかもしれないですね。そうやって叩かれて磨かれて、竹がしなるように強く。
 
森上:それはあるね。
 
美馬:でも、1番は自分の企画に自信がないっていうのがあるかもしれないです。
 
森上:なるほど。もっと自信を持ってプレゼンしてもいいかもしれないね、美馬さんは。
 
寺崎:でも、最初はみんな自信ないですよ。
 
森上:そうだね。
 
寺崎:一番最初はそんなもんですよ。少しずつこれから成功体験を積むってことで。
 
森上:そうだね。段々面の皮も厚くなってくるし。
 
今井:(笑)。たぶん、自信があるものの方ほうがワナワナすると思うんですよね。「こんないい企画なのに、ケチつけるなんて何事じゃい!」みたいな感じで。なので、ワナワナするレベルまで自信を持つのが結構大事かもしれませんね。
 
寺崎:僕も20代の頃なんて企画会議なんていったら、本当にド緊張もので、ちゃんと言うことを紙に書いて行ったりしていましたよ、当時は。それこそ言われたら凹んでいたし。
 
森上:そうだよね。結局、それを受けていくうちに、慣れてくるだろうし、積み重ねていくし。そんなにめちゃめちゃ気にすることでもないし、気にすることでもないって言ったら語弊があるか。
 
美馬:はい。いろいろと吸収していきたいと思います。
 
今井:何でしたっけ? 社長の名言というか、1割バッターでしたっけ?
 
森上:そうそう。うちの社長の座右の銘で「1勝9敗でいいじゃないか」っていう、「3割バッターでいい」っていう。「バントヒットでもいいぞ」っていう。その裏には何があるかって言うと、守りにいくんじゃなくて、挑戦の意識を持っておこうねっていう、そこの部分がセットで。
 
今井:ホームランを狙って、三振よりもどんどんバットを振っていこうみたいな感じですかね?
 
森上:そうだね。まあ、ホームランが大事。ホームランを狙いに行くのが大事。本気でバッターボックスに立って、本気で大振りしに行くのも全然ありだし、それで1勝9敗でもいいっていう、それはちょっと言い過ぎだと思うけど、3割バッターっていうのは現実味がある話だよね。
 
今井:野球でも3割バッターはだいぶヒーローですもんね。
 
森上:そうですね。そういえば美馬さんは野球に精通しているもんね?
 
今井:そうなんですか?
 
美馬:高校3年間と大学2年間は、野球部のマネージャーでした。
 
今井:そうなんですね。
 
森上:ソフトボールもやっていたんだっけ? 違ったっけ?
 
美馬:ソフトボールはやっていなかったです。
 
森上:そっか。ごめん(笑)。そういう感じなんで、いい意味でのびのびとやってもらえたらうれしいです。
 
今井:1カ月にして150本のノックを打っているっていうことで、これからがすごく楽しみだなって思っています。
 
森上:確かに。楽しみにしています。
 
美馬:ありがとうございます。
 
今井:では最後に、Voicyをお聞きの皆さんに美馬さんからひと言、この業界を目指す人にということでメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?
 
美馬:はい。まだ1カ月しか経っていなくて、新人編集者の私が何かものを言える立場ではないのですが、編集者を目指して頑張っている皆さんに届けたいのは、夢はやっぱり叶うものだなと私は思ったので、まずは入りたい出版社のことをいっぱい調べる。私は徹夜をしながら、フォレストのことをたくさん調べたので、そういう意識がきっと面接にも出てくると思うので、ぜひ頑張っていただきたいです。
 
今井:ありがとうございます。これからの美馬さんが携わる編集に期待ということで、また美馬さんが編集した本ができあがったらVoicyにも来ていただくことになるかと思います。どうもありがとうございました。
 
森上・寺崎・美馬:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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