「この世の喜びよ」168回芥川賞作品です…
◻️ 読後、おもちゃ箱をひっくり返したようでした。
すぐに再読しましたが、受賞作家は「詩人」でもあるそうで、謎解きのような特有な言い回しに最後までなじめなかった。
色や音や匂い、雑多な質感がザワザワと投げ出されて…
文体は好みの域かもしれません。
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星5中3。何人もの読者が長々とレビュー(解説)を明記している。読んで落ちるものがある。
審査員が「提案した作品」とすれば、それは勇気あることと思う。
「芥川賞」は手に取る事が多くありました。
手垢の付いてない新鮮な雰囲気が楽しみでした。
◻️ 先頃ノーベル文学賞の大江健三郎氏が亡くなりました。彼もかつては審査員でした。
歴代の芥川賞審査員に並ぶ方々と世代を共にして来た人間には、芥川賞は読み解く事ができなくなったと不安にもなる。
しかし、古文は時を経ても美しい。と慰めるとこうした文体は右・左と進める電子書籍を意識され、読みやすいかも…とも考える。
選考基準には「作家の思想などが現れていて、作者独自の文体で書かれた芸術性豊かな作品」
納得します。
◻️「言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作」と書評。
"ことばにならない感情"その感情は最早、呼び覚ますすべもなったのか。
二人の子育てをする親(作家は教師)は、多くの子と関わって、自分の娘たちには不感症になるものだろうか。
教師には「我が子」は自社製品でもある。
真っ白を染めていく「子育て」は尊い、創造性豊かな時間でした。ある意味、親(母)の手にかかっています。
違和感は、ショッピングセンター内でなければ読者(私)は気持ちが落ち着いたのだろうか。
作家は真に親しみやすい日常や人間関係がそこにあったのだろか。
◻️子育てをしない大人になりたくない。母親に子を育てた思いを返してあげたい。
曖昧な表現ですが、ある日そう決心ました。
家事・仕事・子育てセットを楽しめるようになりましょう。とその時思った。
複雑な世の中を泳ぐようにして、子育ての結論は10年・20年では見えません…でした。
自分育てに20年、子育てに20年残りは元に戻り自分磨き…
◻️ 「この世の喜びよ」は講談社から出版しています。
ロゴが変わった。2021/04/15
講談社は、創業以来の方針である「おもしろくて、ためになる」の精神を英語で表現した新たな企業理念とロゴを作成した。
これも新たに知った。
◻️ この先は家族・子育て・専業主婦…死語となってしまうのか。世代交代と言葉はあっても形態は変わらずあって欲しい。
少子化は経済の問題だけではないように思っています。
作家は団塊世代ジュニアの子育てです。
「中島あかね」装画のこの本には、他に2篇あります。
家族・子供がキーワードになっています。
子育て真っ最中、これから子育て、あるいはこれから家族を持つ方々に、自分の〇〇のために参考にしていただきたいと思います。
受賞作家は、物心がつく頃、または生まれた時から通信環境が整っていた世代のため「デジタルネイティブ」と呼ばれ、明らかに行間を読む世代ではない。
パシャパシャとキーボードを打つ音が聞こえてくる。その音が耳に障る。
鉛筆が筆記用具だった世代とは、単語を連ねるスピードも文字のかたまりも、感性も違って当然です。
シンプルにこの世の喜びを分かちたいと思う。
しかしながら文面から"この世の喜び"は見つける事は出来なかった。感情として捉える事はさらにに悩ましい。
とまれ、感想です。
ショッピングセンターの騒音が、頭の中で静まった頃に「この世の喜びよ」を再々読します。
詩的な表現も「ことばにならない感情」として捉えられるかもしれません。
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