ウォーキングの決め手は残心
人生挽回フットスタイリストの高橋素子です。
酷暑が続いています。鎌倉の海は、海の家は建設されず、海水浴場は開設されないのですが、連日沢山の人で賑わっています。
そして、いよいよオリンピックが始まりました。厳しい状況下開催されていますが、日本の選手の金メダル情報が次々入ってきて、元気をもらえます。
さて、ここのところ、ウォーキングのグループレッスンの他、プライベートレッスンが連日のように続いています。
リモートワークやオンラインによる授業、子供達も家に籠りゲームに熱中。高齢者も外出を控えているようですから、姿勢は悪くなるし、運動不足にも。一番気になるのが、下半身の弱体化。
そこで、姿勢と体のバランスを整える歩き方に、皆さん意識が向くようになっているようです。
突然ですが「残心」という言葉は知っていますか?
残心(ざんしん)とは日本の弓道、剣道、柔道などの武道および伝統芸能において用いられる言葉で、残身や残芯と書くこともあります。
意味としては、「技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態」のことを言います。心が途切れていない状態とも言います。
だらしなくないことや気を抜かないこと、卑怯でないことであり、裏を返せば「美しい所作」の継続ともいえます。
私が皆さんに伝えたい、習得していただきたいウォーキングは、この残心に近いものがあります。
足音を立てて、忙しそうにバタバタと通り過ぎていくのではなく、
ゆとりのある足運び、
しかしながら、力が入っているわけでは無く
歩き過ぎ去った後も余韻が残るような優雅さ。
立っている時、座っている時の姿勢も同じ。
一本筋の通った姿勢とゆとりある動作。
これを目指しています。
これは、ウォーキングレッスンだけではありません。
日常生活でも残心を生かすことは出来ると思います。
ドアや襖を静かに最後まで閉める。
グラスや食器は静かに置く。
脱いだ服を綺麗に畳んでおく。
むやみに音を立てない。
外だけでなく、家の中でも段差や物に気を払う。
実は、このような一つ一つの動作は、体を動かす筋肉だけでなく、脳の機能、視力などあらゆる体の機能が総合的に関係しています。
年を重ねると、出来て当たり前と思っていることが、難しくなることもありますが、今は、若い人でも、同時にいくつものことを済まそうと焦り、注意が散漫になる傾向があると思います。
一つ一つに注意を払って丁寧にこなす。
これが、無駄な動きや慌ただしさを生むことなく、傍から見てもゆとりを感じさせる美しい所作に結び付くに違いありません。
思わず目で追いかけてしまう凛としたゆとりを感じる素敵な人は、実は、「残心」の心得が身に付いているのかもしれません。
酷暑が続き、イライラして雑になってしまったり、ダラッとしてしまいがちですが、
こういう時こそ、丁寧に動いてみたいですね。
今月も、姿勢作りとゆとりある足運びのレッスンを体感していただきました。忙しく仕事ばかりで、やっと時間が取れたました!と、ご参加下さった方もいれば、就職活動を控えた学生さん、夏休み直前の児童の親子さんの参加もありました。
どなたにも、自分自身を見直す切っ掛けになれば嬉しいです。
来月も、気持ちの上でもゆとりのある身のこなしができるよう、涼やかにレッスンをしてまいりましょう。