昇るプレミアと、停滞するラ・リーガを分けたもの
どうも、欧州サッカーのマネーに関する解説をしているフットボール経営分析マンです。本日も皆様がより観戦を楽しむため、ピッチの裏側の戦いを探っていきたいと思います。
今回のテーマはプレミア独り勝ちの構造についてです。年々、プレミアとその他のリーグの差は拡大し、欧州の売上ランキングTOP30を作ると、21/22シーズンであれば降格した3チームとブレントフォードを除く16チームがトップクラブ入りしています。まさにプレミアあらずんば人にあらず、平家もびっくりの天下です。
今回はプレミア独り勝ちの理由を、同じく三大リーグの一角であり、一時代を築いたスペインのラ•リーガとの比較でたどっていきたいと思います。お品書きは以下の通りです。
競技面、SNSの盛り上がりは互角だったのに
欧州の舞台の実績から見ると、実はラ•リーガの方がプレミアより優れています。2000年以降のチャンピオンズリーグ(CL)優勝回数は10回と最も多く制しているリーグとなります(プレミア勢は6回)。
また、SNSにおける話題の高さは、プレミアと互角に渡り合えるレベルにあります。Facebook、X(旧twitter)、インスタグラムのフォロワー数では、イングランドとほぼ同数。NBAなど巨大化が進む米スポーツをいずれも上回っています。スペイン語は英語に次ぐ話す人口が多い点も有利に働いているのでしょう。
最大の違いは新規参入のしやすさ
にも関わらず、ラ•リーガがプレミアの規模に後塵を拝しているのはなぜでしょうか。結論から言えば、新規参入者に対して全くやさしくないからです。
最たる要因の一つは、TV放映権料の分配です。ラ・リーガのTV放映権料はトップに手厚く、それ以外は薄いという分配方法になっています。実際、トップのレアルマドリード(R・マドリード)は、最下位のマジョルカの3.6倍の放映権料を得ているのです。
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