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シンガポールマラソン体験記
このnoteは基本、サッカーのこと特に子どものサッカーを中心に記事を書いているけど今日はシンガポールで体験したフルマラソンの体験、思い出を綴る。
背景
私のフルマラソン経験は2019年の一度だけ。
ランニングはどちらと言うと体力の維持向上、サッカーで良いパフォーマンスを出すための手段として30歳を過ぎたくらいにはじめたが、気づくとランニングそのものが楽しくて目的化しつつある。
シンガポールは日本と比べ、ライフワークバランスがよく好きなことに使える時間が長い点、家選びのポイントとしたように家の近くに公園があり、ランニングには適した環境だ。
ちなみに、日本にいた時は年間500kmを目標として走っていたけど、シンガポールでは7月の赴任以降、100〜120km/月、マラソン前の11月は150km超走った。(今年は人生初の年800km達成がほぼ確実。)
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42歳にしてここまでトレーニングに時間を費やせるのは社会人史上初だ。
今回の目標
エントリーしたのは大会1ヶ月前の11月上旬。
以下の点を勘案して、目標タイムをサブ3.5に設定し、自分を追い込むためにSNSで目標タイムは公言。
約6年前に初マラソンを経験し、今回は2回目のフルマラソン。
前回の記録は3:35。30kmを超えた頃に失速してサブ3.5達成できず。
シンガポールの気候(高温多湿)を考慮すると早朝スタートと言え、コンディション的には圧倒的に厳しい。
練習量的には、6年前より圧倒的にたくさん走れているが、10kmペースで比較すると今回は4:25〜4:30/kmで、6年前より若干遅い。
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今回練習で走ることができた最長距離は24km。前回30kmくらいで失速したことを考えると本当はこの距離を練習したかったけどできず。
前回の記録からプラスマイナス双方の要素に鑑み、目標設定。
少し厳しいゴール設定であることは認識した上だ。
ちなみにトレーニングについては決まった取り組みは一切無く、ポイントを挙げると、下記の通り。
時間があれば走る。週末時間に制約が少なければ10km以上の長い距離を意識的に走る。
気分が乗らない時は走らない。
スピード出せるなら速く、出せない時は無理をせず。バロメーターは自分の体で無理はしない。
距離/スピード/リカバリーなど日々変わるコンディションに応じて柔軟に目的を変えてトレーニングを重ねる。
当日の作戦
繰り返しになるが勝負のポイントは30kmを超えてから。
ペースの速さと脚の痛みのレベルはトレードオフだ。30km超えるまでにどれだけ脚の痛みなく本来のランができるか、これがポイントだ。
目安を4:55/kmとしつつ、当日のコンディションに応じて行けそうならペースを上げて距離を稼ぐ。ただし、上げ過ぎにより脚の痛みが早まることはできるだけ回避する。そして、最後の10km強は気合いと根性のでたとこ勝負。
30km以上は練習もほとんどやっていない未知の世界だから計算通りにいかないという思い割り切りだ。
サブ3.5を達成できるかどうか、all or nothingでこれで駄目ならやむなしとしてレース当日を迎える。
マラソン前日&当日
前日は子ども達とほぼ同じ21:00に就寝。
am2:00に起床し、朝ごはんは納豆ごはんと昨晩の鍋の残り物をモリモリ食べエネルギーチャージ。(前日の晩もしっかり食べた。)
チャーターバスの予約ミスや自転車パンクなどトラブルはありつつam3:30過ぎに会場到着。
DJやMCが会場は夜明け前だけど、異様なお祭りムード。
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そして、am4:30にスタート。
2kmくらいでふと気づいたことは気温の高さ。
たった2kmでかつスピードもおさえたにもかかわらず、発汗量の多さに外の暑さを認識する。
ちなみに、スタート時の気温は26℃。
とは言え作戦を忠実に意識しながら坂道で途中、歩くことも交えつつ順調に距離を重ねる。
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20kmまではプラン通りで極めて順調。
感覚的なエネルギーの消耗度合いや脚の痛みもなし。
調子にのってペースを上げすぎないよう維持することを意識して後半も乗り切る作戦。
また、給水時は歩きながらしっかり水分やカロリーを補給。
しかし、25kmを過ぎたくらいから体に異変が起きる。
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25km地点くらいからふくらはぎがつりそうになる瞬間があり、そこからスピードが出せなくなる。
30kmを終えた時点で、一定のスピードを出すとすぐに脚がつりそうになる状態が慢性化。
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前半の貯金もありスタートからの平均ペースだけであればまだ目標のサブ3.5は無理ではないが、25kmくらいで脚の状態からメンタル的にはかなりやられていた。
残りの30kmは気合で乗り越えるつもりであったが、つるかどうかは気合でなんともならなかった。
途中ウォーキングや壁を使ってふくらはぎのストレッチ(セルフ)を繰り返しながら、終盤のハイウェイコースを目指す。
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このくらいから日の出を拝みながらラン。
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おそらく、半分以上は歩きながら、つらないぎりぎりの体力で気力を振り絞る。
ちなみに、あくまでボトルネックはつることなので、筋肉の痛みがある訳ではなくこれは全くの想定外であった(もちろん水分は意識的に摂っていたので想定していても対策がうてたかは別)。
なお、私はサッカーでもあまりつることはないし、6年前のマラソンも予兆含めてつることは一切なかった。
そして、途中で抜かした記憶のあるランナーにどんどんここから抜かれ出す。
目標タイムはサブ3.5とし、all or nothingとは覚悟したものの目標未達でもなんとか一矢報いようと思い、3:45に目標を修正。
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ラオパサ周辺はたぶんゴールまで数kmだったと思うが、このあたりで3:45の修正後目標も断念。
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終盤はなかなか走れなかったので写真撮影はある意味、余裕。
最後は沿道の声援も力にしながら、ゴールを目指す。
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タイム3:48:05でゴール!
なんとかサブ4は達成。
サブ3.5の目標は未達だったけど、スタート時点の気温26℃という極めて過酷な環境下、月100〜150kmの練習含めてよく頑張ったと思う。
前回もそうだけど完走直後は表現が難しい達成感があり、これがランニングというシンプルで奥の深いスポーツの醍醐味だ。
ちなみに、ランニングハイは一切訪れなかった。
特に後半はつらいしそもそも走ることすらできず、二度とフルマラソンは出ないと走りながら負の感情も少なからずあった。
しかし、人間の記憶たるものいい加減で一ヶ月経過すると次こそサブ3.5を達成し、personal recordを更新したいというモチベーションが出始めている。
シンガポールの海外赴任は任期未定なので、この月100km走る生活の継続や来年のシンガポールマラソンまでここにいられるかは分からないけど、マラソンのためのランではなく走ることそのものを楽しむスタイルでランニングは継続していきたい。