#vol.9 日本という国を理解する5冊の名著
主に大学生時代に読んだ本をまとめておこうと思う。
日本という不思議な国に生まれた以上、日本という国を理解しておくことは必要だとなんか感じて大学3-4年生にかけて読み漁った記憶がある。
というわけで今回も気になった本はぜひ書店でお買い求めくださいませ。
⒈ 日本の歴史をよみなおす-網野善彦
日本の歴史を雑観するならこの一冊からはじめるのがおすすめ!
歴史が大の苦手だったぽすたも楽しく読み切ることができた。
日本という国を「文字・貨幣・天皇」など世の中の人々を動かす要素を切り口に語られ、なぜその形に至っているのかを網野さんなりに分析してくれているのだ。
日本にいまも残り続ける、文字や天皇が当時どんな役割をしていたのか、社会を動かす要素としての立ち位置を概観することができる良冊だと思います。
⒉ 逝きし世の面影-渡辺京二
日本人の知らない日本の特徴を異邦人の目を通して概観できる一冊。
日本で生きる上での作法や立ち居振る舞いの教科書にもなりうるのでは?と感じる一冊だと思う。
少し分厚いので、肩の力を抜いて読むのがおすすめ!滅んだ古い日本文明の在りし日の姿を偲ぶには、私たちは異邦人の証言に頼らねばならない。なぜなら、私たちの祖先があまりにも当然のこととして記述しなかったこと、いや記述以前に自覚すらしなかった自国の文明の特質が、文化人類学の定石通り、異邦人によって記録されているからである。
つまり開国初期〜明治期にかけて来日した外国人の日本に対する見え方は「洗練された」「清潔さ」「丁寧さ」といった印象だったことが事細かに記載されている。
松岡正剛さんも指摘しているように、”日本が編集の国”という側面が海外からの文化を日本独自に洗練させ、独自の文化として生活様式に入れ込んでいるという豊かさを感じずにはいられない。
⒊ 日本問答-田中優子・松岡正剛
日本という国を対話形式で紐解いてくれるとても読みやすい一冊。
そんな視点もあるのかと常に驚きに満ちており、知識欲を掻き立てられる。
松岡正剛さんの読み解く世界観がとても好きで、多くの著書を読んでいるのだけど、この本は特に読みやすくおすすめ。
何冊か読んでいると、松岡正剛の思考を自分の中にインストールできるようになってくるので、ぜひいろんな視点で物事を捉えていきたいみたいな人も読んでみるとよいかなと思います。
⒋ 日本人の美意識-ドナルド・キーン
外国人の眼を通して、日本文学や日本の文化が語られる名著。
おそらく、日本について学ぼうという時には必読書なのではないかな。
西洋社会と比較しつつも、日本文学が独自の成り立ちを果たした要因などを社会的考察などを踏まえながら鋭く切り込んでいる。こんな発見もあるのかと読むたびに学びがある一冊。
⒌ 菊と刀-ベネティクト
卒論を書く時にとても参考にした一冊(卒論の内容もいつかどこかで触れたい)。
第二次世界大戦中、日本人の気質や行動を研究した文化人類学者のベネティクトが書いた超名著。
日本人の心理や行動を鋭く分析しており、日本人の私たちにとってもとても多くの発見がある。とても面白いのでぜひお手に取ってみていただけると嬉しいです!
本書の研究課題は序文で説明される。(ここからもう引き込まれる、、。)
先ほどまで読んできた本と繋がりが見えてきてとても楽しいのではないかな。
現代社会でも部活の上下関係や会社内でも階層があることで、ある意味秩序が保たれている。
そういう見方を日本人はするし、そこに鋭く切り込んでいるのが新しい。
「天皇」「応分の場」「恩」「恥」このあたりのキーワードから洞察が繰り広げられる。例えば「恥」で一箇所引用しておこう。
現代の日本人もどきっとする内容なのではないだろうか。
日本という国は常に世界から見て、独特な社会だし、その国を構成する日本人への関心が高い。
その反面、私たち日本人はそれが常であり、疑問を持たぬからこそ、日本という国の不思議な成り立ちや風土に疑問を持たないのだが、一度関心を持ってしまうと沼ってしまうくらい深い領域なので、ぜひ興味を持った方は紹介した5冊読んでみてくださいませ。
それでは〜。