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料理界のオープンソース化は今が限界?

こんばんは

グランメゾン東京が終わってしまいました。

最高に美しくて楽しくて勇気をもらえるドラマだったと思うし、何よりも料理人を続けてきて本当に良かったと思いました。


早見倫子シェフ有難うございました。

ドラマの最後では


私たちの仕事は料理を運んでお客様に喜んでいただく地道な仕事です。だけど、政治家のように世の中を変える力を秘めています。

芸術家やアーティストのように感動を生み出すことだってできるし、

医者や弁護士のように人を救うことだってできる。

素晴らしい仕事だと思っています。

とおっしゃっていました。


この言葉が正直どれほどの人の心の支えになったかは検討も尽きません。最高のドラマでした。


さて今回はITにも少し関係した料理業界の今後の話です。

インターネットの普及

昔は軍事用に開発されたインターネット

World Wide Web の通り今はほぼ世界中でこの技術が当たり前に使われており、2020年からは日本でも携帯電話各社がこぞって5Gに踏み込み私たちの生活を大きく変えることとなります。

個人にパソコンが普及し始めて少しづつだけどインターネットを使う人間が民間でも増えてきた1995年

今後の世の中へのインターネットの影響をいち早く予見した人こそが今のGAFA(google amazon  facebook apple)を作り上げ、日本でも孫正義さんをはじめ多くの人が波に乗り一代で大きな会社を作り上げてきました。


そんなインターネット、なぜこの20数年でこんなにも普及し進化したのでしょうか?

オープンソースとインターネットの進化の関係性

インターネット上でホームページを作り上げる。世界を構築するというのはコンピューター内でしか使われない特殊な言語を用いてとても長い時間かけて作られてきました。

しかし、今の若い人はわざわざそこから勉強しなくてもホームページやアプリを作れるようになってきています。

この面倒な作業を他の人がやらなくていいようにしたのがオープンソース化です。


始めにコードを書いた人がクラウド上(ネットの中の共有スペース)に作った内容をメモしておき、次の人はそれを利用することによって続きから始めることができる。

それが何万という単位で動いたらとんでもない進化を遂げる。

つまりオープンソースとは、「文字」と同じツールです。

始めてやったことのある人の行動を書き残しておくことでいつまでもその人の考え方が後世に残り、歴史的にも人間は進化してきた。

本当は隠しておいたほうが有利な情報も、あえて世界中のみんなにオープンにすることで、様々な国の様々な考え方の人の技術で急成長し、インターネットは大きく強くなりました。

ここ最近のビットコインも通貨のオリジナリティーももちろんそうですが、ブロックチェーンという画期的なシステムが称賛され、またこの技術もオープンソース化で様々なテクノロジーと結びつき、今後の人間の生活を大きく変えるでしょう。もしかしたらもうIDとパスワードなんていらなくなるのではないでしょうか?


料理業界のオープンソースとは?

前述しましたが、オープンソースの原点は文字です。

羊の皮に書き記すことから始まり、紙に書き、いろんな人に読まれていく。

そしてこのNoteのように次は文字をインターネット上に置き、いろんな人がアクセスできるようになる。


料理業界も同じで過去の著名な料理人たちが発見、開拓してきた調理法や素材の活かし方を本に乗せて出版し、現在も多くの若手料理人がそれをバイブルとして読み日々修行しています。

しかし、料理人は、料理業界はそこで終わりました。

同じオープンソースといってもインターネットと料理人では成長の差にとてつもない差が出ています。

それはなぜでしょうか?

料理業界の残念ポイントとその考察

なぜインターネットを仕事の媒体としている方々と、私たち料理人とではここまで業界の成長に差が出たのか、、、

それは私が思うに、お金儲けだと思います。

始めに言っておきますがお金儲けを悪いとは思っていません。

悪いのは「お金に取りつかれた視野の狭さ」です。


インターネットでも本来、先に優れたコードを完成した人が権利の類で使用権を取っていたら、発明者はお金持ちになるし、未来永劫富は増え続けたでしょう。

しかし、きっとそんな人たちはインターネットの持つ価値や未来への可能性を理解し、現時点でお金儲けに走ると進化が止まってしまい人類全体の利益にならないと思ったのだと思います。

自分の発明したものを無償で世の中に提供する、これは本当に勇気のいることだと思いますし、世界に貢献する素晴らしい行為だと思います。

半面、料理業界の本はそもそも紙媒体であることも作用して1冊3000円くらいから、ポールボキューズの本になると50000円ほどになるなど、若い料理人には痛い出費です。そもそも手が出ないものもあります。

鶏が先か、卵が先かの論争にもなりますが、

料理人が技術をオープンソース化できないのはその生涯所得が低いことも理由にあるのではないでしょうか。

寿司職人の世界では寿司を握るのに10年かかると言われますが、ホリエモンに「馬鹿だ」といわれるのももっともです。

本じゃないにしろ、自分が今まで味わった苦痛を若輩者に同じようにさせているのではオープンソースからどんどんかけ離れ、業界自体の進化も遅れるし、料理人になりたい!!と思う若い人たちがいなくなっていくのも無理はありません。

だってIT業界のほうが日々刺激があるし、学ぶ手段はたくさんあります。実際にパソコン1つあれば、食材と包丁、キッチンと火がなければいけない料理業界と比べて簡単にできますし、初期投資も安い、場所も選ばない、給料も料理人より安くないとなれば文句なしです。


もしかしたら料理人はもっと技術をオープンにすることで新しい人たちの興味を引き、業界全体を盛り上げていけるのではないでしょうか?

これから料理人はどうするべきか?


とはいってもレシピや動画は料理業界でもたくさんYoutubeに上がっています。しかし直接的に料理人の仕事をいい方向に手助けしてくれる方法はまだあまりありません。

それを作ろうとするプログラマーも技術者もいません。

それはきっとこの業界に未来もなし「うまみ」がないからかもしれません。


ほら!!僕たちが得意な「旨味」ですよ!!

旨味を動物性食材やイノシン酸 グルタミン酸を使って足せるように、この業界にも他業種の人がパッと見てわかる「旨味」を足さなければいけないんです。

そのために我々料理人が出資しあってプロジェクトを起こすのもいいかもしれません。

かけただけでAIがその食材の適切な調理法を提案してくれる眼鏡 骨伝導を利用しての音声ガイダンス。

料理が乗った瞬間にテーブルがモニターに変わり、その料理の軌跡や食材の情報があらわされるディスプレイテーブルなど


面白そうな料理に関係する発明はまだまだありそうです。

こんな風にアイディアを独り占めにして既得権益を受け取り過去の貧乏だった自分に今ご褒美を買ってあげるのではなくて、今後の新しい人たちが楽しんで簡単に料理の世界に足を踏み入れれるようにしてあげたほうが長い目線で見たときに「自分たちの本当の利益」につながるのではないでしょうか?


これからは本当に料理人に必要なのは高い技術!

ではない!!

のかもしれません。

自分もそこに憧れてそれを目指していたので何となく寂しいですが、今給料や厳しさで仲間が去って行ったり、興味を持たれていなくなっている業界で仕事をしていることが本当に寂しいですし、

その分仕事は多くなるので嫌です。

もっと料理人が胸を張って生きれる世の中のために!!

職業は料理人と胸を張って女性に自慢できる世の中のために


2019/12/30






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料理人のキムラ
働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。