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(ノンフィクション)減らす覚悟が見せるもの
今回BASEにてアクションを一つ起こした。
はたから見ると情けないと思うかもしれないが、私自身は結構勇気がいる前進だったと思っている。
私が商品数をあえて減らした理由。
私は提供している商品を1/5に減らした。
一時は25種類あった商品ラインナップで多くの方から様々な組み合わせのオーダーを頂くことがあったが、
この度、自分の新しい価値の創出を目的に減らした。
もちろん一人でやっている以上大変だったというのもある。
でも提供している商品はすべて自分が1から材料や配合、作り方などを伝統法や最新法などを色々と研究して作り、自分独自の理論で作っていたため自信作であった。
今回減らしたきっかけとなるのが日々の製造工程でたびたび出現する「慣れ」だった。
様々な組み合わせで沢山のオーダーが入ると、私たち作り手は作業効率を最大化する。
もちろんそれは材料の温度管理などの衛生面を高めていくことも理由ではあるが、一番は二度手間の廃止だと思う。
私もそのうちの一人で、注文者の違う商品でも発送時期が近ければまとめて作るし、その過程で手を抜くことはないが、
だんだんとオーダーをオーダーとしてみている自分がいることに気が付いた。
以前客席の見えないレストランで働いていた時にギャルソンが持ってくる注文伝票を淡々とこなしていく料理人だった時のように、
忙しくなればなるほど私の意識もお客様ではなくオーダー表に集中してしまい、誰がどのような気持ちで注文してくれたのかをおろそかにしてしまうことに違和感を感じていた。
違和感のもと
Baseでショップを経営している人はbase Creatorというアプリで購入者の情報やアクセス数、アクセス元など様々な情報がわかる。
私は自身のインスタグラム noteにてショップの公開をしているが、そのURLは全てWebにつながるようになっている。
私自身商品を管理するのは大体PCなので最初気づかなかったが、私のショップを見てくれて購入してくれているお客様のほとんどは携帯電派のAppからのアクセスで、購入もお持ちの端末からであった。
自分がSNSで発信しているURLからの流入ではなく、携帯電話からの流入であること。
これはお客様は私のSNSをみて来店されているわけではなく、数ある購入希望の商品の中から本当に興味を持っていただき購入して下さるということだった。
恥は承知でお客様一人一人に「なぜ私の店舗を選んでくれたのか」を伺うメールを商品購入のお礼に合わせて聞き始めたのはこの時からだった。
まだSNSを通じての購入ならわかる。
写真や文章に興味を持ってくれてそこからのアクセスなら私も普段から行っていることなので簡単に想像できるし、インスタグラムのプロアカウントならその背景が数字となって容易にマーケティングに生かすことができる。
それでもお客様にお話を聞かせて頂く行動は、私の中の違和感と結びつき、本当に大切なものを見直さなければいけないきっかけになった。
再確認した重要点
自信のある商品がたくさんあること。
それ自体は僕にとって積み重ねてきた歴史だし、誇れること。
でも「どやっ!!」思う商品を考えなしに一斉に増やし続けたことは、自分の自信を拡散していくだけで、一つの商品や一人のお客様に対する集中を分散させていく行為だと気が付いた。
そして同時にぼくは以前「数字を追わない信用」という記事を書いたが、書いている本人の行動が「数字を追うこと」だったことに気づいた。
自身のあった商品を1/5に減らして商品の数を絞ることはその都度購入してくれるお客様とのより深いやり取りを可能にして、
「どのように作るべくなのか」「少しテイストを変えてあげたほうがいいのか」など、その人のためという意識をもって仕事をできることだと思う。
カウンターのレストランでできるお客様との対話から生まれる細やかなサービスはなにも実店舗だけの話ではないと思うし、
オンラインだからこそ「距離や時間に縛られない自由度の高いコミュニケーションツール」によってカウンターレストランのやり取りや細やかなサービスは可能になると思う。
そしてそれをECでやることが、プレゼント交換の時のようなわくわく感を箱に詰めて届けれるという新しい付加価値に気づかされるのだと思う。
つまりカウンターのレストランの料理人の姿はオンラインでも手本になり、感情をしっかりと伝えれないインターネット特有の問題を解決する方法になると思う。
目指すべき店の姿とそのための覚悟
私が店を始めて最も大切にしていかなければいけないことは、原価率でも粗利でも今はない。
「店舗のないお菓子屋」を営んでいる今の状況は、家賃がかからないのだから追うものはまだお金ではない。
きっと今は「目先のお金」に左右されるのではなく、新参者として商品に興味を持ってくれたお客様にできる限り丁寧に一生懸命対応することで
信頼を構築するすることが最重要課題なのだと思う。
そのためには数の多い商品数はその行動の弊害になる可能性があるし、気が散ってしまうので常時5種という勝手な縛りを作った。
それでもやっぱり出したい商品はあるし、その疼きは毎日のように襲い掛かってくるけれども、
プロとして入り口を狭めてでも大切なポリシーを守るということを決めた。
きっとこれから先オーダーもフォロワーも減ってしまうかもしれない。
商品数が少なく検索ワードに引っかからないのだから当然だ。
それでもこの来る個人的不況を目の前に、自分自身が新たに提案できる価値や「自分らしい商品」を作り発信し続けることで付加価値を高めていかなければいけないと思っている。
減らす覚悟はお客様に対しての新しい「信頼」であることを証明したい。
2020/5/28
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