職場の人間関係『腐ったみかんの方程式』その解き方|【読書日記】職場を腐らせる人たち
本書の結論
職場を腐らせる人とは
腐ったみかんです。
どうも、読書セラピストのタルイです。
いきなり古い話で申し訳ないですが、
あなたは「3年B組金八先生」に
出てきた「腐ったみかんの方程式」を
ご存知でしょうか?
これは
箱の中のみかんが一つ腐り始めると
他のみかんも腐ってしまう。
だから、
腐ったみかんは
早く取り除かなければならない
というものです。
この方程式の問題に
金八先生はこう言います。
人間の精神が
腐るということは絶対ない!!
この言葉は、
人間の回復力と成長の可能性を信じる
教育者の姿勢を示しています。
人は過ちを犯すかもしれませんが
それを乗り越えて
より良い自分になることが
できるという
素晴らしい希望のメッセージです。
さて一方で、
精神科医としてこれまでに
7000人以上を診察してきた
片田珠美さんの著書によると
多くの企業のメンタルヘルスを
されている片田さんへの相談内容で
最も多い悩みは
職場の人間関係に関するもの
その大体が
職場を腐らせる人の言動に
悩まされていることが
少なくないそうです。
さてさて、
果たして
「人間はみかんじゃない、
精神は腐らない」というのは
フィクションなのでしょうか?
本書の内容を加味した上で
私の結論をお伝えします。
どうやら、
職場を腐らせる人たちがいると
『まわりの人間の精神』が
腐るようです。
そもそも
職場を腐らせる人とは
どんな属性の人なのか?
本書の第一章には
15人の職場を腐らせる人たちの
実例が紹介されてます。
なんか「いるいる」と
言いたくなりますね!
本書では
この15タイプの腐っている原因を
事細かに精神医学用語で解説しています。
この中から、
私がよく遭遇する
「根性論を持ち込む上司」を
ピックアップしました。
◆根性論を持ち込む上司の心理
本書では、ある50代の男性が
営業部長を務める
食品会社の例が書かれてます。
この部長は日々
「気合と根性」を強調します。
訪問したり
電話をかけた数を
報告させたりもします。
そして
不満を抱く社員には
怒りをぶつける光景が
日常化していました。
彼は自身が若い頃にその精神で
成功を収めた体験を繰り返し語り
暗に残業を強要して、
定時退社した社員には
制裁を与えることさえあったそうです。
この不適切にもほどがある
昭和型の部長を構成するキーワードは
「幻想的願望充足」
「バカの一つ覚え」
「マニック・ディフェンス」
の3つです。
順に解説していきます。
⚫️幻想的願望充足
幻想的願望充足とは
理想と現実の間のギャップを
埋めるために
私たちが心の中で作り上げる
理想化された状態です。
気合いと根性を強調する上司の
思考回路の根底には
「みんながやる気を出せば
すべてがうまくいく」
と考えがちだが、
「すべてがうまくいけばいいのに」
という願望と
「すべてがうまくいく」
という現実を混同しています。
これは特に
子供の頃によく見られる
心理的な現象です。
現実の厳しさから
一時的に逃れるための
手段として機能します。
しかし、
成人になってもこの傾向を
持続する人々がおります。
こうした彼の行動は、
実は現実を受け入れたくない
「現実否認」の表れだそうです。
⚫バカの一つ覚え
要は、
自分の考えや指示などを
言葉にして伝える「言語化能力」が
十分ではない可能性があります。
彼のような営業職のリーダーは
体育会系の根性論を仕事に持ち込み
現実に合わない目標を押し付けたり
計画不足を根性論で
カバーしようとする傾向がある。
しかし、
これは現在の経済状況や環境では
通用しない手法であり
もう多くの人が、
その幻想性に気づき始めています。
上司や先輩からの指示を
実行することで
成果を上げてきた彼らは
自らのアイデアや学習には
あまり興味を示さない。
しかし、
彼らがリーダーとして
立場を変えると
新たなアイデアや
戦略が必要とされる中
とたんに行き詰まる。
どうしても
アイデアが思い浮かばないから
自分の成功の原動力になった
気合と根性の必要性を
繰り返すしかなくなる。
…これは悲しい人生です。
⚫️マニック・ディフェンス
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