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クレーム対応で心がける注意点・・・認識ギャップを知る

私も幹部教育の場面でパワハラ、セクハラの問題は耳にたこができるぐらい聞いてきた。
昔は違った・・・殴られた、叩かれた、足を踏みつけられたが当たり前・・・でも時代が違います。
この幹部(昔人間)と若者の認識ギャップがとても大きい。このことがクレーム対応にも影を落としている。

《指導者編》

1.アルバイト・パートは何故クレームに対応しようとしないのか?

アルバイト・パートはクレーム対応を大変怖がっていることを知る。
店長や責任者にとっては、完璧な店なんて存在しないことは分かっている。
チョットしたことやウッカリでお客様に迷惑をかける場合があり、心構えができている。

ところがアルバイト・パートにとっては、お客様から叱られたり、注意されると慌てふためく。
決められた通りにサービスしているのに、何故怒られているのか?
私は正しい、手順通りにやっているのに?・・・ここが心構えの違いとなり、クレームから逃げたい心理が働く。
思わず言い訳をすると、お客様の怒りのボルテージはますます高くなる。

昔生まれの幹部は別として、若い人達はパワハラ・セクハラの教育が徹底している。
親にさえ怒られた経験がない。・・・圧倒的に怒られ経験不足の状態だと知るべし。
アルバイトと会話してみると分かりますよ。

たしかに理屈で文句を言うことは上達しているが、怒られる側に立った経験がない。
お客様の怒りの“内容”に反応するのでなく、“気持ち”に答えることが第一歩。
“すみません、申し訳ございません”お客様の気持ちを即座に受け止める訓練が必要です。

2.クレームから発展して従業員同士の言い争いにしてはいけない

従業員同士でクレーム原因に言い争っている暇はない。
大切な点は、従業員同士がビクビク、ピリピリと緊張して働いているとお客様に雰囲気が伝わり、店舗の雰囲気が壊れてしまう。
お客様は美味しい料理と心地よい空間を外食に求めている。

忙しい現場の実態は、サービス部門と調理部門、ご飯場と麺場と常に協力関係で成り立っている。
お互いが責任をなすりつけていては、解決はできない。
普段から、どちらかが忙しい時に手伝う習慣を作っておく。
そうすれば不幸にも調理し直しになった場合にも、特急料理としてスピード対応が可能となる。
私のお奨めは、ごく単純なことだが他部門が手伝ってくれたちょっとしたことにも
“ありがとう”と一言述べる習慣づくりである。
ここから改善が始まる。

3.注意するだけでは、永遠に減らない

クレームのメール文や苦情報告書を店内に掲示して、注意してもクレームが減ることはありません。
これで責任者は指導したつもりになってもいけません。
例えとして不適切かも知れませんが、こんな言葉があります。
“注意して直るのであれば、警察はいらない”

お客様が苦情を申し立てる心理学と、具体的な言動の対策を指導しないといけません。
※「クレーム対応・接遇マニュアル」PDFを作成しました。

クレーム対応・接遇マニュアル

商品の詳細については、メールにてお問い合わせください。
お問合せ先:info1@zukai.jp

《クレーム対応 心構え編》

1.クレームとは、お店側には何度も起きる日常、お客さんにとっては一生に一度の問題

お店側にとっては、毎日いや月に何回か必ず起きているクレームであるが、お客様にとっては一生に一度の問題である・・・という認識が必要である。
お客様がド・クレームを店側に訴えた場合、そのお客様は二度とそのお店に来店されない。
つまり、当店に対して一生に一度しか起きない問題となる。
この期待を裏切ってはいけない。
クレイマー・クレイマーは別として、お客さんだって店に文句は言いたくない。
人間関係を悪くしたくない、気持ち良く食事したいのが本音です。
お客様の気持ちに寄り添うことが基本である。
・・・共感訓練をする。“本当に申し訳ございません”という気持ちがあってこそ、お客様は納得できます。
何故ならめったにない事件が、お客様に発生したのですから。

2.クレームは、“不満の風船”

この“不満の風船”はかなり変わっています。
“普通の風船”は時間が経てばしぼんでいきます。
しかし、“不満の風船”は放っておくとドンドンさらに膨らみます。

早く対応すればするほど小さいうちに被害を防げます。大きく膨らんで爆発してしまいます、爆発すれば補償問題に発展します。

さらにこの“不満の風船”がやっかいなのは、無視すればするほど近寄ってくることです。
逃げると追いかけてきます。クレーム原因を解決しない限り不満の風船は膨らみ続けるということです。
ポイントはただ一つ、目の前のお客さんの不満には即対応することです。

3.お客様の立場と店舗の立場の違い・・・お客様にとって店内の様子は知るよしがない

飲食店の内部で仕事をしたことの無いお客様には、店内のスタッフの動きは想像できません。
スタッフがお客様が来るのを、今か今かと待機していると勘違いしています。
実は、店内はホールも厨房もピーク時には大忙しです。
料理提供をしながら、素材をカットしたり温めたり仕込んだりしています。

お客様の立場からみると、ちょっと待たされただけで私をないがしろにした、
料理が少し遅いだけでトロいことになります。
ここでのポイントは、“お客様は店舗の都合など全く関心がない”ことです。
ここで言い訳すると逆効果になってしまいます。

スタッフに必要な行動は、店側の都合を言うのでなく、先読みをして謝罪の言葉を先に言っておくことです。
“すぐお伺いします”、“少しお時間いただけますか?”
→クレームなる言い訳 “順番にお作りしています”、“手作りですので時間がかかります”
・・・「そんなの、関係ない!」

4.間違った対応でド・クレームになった事例

読者の皆さんは笑うかも知れませんが、私が知っている事例で、お客様の怒りを誘い大問題になった事があります。

・応対の訓練をしていなかったため、お客様の怒りに対して思わず土下座してしまった。
・・・私はヤクザではない! 最近こんな事件がありましたね。
・料理の作り直しをしたが、お客様の怒りが収まらないため、いつも通り直ぐ返金して対応した。
・・・金が欲しい訳ではない!
・料理の提供順番を間違えた。無料のクーポン券をレジで差し上げた。
・・・クーポン券を渡したら済むと思っているのか!

これは、極端な事例ですが実際にあったことです。
お客様が欲しているのは、「私の、この不満の気持ちを理解してほしい」という事実です。

教 訓:
◉クレームとは、お店側にとっては何度も起きる日常、お客さんにとっては一生に一度の問題
◉クレームは、“不満の風船”と とらえる

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・“頑張れ外食産業!”チャンネル  運営者:図解工房 山本稔
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