コロナ禍で飲食店に給付された時短協力金の使い道
時系列が昔の話で申し訳ない。
新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店は大打撃を受けた。そこで、一部の都道府県から時短協力金が給付されたのは関係者なら記憶に残っていると思う。
うちの会社は飲食店を数店舗経営していたので、申請すれば給付された。
社長の指示で申請手続きは私がする事に。必要な書類さえ集まれば、手続きはオンラインで簡単だった。
社長は「これ幸い」とばかりにきっちりと協力金を受給し、不謹慎にもこのコロナ禍を楽しんでいる様子だった。(その他にも『雇用調整助成金』もしっかりと受給)
さて、その政府から出た時短協力金。
飲食店経営のオーナーさんは、どのように活用しただろうか?
当時ニュースでは、月々の売上より多い金額が給付されることから『協力金バブル』が起きる個人店がある一方で、大手飲食店は経営維持費として足りない店もあった。
店を休業しても、まとまった金が手に入る。
当時、そのお金で外車を買うオーナーもいたそうだ。
協力金はどう使われるべきだったか
協力金は店舗ごとに支給されていた。
例えば会社で5店舗経営していれば、5店舗分の協力金が受給できる。
(※細かな条件や具体的な金額は割愛する)
当時の給付額は、1日6万円
ひと月26日営業とすると
26日✕6万=156万円
5店舗経営しているなら、780万もの金額が手に入った。
以下は私が思う、本来こうあって欲しい協力金の使い道だ。
・店舗の修繕(内装・外装)
・老朽化が進んだ厨房機器の買換え
・開店再開に向けての準備資金
・経営スキルを磨く自己投資
当時私は無知な事もあって、協力金の使い道は気に止めていなかった。でも、お店に支給されるお金はお店の為に使って欲しい。
うちの会社はこの協力金をどのように使ったか。そして、その行動は果たして正しかったのか?前置きが長くなったが、今回はその話をしたい。
新規店舗オープン
社長は「隣の県に新規店舗をオープンさせる」と言い出した。
(デジャヴ?)
↓【失敗談】3ヶ月で閉業した飲食店の話
いやでも、ご安心下さい。
今回オープンしたのは飲食店ではない。
社長は夕方のニュース番組でたまたま紹介された、とある事業にビビッと雷に打たれた。(らしい)
「必ずこの事業は成功する」
と、やる気を燃やし、次の日にはウキウキと行動を始めていた。
新規事業:レンタカー事業
社長はレンタカー事業を開始した。
飲食店経営メインの会社だが、やった事がなくても挑戦するのが社長。さすが行動力のある人は考え方が違う。失敗のイメージは無い。やると決めたらゴールするまで走り続ける。
しかし、3ヶ月で閉業した飲食店の事例を考えると、ろくな市場調査をせず失敗するのがオチではないか。
ましてや、今までやった事のないレンタカー事業。一口に『経営』と言っても、飲食店の経営とはまた違う。
レンタカー事業は儲かるのか
素人の私では、レンタカー事業が成功するかどうかなんて検討がつかない。
だが、コロナ禍で飲食店経営が危ぶまれる中、新規事業の参入は経営者として『有り』だろう。
コロナ禍が過ぎた頃、うまく軌道に乗れていれば、飲食店とレンタカー事業の二刀流で成功するかもしれない。
協力金は全て運営初期費用に
当時、社長は次々と中古自動車を購入していた。多走行の自動車や、どこかしら整備が必要な自動車。社長は安く車を手に入れる事を重視していた。
余談だが、結果この判断は裏目に出る。
安かろう、悪かろう。
走行中に故障し、廃車となって顧客とモメていた。(大きな事故にならなかったのが幸い)
レンタカー事業を開始する初期費用はおよそ500〜600万程かかったと思う。(金額が曖昧なのは経理業務は別の人がやっているから)
協力金でお店開店ごっこ
社長は、お店作りの準備期間が一番キラキラしていた。同じ事務所で見ていて、それはそれは楽しそうだった。まるで、文化祭の前日だ。
そして今回もゴールしたら終わり。
大満足。
2024年現在、毎月赤字経営
最速で廃業しなかっただけ素晴らしい。
現在、廃業はしてないが毎月赤字経営。黒字化する月もあるが、年間で見ると赤字だ。
社長は一部の成功した事例を信用し、それを成功イメージにしてしまった為、ズレが生じた様子だった。
そもそも、ニュースの情報番組だけでよくやろうと思ったな、と。
協力金はお店の為に
協力金を使って新規事業の参入は正解だったのか、私では判断つかない。
新規事業などやらず、飲食店だけに力を入れていれば、無駄な赤字が生まれる事は無かったのでは?
現在、経営している飲食店では老朽化が進み、修繕や厨房機器の買い換えでいくつもリースを組んでいる。
やはり協力金はお店の為に使われるべきだったと私は思う。