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そぐわぬ言葉を語らないために



 言葉。

 政治家や、営業マンのような言葉に、引き摺られぬよう気を付ける。

 (じぶんを宣伝すること、成果を喧伝すること)

 わたしの撒く種は、どこに落ちるかわからない。それでいいのだ。ただの農具に、全体など見えはしない。

 「わたしは取るにたらないはしためです。しなければならないことをしただけです」

 その場に求められている声の調子に、合わせようとすると、愚かな言葉を口走ってしまう。

 周りを淀んだ空気が漂う時代に、与えられた空間で、この灯火を守らなくてはいけない。

 沈黙。

 そぐわぬ言葉を、語らないために。神に対して、じぶんの感覚に対して。その場にそぐう言葉を、語らないために。

 不条理のなかで、神に対して、誠実に生きること。息苦しい空間で、じぶんの呼吸を守ること。みずからと神に対して、誠実でありながら、義務を果たすこと。






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