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Matsumoto mania



 住んでもないのに、ほぼ毎日、市民タイムスのWEB版をチェックしている、なぞのまつもとマニアが、ただ愛を語る、なぞの記事。8回めの松本旅行を記念して。


あがたの森の旧制高校記念館のパネルです


信濃毎日新聞


 ホテルのロビーで読む。読めなかったら、買って帰る。市民タイムスも読めたら、尚良い。知りもしないおばあちゃんのお悔やみ欄を読む。新聞にお悔やみ欄があることが、わたしにとって新鮮である。

 【中信地方】「地元自治体、国道19号の拡幅を要請」

 あー、ぜったい、さっさとやった方がいい。

 

テレビ松本


 ホテルのテレビをつけて、テレビ松本をみるのが趣味。JA松本ハイランドの、延々とつづくおなじ広告を、無心になって眺めている。おなじニュースばかりくりかえすので、まァた蟻ケ崎高校の文化祭やってらぁ、となるのがたのしい。あと雪の日に、あちこちの定点カメラの映像が、まるで防犯カメラの管理映像みたいに映っていたのも、すごくよかった。

 ホテルによっては、テレビ松本を契約していないところがある。けしからん。休暇村乗鞍高原では映らなかったのに、なぜか小梨平キャンプ場では映った。(マニアの感想です、お気になさらず)


PARCO

 さよなら、PARCO。なにも買ったことないけど。でも公園通りから伊勢町に抜けるのに、いつも通っていた。マーガレット・ハウエルの店を、すてきだなあ、でも高いからはいれないなあ、と眺めてた。ageteのショーケースをちらっと見て、このダイヤだか水晶だかわからないネックレス、可愛いなぁ、とみていた。唯一使ったことがあるのは、蕎麦屋のみよ田。馬刺し、おいしかったなあ。

 (井上百貨店も、さようなら。残念ながら、井上には入ったことがない。閉店しちゃうまえに、行ってみたいけど、デパ地下ないと、ふらっと入っても用がないんだよなあ。山形村のアイシティも行ってみたい)

 

松本市立博物館

 ついに訪れることができた。まえの博物館、お城の敷地内にあったやつも、六年くらいまえに入ったことがある。あの建物もよかったよねえ。展示は、あちらのほうが充実していたような記憶があるけれど、それはもしかしたら、今回は5歳児のあとを追いかけまわしていて、ゆっくり見られなかったからかもしれない。

 ミュージアムショップがかわいい。旅スル紙シリーズだとかを取り扱っている。2023年の建築芸術祭で、松本の街とだいだらぼっち(?)のイラストを描いていた、Mississippiさんの描き下ろしとおもわれるデザインの、バッグとサコッシュと、Tシャツを売っている。Tシャツの裏には、「長野県とは呼ばないで。信州と呼んでください」みたいな台詞がはいっていた。あれを着て、善光寺にいく勇気のあるひと、いませんか? (わたしはないので、買いませんでした)


「長野県ではなく信州です。百年続く長野市への一方的なライバル意識と松本プライド」


 そして噂のこれ。公式攻めてるな、と。「なんかものすごいこと書いてあったけど……」と、夫がひいていた。いいぞ、もっとやれ。信州ダービー、さいしょの頃はすごく熱かったのに、なんか毎年恒例になってきちゃった。山雅、がんばってくれたらいいのにねえ。


松本ハイランド西瓜

 買ってきた。上高地でテレビ松本を見てたら、今日から出荷しはじめた、と言っていたから。158号線を通っていても、スイカ畑は見えないのねえ。波田のあたりの景色が好き。上波田のお屋敷群もすごかった。波田小学校の松林、あれすごいよねえ。

 旧町役場の隅にある古い洋館が、をかし。河岸段丘の地形も、をかし。冬、松本の市街にはほとんど雪が残っていないときに、波田にいくと雪が積もっているのも、をかし。(まつもと草紙)

 写真では見えづらいと思うのですけど、バーコードのついてるシールに書いてある産地が「長野県産」ではなくて「信州産」なのですね。さすがだな、とおもいました。いとをかし。

 

ツルヤ

 あの有名なスーパー、ツルヤ。なぎさライフサイトは、車ないと行きづらいからねえ。松本のに、はじめて入った。新婚旅行のときに、軽井沢のに入ったことがあったのだけど、ちょっと高めだという印象だった。

 いや、すごいじゃん! いつもアルピコプラザのデリシアや、イオンのスーパー行ってたよ。いや、ツルヤに行くべきだったじゃん! (神奈川弁が出てしまった)

 なんであんな安いの!? ちょうど雨が降ってきたから、傘を買ったんだけど、二本で七百円だったよ! 博物館では一本七百円だったのに! 

 おやきが…… おいしかった…… ひとつ百円だった…… パンが安すぎた…… 鯉のあらいを売っていた…… 食べてみたかった…… あとルバーブを売ってた…… はじめて見た…… セロリが安かった…… 信州ってセロリの産地だものね……
 

 夫とわたしが達した結論。おやきは、胡桃味噌と野沢菜を、はんぶんこにして食べるのが、いちばん美味しい。胡桃味噌はすごく美味しいけど、あまくて途中で飽きる。甘いとしょっぱいが半分半分くらいなのが、たぶんベスト。ふたつ買ったって二百円だよ。もうおやきはここで買う。


千歳橋

 いいよねえ。絵になるよねえ。今回はほとんど松本市街にいなかったので、博物館からPARCOまでを、ほんのちょっと歩いただけだった。だけど、義母が博物館のアソビバで子どもをあそばせてくれているあいだに、ひとりで松本のまちを歩いた。たまらなくうれしかった。


 千歳橋の近くの、松本ぼんぼんのときにステージが作られるところ (という表現で、つたわりますでしょうか)、あれが中洲のぶぶんなのか、銀行の傍なのか、というのがライブ中継だとあんまり伝わらなくって、あそこを歩くたびにふしぎにおもう。

 そうです、わたしは二年連続で、松本ぼんぼんのライブ中継をみている神奈川県民です。自衛隊のひとたち、のぶといかけ声で、迫力ありましたねえ (去年の優勝連)。


サマーアフターサマー

 市橋織江さんの写真集。いま、PARCOの四階で展示している。市橋さん、むかしから好きで、箱根の彫刻の森での展示も見に行ったのだった。かのじょが松本を撮るときいて、去年、予約して写真集を買った。そしたらことし、ちょうど旅行するときに展示をしていた。

 なんとなく、波田の写真が多いきがした。西瓜畑だとかね。あの波田のふるい洋館の写真もあって、あ、あそこ! というのがうれしかった。市橋さんが松本を撮って、その展示を見にいけるのよ、と友だちにいったら、まるであなたのためみたいだね、と言われた。

 いそいそとPARCOに向かうと、ぐうぜんトークショーの準備をしているところで、市橋さんがいらした。そうっと、PARIS(写真集)の頃から好きでした、松本を撮ってくださってうれしかったです、とお伝えして、トークショーは聞かずに帰ってきた。博物館に戻ると、夫がロビーで本を読んでいた。松本民芸の椅子にすわって、カフェラテをのみながら、子どもが遊びおわるのを待った。
 
 ずっと胸が、どきどきしていた。


アルピコ交通のバス

 あのダイナミックストライプをですね、みると嬉しくなるのですね。これは信州マニアの症状として、典型的なものですね (知らんけど)。いちねんにいちどくらい、近くの134号線でも見かける。去年は、江の島の片瀬漁港で松本フェアをやっていて、漁港の駐車場にアルピコのバスが停まっていた。ことしは、なぜか稲村ヶ崎のあたりですれ違った。うしろに笛吹観光のバスがついてきていた。なんだろ、甲信地方の、なにか?


 中央道で、信州に近づいていくと、ちらほらと見かけはじめるあのダイナミックストライプ。嬉しいですねえ。ただし松本まで来ると、見かけるバスが、ほぼすべてアルピコなので、ありがたみがなくなる。

 今回は、沢渡の駐車場から上高地まで、アルピコのバスに乗った。国道158号線は、噂には聞いていたけれど、やはりすごい道で、これは松本からアルピコ電鉄に乗って、新島々からバスに乗ってやってきたっていいんじゃないか、とも思った。よくもまあ、あんな道をおおきなバスが通るよ。上高地までの運賃たかい、とおもっていたのを反省します。ごめんなさい。




 書き続けようとおもえば、いくらでも書けちゃうのですが、こんかい撮ってきた写真が尽きたので、ここでやめておきます。

 博物館のアソビバが気にいってしまい、なかなか帰りたがらなかった子どもが、「またくるよね? またここにあそびにくるよね?」とごねると、夫が答えました、「そりゃ来るでしょう。あんたのお母さんは、松本が大好きだから」。 

 すると子どもは、わたしにむかって、やさしい声で、けれど脅すように言いました。

 「ママぁ、もしこのはくぶつかんに、また行きたくなったらねえ、ぼくがいつでも、いっしょに行ってあげるよおぉ。ママはまつもとが大好きだもんねええ?」

-the end-


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