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若月房恵
2024年1月22日 01:17
クーリエさんというひとがいた。 クーリエさんは宣教師で、世界中を飛びまわっていた。何百人ものひとたちをキリストに導き、洗礼を授けた。誠実な、とってもよいひと。みんなが彼を尊敬していた。 そんなクーリエさんにも、死ぬときがやってきた。天国の門に着いて、当たり前のようになかに入っていこうとしたクーリエさんを、門番の天使が止めた。 「待ちなさい、お前の名前は名簿にない」 クーリエさ
2024年1月15日 01:01
『わたしは日々、死んでいます』 第一コリントの手紙15:31『わたしはキリストと共に、十字架につけられています。生きているのは、もはやわたしではありません』ガラテアの手紙2:20 トン、トン、トン、と音がする。思っていたよりも穏やかに、やわらかな調子で、釘が打ち込まれていく。わたしの魂に、あのかたの手で。 初めの衝撃はもう去って、いまは疼痛のように、ただ釘の打ち込まれた点