あがり症と社会不安障害
最近、HSP=Highly Sensitive Person(傷つきやすい人)という言葉が流行っています。
HSPの前は、「社会不安障害」「社交不安障害」という言葉が流行りました。
例えば、「会食不安」というのがあります。
人とご飯を食べるとき、レストランやカフェ、居酒屋さんでご飯を食べます。
会食不安の人は、「食べているところを人に見られたくない」という恐怖から、レストランやカフェなど、たくさんの人が集まる場での食事に不安を覚えて、食事ができなくなります。
また、「排尿不安」というのがあります。
外出先でトイレに行くときは、デパートや駅、コンビニでトイレを済ませます。
ところが、排尿不安の人は、公衆トイレを使うことができません。
他人の気配を感じる場所でトイレを使うことに不安を覚えてしまうのです。
その為、遠出が困難になります。
社会不安障害の原因ー対人恐怖症
あがり症もHSPも社会不安障害も、根っこは対人恐怖症です。
なぜ、対人恐怖症になるのか?というと、
1.自分を肯定していないので、他人が何をするか分からなくて怖いから
2.いじめ
3.他人から突然暴力を振るわれた
4.両親からの精神的、肉体的虐待
5.教師による体罰
等が考えられます。
人は、「自分」という根っこの部分を肯定出来ないと、常に精神的に不安定になります。
人間も動物なので、外敵に備える必要があります。
ペットを飼っている人なら分かると思いますが、犬や猫がエサを食べているときや、トイレのときは、人間は彼らにノータッチが基本です。
ペットが嫌がるし、場合によっては怒って噛み付いたり、引っ掻いたり、唸り声を上げたりします。
なぜかというと、「食べているとき」と「トイレのとき」は、動物は無防備だからです。
無防備なときに外敵に襲われたら、ひとたまりもありません。
だから、動物はトイレのときは誰にも見つからないようにするし、エサを食べるときは、仲間が見張りを立てます。
おそらく、会食不安や排尿不安は、人間が動物だった頃の名残りなのでしょう。
お猿さんが進化して人間になり、会食はコミュニケーションツールの一つになりました。
誰かと仲を深めたいとき、お茶に誘ったり、ご飯に誘ったり、飲みに誘ったりします。
しかし、会食不安の人はせっかくのお誘いを断わるので、「付き合いが悪い人」と思われてしまいます。
これでは、「ぼっち」になっても仕方ないですよね。
自分の周りは外敵だらけ?
対人恐怖症でない人は、自分を肯定しているので精神的に安定しています。
精神的に安定している人は、周囲の人を信用しています。
だから、食事の誘いにも気軽に応じるし、自分からも誘います。
対人恐怖症の人にとって、周りの人は外敵だらけです。
動物が外敵と対峙した場合、大抵は一目散に逃げます。
対人恐怖症の人も、本当は逃げたいのですが、何処へ逃げればいいのか分かりません。
なす術が無いので、傷付かないように自分の殻に閉じこもるしかありません。
他人と交流しようとせず、自分の殻に閉じこもってオドオド、ビクビクしている様子が対人恐怖症として映ります。
あがり症も、根っこに対人恐怖症があります。
発表会であがるのは、外敵に囲まれているからです。
まるで、飢えたオオカミの群れから睨まれた子ウサギのようです。
あなたがステージ上でブルブル震えている理由は、捕食の恐怖に脅える子ウサギの恐怖と同じ恐怖を味わっているからです。
したがって、あがり症を治す為には、上記4つの原因を心理療法で癒す必要があります。
対人恐怖症を治すことで、他人を信用できるようになります。
他人を信用できるようになることで、「自分の周りは外敵だらけ」という被害妄想が無くなります。
すると、他人との会食や、公衆トイレの使用も怖くなくなります。
そして、あがり症や社会不安障害、HSPが治ります。
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