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[活動報告]6本のフルートによる無伴奏のコンサートinかふぇ あたらくしあ、終演いたしました!(2024/07/28)+演奏動画

皆さまこんにちは。note をご覧いただきありがとうございます。フルート、フラウト・トラヴェルソ奏者の宮戸美晴です。

2024年7月28日(日)に、東京神保町のかふぇ あたらくしあにて、《かふぇ あたらくしあ presents 宮戸美晴 Sunday Afternoon Concert》が行われました!

今回のコンサートのチラシとプログラム

ルネサンスから現代までの6本のフルートで、それぞれの時代にふさわしい作品をお届けするというコンセプトのコンサートでした。

6本のフルートの演奏シーン

●6本のフルートの詳細
①ルネサンス・テナー・フルート Giovanni Tardino, 2008; after Anonymus, Verona: A. F. #13284, ca. 1530 (a’=ca. 405Hz)
② バロック・フルート Masahiro Arita, 2023; after Jacques-Martin Hotteterre “le Romain”, ca. 1710 (a’=ca. 400Hz)
③ バロック・フルート Jean-Jacques Melzer, 2018 (a’=415Hz); Joannes Hyacinthus Rottenburgh, ca. 1720 (a’=ca. 405Hz)
④ クラシカル・フルート Giovanni Tardino, ca. 1995 (a’=ca. 415~430Hz); after “Grenser-Model”, ca. 1780-1820
⑤ ベーム・システム・フルート Louis Lot=Ernest Chambille, 1911 (a’=ca. 440Hz)
⑥ ベーム・システム・フルート Muramatsu Flute “DS” model, 2011 (a’=ca. 442Hz) 


演奏の合間にはお話も交えながら進行いたしました。

MC中

もともとは、フルートを取り替える際に、管の中の水滴を拭き取る必要があり、演奏の合間に掃除の時間を取らなければならないことから、その時間にお客様が退屈されることがないようお話をさせていただくつもりでしたが、「話があったことで、より分かりやすかった」と、思いがけずお褒めの言葉をいただきました。

掃除をしながらお話中

また、それぞれのフルートの音色の違いをよく感じることができたというお言葉や、お客様の中での新たなお気に入りの作品を発見することができたという感想もいただきました。
また聴きたいとお話しくださったお客様が多くいらっしゃり、とても励みになりました。ありがとうございました。

今回のコンサートの企画には、本当にいろいろな想いがあり、その想いについても全てではありませんがコンサート内でもお話しさせていただきました。

それぞれのフルートと、それぞれの時代の作曲家や作品の魅力を表現できていたら嬉しく思います。

改めて、このような機会をいただけましたことに感謝申し上げます。
本番まで応援してくださった皆様、そしてご来場くださいました皆様、ありがとうございました。

先生をはじめ、応援に来てくださった心強いメンバーの皆さまと。
今回のプログラム

・Giovanni Bassano: Ricercata Quinta in D
・Jacques-Martin Hotteterre le Romain: “Airs et Brunettes”         Bertrand de Bacilly / J. M. Hotteterre le Romain: Air ‘Rochers, je ne veux point’
       Michel Lambert / J. M. Hotteterre le Romain: Air ‘Goutons un doux repos’
・Jean-Féry Rebel / Masahiro Arita: Passacaille in E minor
・Michel Blavet / M. Arita: Suite in E minor
・Carl Philipp Emanuel Bach: Sonata in A minor, Wq. 132/H. 562
・Johann Georg Tromlitz: Partita Ⅴ in E minor
・August Eberhard Müller / M. Arita: Variationen über ein Théma favorite von Mozart
・Claude Debussy: La Flûte de Pan (Syrinx)
・Marin Marais / M. Arita: Folies d’Espagne (Couplets de Folies) from Second Livre de Pieces de Viole

アンコール
・J. S. Bach: Partita in A minor, 3. Sarabande
・J. B. de Boismortier: Quatrième Suite in D major, 2. Air

コンサートを華やかに彩ってくれたお花


さて、最後にお知らせです!
今回のコンサートに合わせて、かふぇ あたらくしあでミュージックビデオを作成いたしました!

[以下、YouTube の説明欄より]
演奏しているのは、ミシェル・ランベール(ca. 1610-1696)が作曲したエール〈楽しもう、甘い安らぎを〉に、ジャック=マルタン・オトテール・ル・ロマン(1673-1763)がフルートでも演奏できるように編曲し装飾を施した作品で、1721年に出版された《エールとブリュネット集》に収められています。そしてこの1曲を、時代の異なる2本のフルートで演奏いたしました。

1本目は L. ロット/E. シャンビーユ作の1911年製のベーム・システム・フルート、2本目は J. M. オトテール・ル・ロマン作と推測されるの1710年頃のフルートをもとに、有田正広氏によって製作された3ピースのバロック・フルートです。

ピリオド演奏としては2本目の3ピースのバロック・フルートでの演奏の方がよりふさわしいかもしれません。しかし、今回の動画は、どちらの楽器が良いのかという比較ではなく、それぞれの楽器がどういう響きで、どのような表現ができるのか、ということを追求する、という狙いのもとに作成されました。

またルイ・ロット工房を立ち上げた初代のルイ=エスプリ・ロット Louis-Esprit Lot(1807-96)は17から20世紀中頃まで続いた木管楽器製作家の一族であるロット家のうちの一人ですが、ロット家は同じく17, 8世紀の木管楽器製作家の一族であるオトテール家との親類関係がありました。そのため時代は異なっていますが、オトテール・ル・ロマンとルイ・ロットには繋がりがあると言えるのではないでしょうか。

それぞれの楽器と製作者、そして音楽作品を尊重し、個々の楽器の「魅力」を引き出せるようにと願いながら演奏いたしました。

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note をご覧くださっている皆さまにもぜひ、今回のミュージックビデオをご覧いただきたいと思っております。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします!

ということで、今回は7/28のコンサートについての報告の記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました☺️

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