『伝説の安心感』 #毎週ショートショートnote【厚底編】
最近、厚底靴で街中を闊歩している女性をよく見かけるようになった。なぜそこまで背を高く見せたいのかと疑問を抱くのは私が大柄だからだろう。
そんな私も靴屋に掲げられた
緊急時にも対応!伝説の安心感!
というポップを目にして足を止める。しかし棚に並べられているのは私が敵視している厚底靴ばかり…
「よかったら気になった靴履いてみますか?」
と話しかけてきた店員もまた厚底靴だった。
「この伝説の安心感というのは…?」
「こちらの商品は作りが特殊でして…」
展示された靴を手に取って底の部分のロックを解除しパカリと開けると、何かを入れられる程度の隙間があった。
「今は電子決済がメインになっていますが、未だに現金じゃないと対応できないところもありますよね?そういう時のために、ここにお金を入れておけるんですよ」
そこで声を潜め
「へそくりも隠せますよ」
と耳打ちされた。
確かにこれなら安心だと納得した私は店員の囁きに導かれるように財布の口を開いた。
最近また厚底ブームなのか、エスカレーターで私の前にいた厚底ブーツの女性がキャリーバッグとともによろけたのを見てヒヤッとした体験から、あの厚底に何か仕組みを施して荷物を減らしたりできないものか……といった感じで書いた作品です。
私は良くいえば用意周到、悪くいえば心配性なところがあり、常にお財布、手帳入れ、ICカード、手帳型スマホのそれぞれに現金もしくは、ある程度お金をチャージして持ち歩いています。(デジタルを完全には信用していないので、小銭や紙幣も必須! 割り勘しそうな時は全種類の小銭を準備しておくことも……🪙)
それはたぶん修学旅行の際に母から「お金は分割して持つように!」と大きな鞄と持ち歩き用の鞄それぞれ財布を入れておき、次の日の予定に合わせてお金を管理していた時から身に付いた習慣に近いですかね🤔なので、厚底の靴にも入れられたら便利だなあ、と。(たまに靴の中にヤバいブツを忍ばせてる人もいますよね…)
乱歩の足元にも及びませんが、なんとなく『二銭銅貨』が思い浮かび、私が好きな作品でもあるので、よかったら青空文庫で読んでみてください🤗✨
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