見出し画像

『ラーメン部骨伝導』 #毎週ショートショートnote【B麺】

 最近は気がつくと、うつらうつらしていて時間の感覚がわからない。

時折医師が様子を来てくれるからまだ現世にはいるのだろうが…


先日、看護師の華田はなださんから不思議な話を聞かされた。自分が望む映像を本物のように見られる機器があり、私も試してみないかと言われ、承諾した。

もう一度食べたい料理を選び、息も切れ切れに食べたい物を伝えると、重たいゴーグルと補聴器のようなものをつけられた。


すると屋台のラーメン屋が目に飛び込んできた。


早速、拉麺無骨伝統という暖簾をくぐる。

「っらしゃい!」
「豚骨ラーメン一つ」
「へいよ!」

私の前に置かれた器から立ち上る湯気に白濁としたスープと細い麺。

麺を口に運ぶと啜る音が耳に心地よく響く。実際に食べているわけでもないのに、脳が覚えていたのか懐かしい味を感じた。


ゴーグルを外し、日本中を駆け巡りバリバリ働いていたかつての自分を思い返しながら

「最高な冥土の土産が味わえたよ。ありがとう」

と感謝の気持ちが溢れ出た。


 こちらは患者のあたりさん目線です。昔は仕事柄出張が多く、地方のラーメンを食べ尽くしたあたりさんが選んだ、忘れられない思い出の味と言ったところでしょうか?(うちの父が出張に行く度、旅先のラーメンの写メを送ってくるんですよねぇ…くぅ~羨ましい!)
 お題名はそのまま使わず、あえて変えてみました。(じゃないと、今後もお題を店名として使いまわしてしまいそうなので😅)でも一応、骨伝導イヤホンでASMRも楽しんでいるんですよ~♪

いつか本場の博多ラーメン食べたいな~!
(ラーメンフェスに一人で行き、二杯平らげて、デザートまで食べた女より。)


 よかったら、A麺もどうぞ~


この記事が参加している募集

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。よろしければ、サポートいただけますと大変うれしいです。いただいたサポートは今後の創作活動に使わせていただきます!