怪物はささやく★★★★★ 観た人と語りたくなる映画
△2016年のスペイン映画
△原作は、カーネギー賞作家2人による異色のコラボ作
△絶頂期にこの世を去ったイギリスの作家シヴォーン・ダウドの未完の遺作を、パトリック・ネスが引き継いで完成
△ジュラシック・ワールドのJ.A.バヨナ監督
期待以上のとてもいい映画だった。「ダークファンタジー」というらしいが定義はよくわからない。軽いものではなかった。
怪物は12:07に現れて、3つの物語を語るのだがこの話は、人間界の生々しい怒り・欲望・損得などの理不尽がある。大人でも考えさせられるのだ。
少年は学校でいじめられており、感情を抑えることに慣れてしまっている。
孤独な生活にも心が痛くなる。ついに母親の病気の経過とともにその感情は爆発してしまう。
一番の見どころは
・少年が母親を助けようと、崖っぷちで葛藤をするシーンだ。自分も崖に落ちるというところで、怪物に救われる。
・少年が母親の最後を看取るシーン 人間生きている限り、いつかこの時が自分にも訪れる。少年は早くに母親との別れを余儀なくされてしまった。
・ラストは、ノートに描かれていた母親と怪物は一緒に天国にいるというメッセージなのだろう。
少年には強く生きていって欲しいという気持ちでいっぱいになった。なんだか「君たちはどう生きるか」ジブリ映画と重なる部分もあるような気がした。