ストロークにおける手首や指の使い方
推進力を増やす3つの方法
①水を捉える面の大きさを広げる→パドルやフィン
②パワーの向上→筋力トレーニング・スプリントトレーニング
③渦の発生→面の向きを変える
今回は③に関係する手首や指の使い方についてご紹介します。
写真はバスケットボールのシュートをうつ瞬間です。🔴はボールの軌道、🟢はボールの回転を表しています。
同じようなことを1kgのソフトウェイトボールを使用してプールサイドで行っています。
バスケットボールのシュートと違うのは🔴の方向を鉛直方向で行います(慣れたら泳ぎの同じ姿勢・方向に投げる)。私はこの動きが水中の理想的なストローク動作に似ていると思っていて、一度キャッチした水を手首と指の脱力を伴いタメの時間を作り、最後はスナップの力を利用して押し出すという一連の流れを学習するのに良いドリルだと思いっています。手首や指の形をロックしてしまうと水を捉える面の向きが変わりにくく、力任せになりやすい印象です(パドル使用時はパワー向上を優先してこれでもいいかもしれません)。
2ヶ月前から数人のジュニア選手にやってもらいましたが、「鉛直に投げる」「逆回転をかける」の両方がなかなかうまくいきませんでした。どちらか一方の動作が強く出てしまうケースが多く、感覚受容器(重さや圧などを感じとるセンサー)の発達が主な要因ではないかと推察しています。
実際に何度かやっていると感覚を掴んできて方向や回転が安定してきます。左右差は多くの人に見られ、同じ右利きの人でも右が器用だからうまくいく人もいれば、右に力が入りすぎて不器用な左のほうがうまくいくケースもあります。
指を閉じてみたり、親指だけ開いてみたり、全体的に少し開いてみたりと、指のポジショニングによってもパフォーマンスが違ったりもします。人によっては、人差し指と薬指の長さに違いがありますし、5本の指は3つの神経に分かれており、それらの発達の違いも影響しているかもしれません。ちなみに、小指と薬指を支配する尺骨神経はプル動作との関係性が高い。
自分の中でいろんなパターンを試しながら、狙った方向に回転をかけ一番投げやすい方法を見つけて、それを水中のストローク動作に転用するのも良いですね。レッスン内では特に背泳ぎ選手に良い反応が出ています(ストローク数の減少、テンポの安定)。
ボールは↓写真のフォームローラーと同じように、肩甲骨の間に敷いて胸郭のストレッチにも相性良いです。首コリさんなら首の下に敷いて軽くゆらぎをするとスッキリします。
次回は、今私が目指している25m10秒台・50m自由形23秒台のために、一人練習でどんな目標を立てているかについてご紹介します。正確なタイムがとれないので、テンポやストロークなどを管理しながら進めています。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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FLIW STYLE 藤澤ヨシノブ