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「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者

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動物しか登場しない『猿の尾はなぜ短い』を演じるケンタとテッタ。人間に目撃され言い伝えられなければ、自分たちの演技は無駄になるのではないかと不安になる。
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「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 1. 疑 念

「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 1. 疑 念

 ケンジが本を読んでいると、「先輩」と頭の上で声がし、目の前のテーブルに地味な黄金色のペットボトルが置かれた。
「えぇっ! 地球産のジンジャーエールじゃない!」
 ケンジを「先輩」と呼んだテッタが丸テーブルの向かい側に座る。手には地球産のダイエットペプシ。ケンジが目を丸くする。
「そっちもメイド・イン・地球じゃない。こんな貴重品、いったいどうやって手に入れたの?」
「そこの自販機っすよ」
テッタが

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「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 2. 決 意

「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 2. 決 意

『求む、目撃者/1. 疑 念』からつづく

  ケンジとテッタが演じてきた『猿の尾はなぜ短い』は、日本人の昔話記憶を強化するのには、何の役にも立っていなかったのではないか? テッタが持ち出した疑問がケンジの頭の中でビンビン鳴り、胸に黒雲が湧いてきた。
「あっ、先輩、出発ポッドに移動する時間っすよ」
テッタがボトルに残っていたダイエットコークを飲み干した。
「うーん……」
「あれ、先輩、なんか気乗り

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「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 3. 正 義

「日本昔話再生機構」ものがたり 第8話 求む、目撃者 3. 正 義

 『求む、目撃者/(2)決 意』からつづく

 ケンジは手のひらに浮かんだ周囲5キロ四方の地図を頼りに、里への道をたどる。変身スーツの表面に映し出される地図が、皮膚を透して見られるよになっているのだ。

 前方に、藁ぶきの小さな小屋が肩寄せ合う集落が見えてきた。だが、都合よく声をかけられそうな人影はない。
 仕方ない、手近の小屋の戸を叩き中の者を呼び出そう。と思った時、一軒の小屋の戸が内側からあき

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日本昔話再生機構 第8話(最終回) 求む、目撃者 4. 推 論

日本昔話再生機構 第8話(最終回) 求む、目撃者 4. 推 論

『求む、目撃者(3)正 義』からつづく

 ケンジが川のほとりに戻ると、猿に変身したままのテッタが、地球標準尺度で50センチほどもある、自分の尾をいじり回していた。
「テッタ、すまん」
ケンジはテッタに頭を下げた。
「俺が目撃者つくりにこだわったせいで『猿の尾はなぜ短い』が不成立になっちまった。お前の言うことを聞いとけばよかった。ホント、済まない」

 「先輩、いいっすよ。ボクがドジって不成立にな

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