月を撮る。📸
はじまりの月
ここに一枚の写真があります。
今から約5年前、2018年の5月に撮影したものですが、まあ・・・その・・・何の変哲もない月の写真です。
撮影に使用したカメラは当時所有していた RICOH の Pentax MX-1。ホントに何の変哲もない月の写真ですが、実はこれ、私がウサギさんの撮影に初めて成功したときの写真なんです。あーでもないこーでもないと露出の設定を試行錯誤しつつ数多くの失敗を繰り返し、3日間かかってよーやくここまでたどり着きました。
いちど撮影に成功すると欲が出てきます。
「すごいなあ、設定を変えるだけでクレーターまで写るんだ」
「もっとキレイに撮りたいな」
「もっと大きく撮りたいな」
私の撮影対象に月が加わった、それが瞬間でした。
撮影機材のお話
あれから約5年。撮影機材も大きく変わり、現在では OM SYSTEM OM-1 を使って月を撮ることがほとんどです。
場合によっては Canon の EOS R6 を使います。
中間的な焦点距離(150mm~600mm)が欲しいときは OM-1 に Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM を繋げますが、あまり頻度はありません。
マイクロフォーサーズ機を使ういちばんの理由は、焦点距離を稼ぎたいから。ご存じのとおり、マイクロフォーサーズ規格の撮像センサーは長さ比でフルサイズの半分、面積比だと四分の一しかありませんから、画角的に倍の焦点距離を稼ぐことができます。300mmのレンズをつけると600mmの画角に、加えて2倍のテレコンバーターを組み込むと1200mmの画角になります。フルサイズ機で焦点距離1200mmのレンズを組み込もうとすると・・・Canon の RF1200mm F8 L IS USM で 約280万円 の出費になります。ムリです。買えません。ゼッタイ無理です。
けれども、これがマイクロフォーサーズ機だと40万円くらいですみます。40万円でもとっても高価ですから、私が所有しているレンズはすべて中古なんですけどね。笑
でもって、直近に撮った月の写真がこちら。
2023年2月5日、満月の9時間前に撮ったスノームーンです。
縦横の長さを半分、つまり焦点距離2400mm相当の画角になるようにトリミングするとこうなります。
初めて撮ったウサギさんの写真とは全然違います。笑
露出の設定はとても簡単
ピーカン照りの日中に写真を撮りたければ、露出設定は「感度分の16」。これは、「絞り値をF16までしぼって感度分の1秒にシャッタースピードを合わせる」という意味です。ISO感度が400ならシャッタースピードは1/400で絞り値はF16、ISO感度が100ならシャッタースピードは1/100で絞り値はF16といったように。
確か写真家の渡部さとるさんがおっしゃっていた言葉だと記憶していますが、真夜中に月を撮影するときの私の露出設定は「感度分の8」。ISO感度が400ならシャッタースピードは1/400で絞り値はF8、ISO感度が100ならシャッタースピードは1/100で絞り値はF8です。もっとも焦点距離が長くなるほど手ぶれによる影響が大きくなりますから、三脚を使わない場合のISO感度は400を基準にしています。あとは月の大きさに合わせてISO感度を調整すればOK。暗い三日月なら感度をあげる。満月なら感度を下げる(もしくはシャッタースピードをあげる)。月撮影の露出設定はとても簡単です。難しいことは何もありません。
いろいろな月の姿
これまでの約5年間でいろんな月を撮ってきました。
例えば2022年12月の皆既月食のときにはこんな写真。
木星が接近したときにはこんな写真。左上にガリレオ衛星を従えた木星が輝いています。
たまには縦構図で撮ることも、月を副題にすることもあります。
どんぐり帽子みたいな地球照を撮ってみるのも、登った直後の赤い月を撮ってみるのも面白いです。
さまざまな角度や月齢、現象によって月はいろいろな姿を魅せてくれます。同じ姿は二度とありません。だから飽きることもありません。
みなさんもいちど、月を撮ってみませんか?📸
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