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『長女の病気のこと。』

深夜12時頃。

子供も寝静まり家事も終え、夫婦だけの時間。
SNSをチェックしたり、YouTubeを見たり、時には2人で映像作品を楽しんだりしている。

そんな時に、聞こえてくる長女の咳。

部屋のドアは閉まっているし、リビングのテレビも付いている。なのにしっかりと聞こえてくる長女の咳。

しかも、一度始まり出すとこの咳はしつこく、連続で何度も出続ける。

ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ、、、、、、、。

風邪の終わりはいつも咳だけこうして引きずるのが長女の体質で、このままえづいて嘔吐する事もしばしば。

だから咳が始まると、すぐに部屋まで指で押して噴霧するタイプの吸入器と水を持って行ってやらなくてはならない。

ドアを開けると廊下の明かりが2段ベットの上で苦しそうに咳をする長女の顔をぼんやりと明るくする。

その顔は苦悶の表情を浮かべている。

大きな深呼吸をするように促し、吸入器を口に咥えさせ『せーの』とタイミングを合わせて吸入器の頭をプッシュして薬を肺に吸い込まさせる。

『大丈夫か?』と聞きながら水を一口飲ませると、長女は『う〜、、、、。』と苦しそうにもう一度ベッドに横になる。

掛け布団をなるべく埃が立たないよう、小さな身体に優しく被せる。

僕も母親に何度もこうして布団をかけてもらった事を思い出す。

僕は、2歳から小児喘息を発症した。

その始まりはアトピー性皮膚炎のような感じからスタートしたと聞いている。

肌が荒れてるなと感じた両親は僕を病院に連れて行き診てもらった。しばらくしてそのアトピー性皮膚炎のような感じは落ち着いたらしいのだが、引き換えに始まったのが小児喘息。

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