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5月24日(火):ジムエリアのコンテンツ力とは?③

このところはフィットネスクラブにおける「ジムエリアのコンテンツ力」に触れており、その続きです。

これまでにも触れてきたように大型クラブで提供価値が曖昧になっているエリアがジムエリアであり、コンテンツ力の向上によるジムエリアの再構築に伴うリテンションと顧客創造を進めていくのが望ましいと思っています。

そうしたなか、昨日はコロナ禍で辞めない母集団として継続をしてくださっているお客様の動向、利用エリア、その背景にある要素を説明しました。

具体的にはスタジオ、スパ、そしてフリーウェイトのエリアがこれらに該当し、各エリアの要素は「スタジオ=楽しさ」、「スパ=リフレッシュ」、「フリーウェイト=自己実現」と捉えることができます。

前述した「楽しさ」や「リフレッシュ」、「自己実現」など心理面への充足感がある一方で、特に痛みや不具合など、身体的にマイナスになっているものをゼロやプラスに転じていく機能面への価値が十分でない実情があります。

フィットネスクラブがエンタメ施設ではなく「健康」を中核価値に据えるのであれば機能面の深堀りは不可欠で、ジムエリアのコンテンツ力の一端を担っていく必要性が見えてくるでしょう。

これに加えて本日は別な観点からの補完を試みてみようと思います。

コンテンツ力とはそれ自体に価値があって満足を生むのはもちろんですが、それが周縁に広がっていくかどうか、というのも大事な観点になります。

この広がりを生むかどうかで考えると、少しメディア論を帯びてくると思います。

そうした時に私のアタマのなかで結びついたことのひとつがルーマンの著書「社会の社会」でのメディアに対する観点です。

同書ではメディアを流布メディアと成果メディアに分類しており、前者は文字や音声、映像などの一般的にイメージされるメディアであるのに対し、後者の成果メディアはそれぞれのシステムで「コミュニケーションが接続されるときの通路」だと定義しています。

例えば「学問」であれば「真理」であるかどうか、「経済」なら「貨幣」をとしてそれが扱われ、コミュニケーションが接続されていく、といった具合です。

それに準じて「では、フィットネスはどうだろうか?」と問いを立ててみると、これは「身体の文脈」で語られるものだろうな、と思います。

少し類似した例でいえば飲食店なら「美味しい」かどうかによって話題になり、メディアや人と人とのコミュニケーションがつながっていく通りです。

これと同じように身体の文脈でコミュニケーションがなされる際に、フィットネスクラブがそこで話題にあがっていくのだとすれば、そこには機能面の価値が要ります。

ジムエリアで機能的価値に裏打ちされたコンテンツ力を持ち、クラブ内での身体に関する成果、信頼を積み上げていくことができれば、ジムエリアが定着エリア、定着要因に育っていく余地もあるでしょう。

この点は自社でジムエリアしかない小型クラブを運営して低退会率を維持できている面もあるから、そこは確信が持てます。

さらにいえば身体に関する何らかの不調や不具合が解決された時ほどインパクトが大きく、そこからの信頼や広がりも生まれやすいものです。

こうした諸々をふまえ、ジムエリアを確たるコンテンツ力を有した場にしていくことができれば、大型クラブの活性化も前に進んでいくと思っています。


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