3月1日(金):周囲が摂食障害のサインを見逃さないように
先週に日本でも発売開始になった肥満症薬から端を発して、昨日は10代で摂食障害が増えている状況を記しました。
摂食障害は一般に神経性やせ症、神経性過食症の2つがあげられますが、増えているのは神経性やせ症です。
神経性やせ症では体重や体型の感じ方が障害され、明らかにやせていても、それを異常と感じられなくなる認識のギャップがあげられます。
摂食障害ポータルによれば神経性やせ症は正常下限を下回るやせがあり、成人ではBMIが15未満になると最重度と診断され、小児の場合はBMIとあわせて標準体重の65%未満は入院治療が必要な最重度とされています。
一般的にはやせに伴い次第に筋力低下や疲れやすさを感じるようになり、低血圧、心拍数低下、低体温、無月経、便秘、下肢のむくみ、背中の濃い産毛、皮膚の乾燥、手のひらや足の裏が黄色くなるといった身体的な変化があります。
精神面での変化としては、やせの影響でうつ気分や不安、こだわりが強くなっていき、やせていることで満足感は得られるものの、根底には自尊心の低下が存在するとのことです。
これらの兆候から本人が気がつければ良いですが、前述したように自己評価が体型・体重に依存しており、明らかな低体重・低栄養状態にも関わらず、患者はその重篤さを認識できない傾向にあります。
そのため周囲がそのサインを見逃さずに発見し、早期にケアしていくことが大切だとされています。
なお以下が摂食障害ポータルに記載をされている「摂食障害のサイン」の一部です。
1.体重に関するサイン
□急激に体重が減少する。
□やせたり太ったりを繰り返す。
□体重が増えることを極端に怖がる。
□体重が減っているにもかかわらず、「太っている」といった言動がしばしばみられる。
□日のうちに何回も体重計に乗る。
□だぶだぶの洋服を着る(体型を隠すため)。
2.食事に関するサイン
□食事に関して、形式的でこだわりの強い行動がみられる。
□食べる量が減る。
□カロリーの低い食品(野菜、海藻など)を中心に食べる一方で、特定の食べ物(炭水化物、揚げ物、肉類、甘いものなど)を拒否する。
□カロリーを厳密に計算する。
□食べ物を小さく切って食べる。
□いつも決まった順番で食べる。
□皿の上の食べ物を並べ直す。
□食べ物を噛むだけで飲み込まないで吐きだす。
□買い物の時に、カロリーや成分などの表示をとても気にする。
□いろいろな理由をつけて人と食事するのを避ける。
□全然食べていないにも関わらず、「お腹が空いていない」「食べている」と言う。
□食べ物がトイレ、流し、ごみ箱などに捨ててある。
□食べ過ぎた後に絶食している。
その他のサイン
□気分の浮き沈みが激しい。
□不安が強い。
□いつもイライラしている。
□隠し事が多くなる。
□集中力や判断力が落ちる。
□普段の活動や友達づきあいが極端に減る。食事や過活動を中心とした一日の予定を組む。
□生理がとまる、不順になる。
以上、参考までに。