「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論665」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第22号(2006.1.25発行)「米国人がエクササイズする理由・しない理由」1~※名称等は当時、一部文章省略
「健康な生活を送る上でエクササイズは重要な役割を果たしている」
こうした理解は米国人の間に着実に浸透しつつある。
IHRSAが外部調査機関に委託して行った調査によれば、87%の米国人が健康を維持する上でエクササイズが中心的な役割を果たすということを認識しており、90%の人々が健康的な生活を送ることを重要な課題だと考えている。
しかし残念なことに、週5日以上エクササイズをしている人々は22%程度に留まっている。
大多数の米国人はエクササイズの重要性を理解している。
しかしその理解を実際の行動に結び付けていくためには、環境を整えるだけではなく、エクササイズを気軽に楽しく取り組めるような工夫が必要である。
現在、米国では14.2%の人々が、フィットネスクラブを利用しており、これらの人々は平均して週2~3日クラブに通い、1回当たり1~2時間運動している。
クラブ数も会員数も伸び続けており、会員数は1998年以来、年率5.3%の割合で増加し続けている。
クラブ業界にとって、この数字はそれなりの成果を示すものと言えるが、本調査は今後の業界の成長に多くの示唆を与えてくれるものとなった。
エクササイズするべきか否か
先頃IHRSAは、米国人のエクササイズやフィットネスクラブに対する認識や態度を調査し「フィットネス・アメリカン・スタイルⅡ:米国人がエクササイズする理由とその実態」としてリリースした。
この調査は2001年に行われた同様の調査をベースとしており、エクササイズに対する認識や態度をもとに米国人を6つのセグメントに分類して分析を加えている。
この調査で挙げられた6つのセグメントのうち、最も大きなグループは「アクティブな競争者タイプ」である。
このセグメントに属する人々は、肉体的に良いコンディションにあり、フィットネスクラブには対価に見合う価値があると考えている。
次に大きなグループである「ダイエット効果期待タイプ」の人々は、減量が主目的で、もしもっと楽で確実な減量方法があれば、フィットネスクラブには通わないだろうと思われる層である。
「健康志向の良識派タイプ」に属する人々はここ数年で急増した。
予防医療的な効果を求めてエクササイズするこのグループは、前回2001年の調査時には米国人の10%であったが、今回は15%となり、実に50%の伸びを示している。
年々、運動が生活習慣病の予防や症状の緩和にもたらす効果についての理解が深まりつつあり、それを目的として運動する米国人が増えてきていると言える。
こうした「健康志向の良識派タイプ」の急増と背中合わせで減ってきているのが、「フィットネス懐疑者タイプ」である。
フィットネスは一過性のブームと冷ややかに見ていた人々は、2001年には全体の16%であったが、今回の調査では12%となり、33%の減少となった。
「表1:エクササイズに対する認識や態度に基づく6つのセグメント」
エクササイズに対してどのような認識を持っているかによって、米国人を以下の6つのセグメントに分類した。
1.アクティブな競争者タイプ 28%
2.ダイエット効果期待タイプ 17%
3.心身バランス追求タイプ 15%
4.健康志向の良識派タイプ 15%
5.関心はあるけど・・タイプ 13%
6.フィットネス懐疑者タイプ 12%
~ここまで~
日本では30年以上、フィットネス参加率は3%前後で推移しており、米国よりも行動に移さない、移せない人が多いと言えます。
そして日本人のメンタリティーとして、上記6つのセグメントで見た場合、1の比率が下がり、5の比率が上がるように感じます。
最近、「パンデミック下で変わったこと」に関するアンケートで、2位の「ネット購入が増えた」を押さえ、1位が「健康の大切さを感じた」となっていました。
これは、フィットネス業界にとって好ましい傾向と思いつつも、恐らくセグメントで言えば、5の方々が大多数であると推測されます。
つまり、そこからの行動喚起をいかにできるかが、今後の勝負の分かれ目になっていくとアバター近藤は考えております。
お読みいただきありがとうございました。
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