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12月13日(水):日本の大豆ミート市場も曲がり角

先週の日経MJには「大豆ミート販売24%減」と題した記事がありましたので、本日はこれに関連した話を少しばかり。

大豆を原料にして味や食感を肉に近づけた大豆ミートの市場は2022年まで急速に拡大していたものの、2023年は減少に転じた旨を報じています。

具体的には2022年には42億円にまで達した販売額が、2023年1月~10月は前年同期比で24%減の28億円になっているようです。

大豆ミートについては国内で大豆ミート協会が設立された時に記事をアップしていました。

その際には日本より先行して市場が広がった米国の代替肉の状況にも触れましたが、米国の小売店での販売額は2023年に1割近く減る見通しで、関連企業の株価はピーク時の25分の1に落ち込むなどしています。

市場規模が伸び悩んだ要因として挙げられていたのは「味や食感が消費者の求める基準に達していない」点でした。

仮に代替肉が環境に良かったとしても「高くて美味しくないものを買い続けることはできない」というユーザーの声はもっともです。

この点は冒頭に触れた記事でも日本の大豆ミート市場が同様な状況に陥っている旨に言及しており、日本でも大豆ミート市場が曲がり角に入っていることを指摘しています。

やはり食は味わうもの、楽しむものでもあるから、美味しいかどうかはユーザーの選択をもっとも左右する要素です。

少し話は飛びますが、先般に某コーヒーチェーンで仕事をしていた際にスタッフの方がアーモンドミルクを使ったラテを試飲してもらう意図で店内の利用者へ配って回っていました。

私もそれを受け取って試飲をしてみましたが、私にはあまり美味しいとは感じられず、率直な感想として自分がこれをオーダーすることはないな、と思いました。

これはアーモンドミルクの是非ではなく、個人の味の好みの問題によるところですが、やはり飲食に関して先立つのは「美味しいかどうか」の感覚ですね。

大豆ミートが「健康意識」や「環境配慮」だけに依拠せず、この先で本質的に市場を拡大していけるかどうかは、この点を避けて通れないでしょう。

どんな商品、サービスであっても、本質的・中核的価値の満足、納得感なしにユーザーの支持が拡大することはありません。

大豆ミートに限らず、この点は自分たちの生業とする事業にも照らし合わせながら、それを肝に銘じていきたいと思います。

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