7月20日(水):人が観光資源になるなら、フィットネスクラブは?
昨日は書籍「トカイナカに生きる」のなかで非常に面白い事例だと感じた千葉県いすみ市でのインバウンドでの取り組みを紹介しました。
一般的には観光資源というと歴史歴な建造物や有形・無形の文化的資産、風光明媚なスポットや特産品、地の食材、何らかのアクティビティなどを連想します。
いすみ市にもそういった観光資源はありながらも、あえて「市民」を商品に据えて人間と人間との出会い、そこでの関係からリピート客を生む、との着眼点とそれを具現化した手腕は白眉です。
特に人を観光資源に考えるなかで知名度がある特定の誰かや団体にフォーカスをするのではなく、地域にいる普通の人々がインバウンドを呼ぶ武器になる、との見方・考え方は大変参考になりました。
というのも、この点は私たちの事業であるフィットネスクラブにもそのまま置き換えて捉えることができるからです。
インバウンドにおける一般的な観光資源は前述した歴史や文化的な有形・無形資産をはじめ、自然や特産品、食といったもので考えがちなように、フィットネスクラブにおいても従来からある商品力は立地、施設(設備)、料金のハード中心、それ以外はアイテムやプログラムのソフト要素で考えられてきました。
それはそれで今なお活かし方はありますが、いすみ市のような「人を商品にする」「人が人を呼ぶ」との考え方は、自社が標榜するところの「トレーナーが価値創造の源泉」と位置付ける考え方と重なり、人の部分へフォーカスすることの妥当性を再確認できた気がします。
人を起点にしてインバウンドのリピート客を生むことと、トレーナーが価値を提供して会員様に継続をしてもらうこと、どちらの難易度が高いかどうかは比較のしようもありませんが、私たちにとってもそれは十分に実現可能なことだと思えます。
その一方で人へフォーカスをしようとすると、フィットネス業界ではそれに対してネガティブな見方をする方々がいまだに少なくないはずです。
何事にも常にメリット、デメリットの二面性があるために当然ながらデメリットの側面があることは否定しませんが、反対にそれを上回るぐらいの大きなメリットがあることもまた事実です。
そのあたりの両面を見ながら考えることが大事だし、コロナ禍でフィットネスクラブが被ったマイナス影響の真因をどう捉えるか、それによって人へフォーカスすることの是非も大きく変わってくるだろうと思っています。