大切な本の中の1冊

河合隼雄さんの「心理療法論考」はすごく心に残っている一冊。私の心理学の勉強はこの本から始まった。言うたら私の心理学のスタート地点。

根。

この本をよく読んでいた頃の、思い出も一緒に封じ込められているのでかなり特別な本。大学の図書館で棚から抜き出して、その場で何回も、何回も、立ち読みした。

そんなことを繰り返していたらどうしても欲しくなってきて、買うことに決めた。Amazon。当時約5000円。むちゃくちゃ高い。届くまでは本の状態が心配だったが、図書館でいつも読んでいたものと同じくらいきれいなものが届いた。

今でも持っている本の中で、top of top的に大事にしている。

(私のは新曜社のもので当時すでに絶版。その後何年かしてから出版社が変わって再販された。今Amazonで確認したら2013年に再販されたようだが、今では2013年版も絶版になっている!?)

で、しかし、時が経って、この本の内容に含まれるもの…、要するに、この国で「心理臨床と呼ばれるもの」、が、今ではただの「輝く理想、憧れの夢」のようになってしまった。

今思えば…、それが率直な、個人的な感想ですわ。

現場の現実を、知れば知るほど、感じれば感じるほど、この本が遠くに、遠くに、…遠くに…、離れていったわ…。

わかる?

「心理学の勉強より、なんや…結局、嘘駆使して言葉巧みに現場でうまいこと立ち回ったやつがええのか!言い方うまかったらそんでええのか!なんや、そういうことか!」

そういうことや。

わかるやつおるやろ。ほんま。
「いいね」したいけどこれはでけへんわー、とかやめてね。

なんとなく、伝わったら、それでいいです。

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