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【急成長中】盛り上がる生鮮食品EC市場を解剖

伸びる生鮮食品EC市場

最近Twitterでもポケマルや食べチョクといった産直ECで自社商品を販売している生産者が増えてきたように感じます。実際、生鮮食品のECの市場規模を調べてみると…

経済産業省 令和3年度 電子商取引に関する市場調査

ざっくりわかったことはこんな感じ。かなり勢いもポテンシャルもあるということが伺えますね!

  • ずっと伸びている成長市場

  • 2021年の市場規模は2.5兆円 → 6年で約2倍に

  • EC化率はたった3.77% → 伸びしろまだまだ!                                                   

コロナが生鮮食品ECの市場に火をつけた

生鮮食品ECが登場して伸びてきた背景は3つあると考えています。

❶インターネットとECの普及
❷生協による食材の宅配文化
❸新型コロナウイルス拡大

インターネットとECの普及

そもそもインターネットが発達しなければ、ECなんてものは成立しませんでした。多くの日本人にとって生鮮食品は「実物を見て選んで買うもの」というのが常識でした。もちろん消費者が目利きできるかというとそうではないですが、手に取って鮮度や産地を確かめると何となく納得して買い物ができる気がしますよね。ECサイトではどんな商品がくるか届くまでわからないし、そこが不安になるという顧客心理もあると思います。そういう意味では、楽天やAmazonで本や家電、ゲームなどがちゃんときれいな状態で指定した日に届くという体験と信頼が消費者の中で蓄積されてきた、というのが大きいのではないかなと考えています。

生協による食材の宅配文化

僕は広島の辺鄙な田舎で育ちました。小さい頃は親が生協で食材の宅配を頼んでくれていたのを覚えています。生協の分厚いカタログを見ながら、冷蔵庫をチェックする母を見るのは当たり前の日常の1コマでした。注文用紙に記入していく母の姿をみて、子どもながらに「難しそうだな、マメだな」と勝手に思ったりしていました。

生協は我が家だけでなく周辺の住宅地からもイイ感じに契約をとっていて、毎週決まったタイミングに地域の集会所に納品をしてくれていました。あとは自分のところの食材を確認して自分で持って帰るだけでいい。生協の荷物を受け取るために集会所に集まるという習慣が地域住民の交流機会になってもいたと聞いています。

昔からあったそういう食材宅配の景色や体験は産直ECの盛り上がりとは無関係ではないと思うんですよね。

新型コロナウイルス拡大

コロナの拡大は外出頻度を下げ、内食化(外食に行かずに家の中でご飯を食べる)を加速させました。内で食事をするようになると家庭での食事回数が増えます。牛乳や米などの消費ペースが上がり、スーパーに買い物にいく頻度が増え、購買量と食品購入額が増加しました。すると、これまでは何とも思っていなかったスーパーでの買い物が急に面倒くさくて億劫なものになってきます。その中で生鮮食品ECに注目が集まるようになってきたんじゃないかと思います。

自分の話で恐縮ですが、例にもれず僕もコロナに罹患しました。コロナに一度なると10日間外出できなくなります。だからその間はイトーヨーカドーのネットスーパーに大変助けられました。自宅にいながらスーパーの商品を届けてくれるなんてなんて素敵なサービスなんだろうと心から思いました。

ネットスーパーの個人的なイメージは「運転免許証を返納して体力も落ちている高齢者が使うもの」でした。あとは共働き世帯の時間短縮の文脈。買い物をするのは大きい負担だよね、と。新型コロナウイルス感染症拡大は明らかに新たな需要を開拓したといえると思います。

様々な事業者がサービスを展開

生鮮食品ECといっても幅がかなり広いです

たとえば仲卸と小売・飲食店をつなぐようなBtoBのECもありますし、個人向けECもたくさんあります。ポケマルや食べチョクみたいな産直系ECだけでなく、楽天・Amazon Freshなどの大手ECが生鮮食品も扱うケースもあります。さとふるやふるさとチョイスのようなふるさと納税特化のECもありますね。

他にも自社サイトを運用している生産者もいますし、未利用魚を加工してサブスクで届けるサービスをやっている人もいます。生協もまだまだ強いですし、そこと戦うオイシックスみたいな宅配・通販の事業者もいます。イトーヨーカドーみたいなネットスーパー事業だってありますよね。

整理するために、ざっくり絵を描いてみました。参考までに市場流通がどのあたりにポジションをとっているかも描いてます。

産直ECの位置づけと特徴

では、最近メディアでよく目にするポケマルや食べチョクといった産直ECは生鮮食品EC市場全体からいうとどのあたりにポジション取りをしているのでしょうか。産直ECは上の絵の黄色いところになります。

ポイントは2つあると思っています。

❶個配×スポット

生産者の商品と消費者のニーズが合致した場合に成約するので、一人ひとりの消費者の反応がわかるというのはメリットです。一方で、他のサービスに比べてロットが小さく、生産者からするとあまり効率がよくないという側面もあります。高い配送料と固定費も課題になりやすいです。このあたりの産直ECのメリット・デメリットはまた別の記事で書こうと思います。

❷楽天・Amazon Fresh・ネットスーパーとのすみ分け

セグメントの図上では楽天・Amazon Fresh・ネットスーパーと産直ECが非常に近い距離にあります。ただ、両者は似ているようでかなり違うものと思った方がいいです。ターゲットとしている人のニーズが全然違います。

楽天やAmazon Freshをユーザが使うのは、日々の食材やストック食材を「自宅まで持って帰るのが面倒」だからです。だからAmazon Freshでよく売れているのは牛乳や水2Lのケース、お米などの重たいものです。

一方で産直ECを使う人のニーズは「家庭での食事を楽しみたい、もっとこだわりたい」です。ここを読み違えると産直ECでは全然売上を伸ばせません。

結論:生鮮食品ECの今後の盛り上がりに期待!

生鮮食品EC市場の盛り上がりには時代的な背景がやはりあります。特にその中でも生産者が自ら直接に消費者に販売できる産直ECは販路開拓の新しい形のひとつの選択肢であり、期待できると思います。産直ECに参入したい、産直ECで売上を上げたいと思っている人にオススメのnoteもこれから執筆していきます!

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