【松本生活】天神祭りの日
とある夏の日の朝6時。
辺りは明るいものの、まだ空気は何処となくひんやりしたこの時間に、松本の町ではぽつりぽつりと人々が家から出て来ます。
理由は、しめ縄を軒先に張る為。
天神祭りの日の朝、近所の方が集まって、各家の軒先にしめ縄を張るのです。
縄が軒先に張られ、そこに紙で出来た紙垂(しで)を付けていきます。
私は仕事で参加出来なかったのですが、代わりに母が参加し、ご近所さんに手解きを受けながらしめ縄張りに参加しました。
私はちょうど、朝のその時間に出勤したのですが、朝早い時間にも関わらず、皆さん家の前に出てはせっせとしめ縄の準備をされていました。
私の元いた地域にはこう言った風習は無かったので、とても新鮮に感じられました。そして、こう言った昔ながらの習慣が残っているのは素敵な事だなと感じました。
夜、私が仕事から帰ると、しめ縄はかなりの広範囲の地域に張られていました。
縄が張られ、紙垂が揺れる町の姿は神聖な雰囲気に包まれていました。
天神祭りは深志神社のお祭りで、1日目の夜には境内に屋台が並び、沢山の人々で賑わっていました。
残念ながら見に行けなかったのですが、遠目に見ても賑やかな雰囲気が伝わって来るようでした。
2日目に、深志神社に参拝に行きました。
出店はありませんでしたが、代わりに各町内会の舞台(山車)が並べられていました。
本来は各町内から深志神社に集まるそうですが、今回は一つの舞台以外は練り歩かずに並べられていたそうです。
ですが、並べられた舞台はそれぞれ凝った作りで素敵でした。来年は街を練り歩く姿が見たいなあと思いながら一台一台見て回りました。
そして2日目の夕方、昨日の朝張ったしめ縄を、今度はご近所さんと取る作業を行います。
気づけば町中はまた、いつもと同じ景色に戻っていました。
今度しめ縄が張り巡らされるのは、四柱神社のお祭りだそうです。
来年は、舞台が練り歩く姿が見られればいいな、と思う松本の夕暮れでした。