「聴き合う子どもたちとの出会い」
【輝け28の瞳】
聴き合う子どもの姿との出会い。それは2012年の2月に放映されたTV番組「輝け28の瞳~学び合う教室~NHK ETV8」を偶然にも見たことだった。
それはこれまでに見たどんな授業にもない、教室のどの子も生き生きと学ぶ子どもの姿だった。取り上げられていたのは、山梨県身延町立大河内小学校3年生の古屋和久先生の教室での子どもたちの学びだ。
私はそれまで、「一斉指導」(教師主導)の授業以外に子どもが学ぶ姿を見たことがなかった。もちろん、勤務校や近隣の学校で見た子どもたちが生き生きと活発に意見を交流する授業に憧れ、それを子供たちが主体的に学んでいる授業だと考えめざしてきた。
しかし、古屋先生の教室の子どもたちの姿は、何かそれまでの子どもたちの姿とは根本的に違っているように思えた。
【一人残らず夢中に】
その一番の違いは、一人残らず夢中になって学んでいる子どもの姿だ。いわゆるできる子どもがすばらしい意見を言って問題の解決につなげていく授業でもなく、教師がねらいに迫ることができる子どもの考えやつぶやきを拾ってねらいに収束させていこうとする授業でもない。子どもたち一人一人が納得する(わかる)まで考え合う授業であり、これが「聴き合う授業」であると感じた。
どうしたらこんな夢中になって学ぶ子どもたちの姿が教室で見られるようになるのか?すぐにでも実践したい気持ちにかられたが、この古屋先生の聴き合う授業に出会った時は、私はすでに管理職となっており、担任として実践することは叶わなかった。
しかしながら、何とかしてこんなすばらしい子どもたちの学ぶ姿を創り出したい、そんな思いで志ある教員に働きかけ、ともに学び合ってきた。
このTV番組はもう12年も前に放映されたものであり、なかなか視聴することは叶わないと思うが、この番組で見た子どもの学ぶ姿から感じ得たこと、学んだことなども今後紹介していきたいと考えている。