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聴き合う教室づくりのために④ 聴き合えるペア・グループにするために~その2~ 気後れして話せない友だちを励まし、寄り添う~

全く話さない子をどうみるか


4人グループで対話をしている際、一人でたくさん話をする子どもがいる一方で、全く話をしないという子どもがいるということはないだろうか。全く話をしない子どもが、グループの友だちの話をじっくりと聴いていて、話はしないが、実は頭をフル回転させて深く考えているという状態であれば話はまた別である。

 しかし、グループの中で特定の誰かが一方的に話をしているような状況では、多くの場合、全く話をしない子どもは、対話そのものに参加しようとしていないか、もしくは話題の中身がよく理解できていないために参加することをあきらめているか、あるいは気後れしてなかなか対話の輪に入り込めないでいるか、そのいずれかではないかと考えられる。

以前のnoteの記事で、私は、


 「聴き合い」は”話し合い”ではない。自分の言いたいことを”語り合う”でもない。相手が何を言いたいのか、なかなか伝わらない言葉の裏で相手が何を言おうとしているのか、そもそも相手が困っていることは何かを相手に寄り添って全身全霊で聞こうとすることから始まるのが「聴き合い」である。

(拙稿「聴き合うことを大切に思う」)


と書いた。

 グループの中で誰かが一方的に自分の話だけをするという状況は、そもそも”聴き合い“とはいえない。それでも、子どもたち一人一人は”自分から話したいと思う子“”自分から積極的には話さず、聴くことを大事にする子“などそれぞれに個性が違うということを前提にした上で、どの子も”聴き合い“に参加することが、一人一人の学びを深めることに繋がると考えた時、次のようなことが大切になってくると思っている。

どの子も聴き合いに参加できるようにするために

 それは、グループの中で気後れして話ができないでいるような子どもがいるなら、残りの3人が、その子を励ましたり、寄り添ったりできるようにするということだ。教師としては、それができるように授業の中で子どもを育てていくということ、そうなるように先生が授業を通して一生懸命子どもたちに働きかけていかなければならないということである。

 例えば、グループの中で一番活発に話せる子どもが、おとなしめの子どもが話し始めることができるように問いかけるようにするとか、おとなしめの子から話を引き出そうとしているとか、上手に話しかけているとか、話ができる子どもが自分だけが話すのではなく、おとなしめの子が話をするタイミングを待っているとか。グループの中にこういう関係性がないと、おとなしめの子どもはなかなか話さないし、黙っていてもそれで済んでしまうということになる。

 教師は、対話の場面で、グループでの子どもたち同士のかかわり方を観ながら、どの子も”聴き合える“ように地道に子どもたち一人一人に働きかけ育てていくことが求められるし、それが教師の役割でもあると考える。

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