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大抵のことは知ったこっちゃない
2023年5月24日(水)朝の6:00になりました。
フォロワーが500人を超えました。ひとり3回ずつ読みましょう。
どうも、高倉大希です。
小学生のころに、「税の作文」という宿題を出されたことがあります。
税に関する意見を、原稿用紙にまとめて提出するという内容です。
なぜこんなにも昔のことを覚えているのかというと、かなり苦戦したからです。
くり返しになりますが、当時はまだ小学生です。
税のことなんて、知ったこっちゃない。
これが、原稿用紙に書けることのすべてでした。
象について調べているうちに、数学に関心を持って、パリの大学につながって、現地でファッションの勉強をしている女性と恋におちました......なんていう、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな、はじめっからは想像できない連鎖がほんとうにできるのが、「リンク」というものの面白いところです。
それも、そのはずです。
関与したことがあるものは、せいぜい消費税くらいです。
その消費税も、親からもらったお小遣いで払っています。
そんな子どもが「税の作文」なんて、書けるわけがありません。
ブーブーと文句を言っても、仕方がない。
普段だったらこう考えるのですが、こればかりは譲れません。
どう考えても、出題者側の思考が足りていないと思うのです。
最大公約数を目指しつつ、一方で説明がうっとうしくなりすぎないかという別のベクトルの「心の動きの推測」との、不断の比較考量作業こそが、コンテンツをより魅力的なものにするのです。
きっと、この機会をつかって、税について調べてみてほしかったのでしょう。
納税の義務を負う未来に、目を向けてほしかったのでしょう。
気持ちはわかります。
気持ちはわかるのですが、本当にそう思っているのなら「税の作文を宿題に出す」にはならないだろうと思うのです。
子どもたちがやる気にならないのは、面白そうではないから。逆に、面白そうだなと思うと自然にやる気になります。そこで編み出した仕掛けが「アナザーゴール」です。本来の目的とは違うように見えても、まずは子どもたちが面白そうだなと思うような「別のミッション」を与える。
「税の作文」と近しいことが、教育現場では多発しています。
「地球温暖化が進んでいるから、みんなでゴミを分類しよう!」とか、「薬物は危険だから、注意喚起のポスターを描こう!」とか。
問題が起こっていることは、たしかに事実なのかもしれません。
ところが、子どもたちからしてみれば、すべて知ったこっちゃありません。
重大な問題だから、関心を示せ。
そんな暴論を押し付けられても、すべて知ったこっちゃないのです
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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