イタリア語の関係代名詞 4 CHE と CUI
こんにちは Minori です。YouTubeで学ぶイタリア語。今月のテーマは 関係代名詞。本日ご紹介する動画はこちら。
Marta さんのチャンネル Passione Italiana から。彼女の解説動画も,おすすめ。すごく分かりやすいです。時々,自分でボケて自分でウケて笑ってるおちゃめなところがある Marta さん。一輪の花(造花)を振り回して,イタリア語を解説します。いつものように,動画の内容をそのまま,日本語に翻訳して掲載していますが,何箇所か私の補足が入っています。その部分は 👧 で表示しています。
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こんにちは,みなさん。Marta のビデオにおかえりなさい。今回のビデオは,みなさんからの質問の多い関係代名詞 che と cui についてです。この関係代名詞 che と cui を解説するにあたって,次の2つの文から始めましょう。
che chiamo, a cui telefono。この2つの文は,ほぼ同じ意味を表わしています。ですが,1つ目の文では,関係代名詞 che を使い,2つ目の文では,関係代名詞 cui が使われています。なぜなのでしょう。
両者の違いを解説する前に,関係代名詞 che の使い方からみてみましょう。
この文で使われている CHE は,代名詞です。代名詞というのは,名詞を置き換える ものです。CHE に置き換えられる名詞は,人でも,モノでも,動物でも構いません。そして,置き換えられる名詞が,関係詞節の中で 主語または,直接目的語のときに,関係代名詞 CHE を使います。これはどういう意味でしょう。こちらの例を見てみましょう。
この文では l'attoreが CHE に置き換わっています。
l'attore は,関係詞節において《主語》の役割をしているので,置き換える関係代名詞は CHE を使うことになります。他の例を見てみましょう。
この文では la ragazza が CHE に置き換えられています。
関係詞節において,la ragazza は,《主語》の役割をしているので,置き換える関係代名詞は CHE を使います。こちらの例では,どうでしょう。
この文では,il libroが,CHE に置き換えられています。
関係詞節内において,il libro は,che cosa? の部分である直接目的語の役割をしています。sto leggendo,Che cosa?,il libroを。なので,il libro を置き換える関係代名詞には CHE を使うことになります。最後の例です。
この文では il vinoが,CHE に置き換えられています。io preferisco,io が主語で,preferisco が動詞です。そして,Che cosa?,il vino を。つまり,関係詞節内において il vino は,直接目的語の役割をしています。
したがって,il vino を置き換える関係代名詞には CHE を使います。
パニックにならないでくださいね。これから CUI の説明に入りますよ。辛抱してください。ビデオの最後には,すべてはっきりしますから。
では,いつ CUI を使うのでしょう。CUI も CHE 同様,置き換えられる名詞は,人,モノ,動物 でも構いません。その点ついては,どちらも同じですが,関係詞節内において,その名詞が 前置詞に導かれる補語のときに,関係代名詞 CUI を使います。ここは,とても重要なポイントです。前置詞に導かれる補語,つまり,間接目的語の役割をしている名詞を置き換える場合は,CUI を使います。そして,CUI は,$${\underline{\text{その前置詞とともに}}}$$ 使います。前置詞には,例えば di, a, da, in, con, su, per, tra, fra, senza, sotto, sopra などがあります。それでは,例文で見ていきましょう。
関係詞節内の動詞はsono andataです。io sono andata a Roma,Con che cosa?con la macchina。この文では,la macchina が CUI に置き換えられています。
置き換えられる名詞が,前置詞 CON に導かれています。したがって,この場合は CHE ではなく,CUI を使うことになります。そして,元の名詞同様 CUI にも前置詞が必要になりますので,CON CUI という形になります。前置詞があれば,CUI を使う,ということです。
io ti ho parlato ieri,di questo ragazzo。関係代名詞に置き換える名詞 questo ragazzo は,前置詞 di に導かれているので,関係代名詞には CUI を使います。
そして,関係代名詞 CUI にも,置き換える名詞と同じ前置詞をつけて,di cui となります。
まとめると,前置詞がないときは CHE を使い,前置詞があるときは CUI を使う,ということです。では,冒頭の文に戻ります。
2つの文が表現する内容は同じですが,1つ目の文では,関係代名詞に CHE を,2つ目の文では,CUI を使っています。なぜでしょう?前置詞が必要かどうかは,どのように判断するのでしょう。それは,$${\underline{\text{関係詞節内の動詞によって決定}}}$$されます。
動詞 telefonare は,telefonare a una personaという使い方をし,動詞 chiamare はchiamare una personaという使い方をします。
動詞 chiamare を使うなら,前置詞がないので,関係代名詞には CHE を使い,動詞 telefonare を使うなら,前置詞を伴うので,関係代名詞には CUI を使う,ということです。両者の使い方は簡単です。CHE は,前置詞なしで,CUI は前置詞あり。問題は,関係詞節内の動詞が前置詞を必要とするのかしないのか,必要だとしたら,前置詞はどれを使うのかの判断です。それが適切にできるようになるためは,できるだけイタリア語を読んで,聞いて,使うことです。それでは,これからクイズTocca a te!をしましょう。
下線に適切な関係代名詞を入れてください。すべて CUI が入りますが,CUI とともに使う適切な前置詞を考えてください。a cui, di cui, per cui, con cui, da cui などなど。
正解は …。
文の後半部分を見てみましょう。
どちらも正解です。
👧 前置詞に con を使っても,su を使っても,日本語に訳すとほぼ同じ意味になりますが,con una nave は,「船を使って,船で」,su una nave は「船の上で→船に乗って」というニュアンスになります。
CUI とともに使う前置詞は何でしょう。正解は …。
こういうことです。
次の問題です。
正解はこちら。
関係詞節内の動詞 mandare は,mandare un'email a qualcunoという使い方をしますので…。
正解は a cui です。次は,che か 前置詞 + cui かを選ぶ問題です。
いかがでしょうか。正解は …。
この場合,関係代名詞の置き換える名詞 il film は前置詞を伴っていません。
したがって,関係代名詞は CHE を使うことになります。次の問題です。
正解はこちらです。
ここで,一つ大切なことを申し上げます。in cui は,dove に置き換えられるということです。
ですから,in cui の代わりに dove を使って,La città dove siamo stati era davvero interessante. と言うこともできます。
下線に入るのは che でしょうか,前置詞 + cui でしょうか。
関係詞節内の動詞 visitare は,visitare una cittàという使い方をします。una cittàは,前置詞を伴いませんから,visitare の直接目的語ということになります。
関係代名詞に置き換える名詞は,どちらも città ですが,動詞によって,前置詞の有無が異なります。
次のクイズです。
正解は …。
関係代名詞 che を使います。なぜなら,関係代名詞に置き換える名詞が,関係詞節内で主語の役割をしているからです。
次の問題です。
さあ,下線に入るのは?今回は,2つ可能性があります。
文が表現する内容は,微妙にことなります。
したがって,先程の文はこういう意味です。
👧 2つ目の文章は,日本語に訳しにくいですね(^_^;) 「リカルドは,よく家に食事に招待してくれる人です」と言ったらいいんでしょうかねえ。
最後に,私はビデオの中でいつもil fioreを持っています。この il fiore を使って,che と cui の文を作ってみます。
それでは,動画は以上です。関係代名詞 che と cui の使い分けがお分かりいただけたら嬉しいです。
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はい,今回はここまで。Marta さんの解説いかがでしたか❓️YouTubeで学ぶイタリア語,関係代名詞編。4回に渡って, che と cui の使い分けの基本を中心に見てきました。かなり身についたのではないでしょうか。次回からは,他の関係代名詞,特に CHI について考えていきたいと思います。是非,次回もお付き合いください。
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