なんでその女と結婚しないといけないの?Perché se la deve pure sposare?
こんにちは Minori 👧 です。
Ciao a tutti! Sono Valentino! 👨
字幕で覚えるイタリア語。
今回もイタリアのドラマ、
傷ついた心に贈る占星術ガイド
Guida Astrologica per Cuori infranti
の台詞でイタリア語を学んでいきます。
5年以上も付き合った男に別の女が
ひょこり現れ、あっさりと
乗り換えられた可哀想なアリーチェ。
レストランから持ち出したボトル片手に
1人夜の川岸をふらつきながら歩く。
酔った勢いで親友のパオラに電話し、
カルロへのうっぷんを
彼女にぶつけるアリーチェ。
そんなアリーチェを
優しくなだめる天使のようなパオラ。
では、今回取り上げる部分を
まず字幕付きで御覧ください。
👩:アリーチェ
🧑🦰:パオラ
こんなに長く付き合ったあたしとは、
結婚する気はないって言ってたのに、
なんで、ぽっと出てきた女といきなり
結婚しちゃうの!
こんな文句をアリーチェが
親友パオラに電話でぶつけている
シーンの続きです。
🧑🦰:Lo so cosa stai pensando, ma …
分かるけど…。
👩:Avresti dovuto vedere con che faccia
me l’ha detto, Paola.
彼の顔を見せたかった。
Gli brillavano gli occhi.
目が輝いてた。
🧑🦰:Tesoro, però così ti fai solo del male.
自分を苦しめないで。
👩:Perché deve mettere incinta un’altra?
なんで他の女を妊娠させて
Perché se la deve pure sposare? E io?
その女と結婚するの?私は?
🧑🦰:Ma quanto hai bevuto?
どれだけ飲んだの?
はい、今回はここまでを取り上げます。
さて、今回も気になるところ
ピックアップして見ていきます。
まずはアリーチェの台詞。
👩:Avresti dovuto vedere con che faccia
me l’ha detto, Paola.
Avresti dovuto vedere
条件法過去を用いた表現です。
補助動詞 dovere を使っています。
条件法は原則として「ある条件の
もとなら〜になるだろう」といった
仮定的な意味合いを与える法です。
そこから発展して
願望・可能性・推測・語調の緩和・助言など
文脈によってさまざな意味合いを表現します。
では、直接法近過去とどう違うのでしょう。
アリーチェはここで Hai dovuto vedere と
直接法近過去で言わず、なぜ
Avresti dovuto vedere と
条件法過去を使ったのでしょう。
👨:直接法近過去と条件法過去は
どちらも時制は「過去」だから、
過去のことについて言うときに
使うってことでは共通してる。
でも2つの最大の違いは、したかったこと、
しようと思ったことを 実際に実現できたのか
できなかったのか。あるいは、あることが
実際に起こったのか 起こらなかったのか。
をまず考えないといけない。
👧:ふんふん。
👨:直接法近過去は 実際に起こったことを
言うときに使う。
パオラはカルロの顔を実際に見たのかな?
👧:見ていません。だって、パオラはその場に
いなかったもん。
👨:ということは、直接法近過去は使えない
ということになる。
一方、条件法過去 は、
実際には起こらなかったことを表す。
だから、アリーチェは条件法過去を使ったんだ。
👧:なるほど。とするとこの台詞は…。
Avresti dovuto vedere con che faccia
me l’ha detto, Paola.
直訳すると…。
Avresti dovuto vedere
あなたは見るべきだった(実際は見なかったけど)
con che faccia
どんな顔で
me l’ha detto,
彼が私にそのことを言ったか。
Paola.
パオラ
どんな顔で彼が私にそのことを言ったか、パオラ、
あなたは見るべきだったわね。
と、こうなりますが、これそのままだと、
字幕としては長すぎます。
そこで字幕はこうなっていました。
彼の顔を見せたかった
となっていました。
なるほど、うん、すばらしい。次に進みます。
一体どんな顔で、カルロはアリーチェに
別の女性との結婚を告げたのでしょう。
Gli brillavano gli occhi.
目が輝いてた。
動詞は brillare 。
自動詞だと 輝く、きらめく。
他動詞だと 爆発させる
なんだけど…。
この文は一体どんな構造になってるんだろう。
Gli → 彼に = a lui
brillavano → brillare の
直接法半過去3人称複数形
gli occhi → 目(複数形)
動詞が3人称複数形 brillavano なんだから、
主語は gli occhi だよねぇ。
主語を前に持ってきて語順を変えてみます。
Gli occhi brillavano a lui.
目は 輝いていた 彼に
目は彼に輝いていたぁ?
なんでこれが「彼の目が輝いてた」
ってことになるのぉ?
👨:イタリア語特有の表現だね、これは。
体のどこかが、どうのこうのって表現を
私たちは日本語のように
I suoi occhi brillavano.
彼の目は輝いていた。
と所有形容詞を使って言わない。例えば…。
めまいがする
Mi gira la testa.
girare [自]回る
頭が痛い
Mi duole la testa.
dolere[自]痛む
鼻水がでる
Mi cola il naso.
colare[自]滴り落ちる
鼻がむずむずする。
Mi prude il naso.
prudere[自]むずがゆい
👨:la testa 頭, il naso 鼻, gli occhi 目 など、
体の部分を 主語 にして文を作る。
で、その主語は普通, 動詞の後ろに置くよ。
体の部分が主語だから、動詞は3人称単数形か、
3人称複数形に限られる。
そして、体の部分の 「所有者」は
間接目的語人称代名詞 で動詞の前に置く。
作り方はいたって簡単。
これを理解したうえでこの文を
見ればなんの違和感もないと思うよ。
Gli brillavano gli occhi.
彼の目が輝いていた。
👧:じゃあ、ちなみに…。
[彼女の] 目が輝いていた って言いたいなら?
👨:こうなる。Le brillavano gli occhi.
簡単でしょ。
👧:まあねえ…。
👨:特に体の症状をいうとき、
Mi fa male la gola. 喉が痛い。
Mi viene la nausea. 吐き気がする。
私たちはこういう言い方をよくする。
👧:なるほど。なんかまだ、もやもやっとしている
気がなきにしもあらず。
👨:受け入れるしかない。
カルロはアリーチェの気も知らず、
目をきらきら輝かせながら、
別の女性との結婚を告げたって?
カルロってどういう奴だよ❗
それを聞いたパオラの台詞です。
🧑🦰:Tesoro, però così ti fai solo del male.
自分を苦しめないで。
Tesoro テゾーロ 宝物 🎁
とても親しい人への呼びかけです。
人以外に飼っている犬や猫に対しても
イタリア人は使っています。
Amore アモーレ 愛 💖
もよく聞きますよね。
英語の Honey ハニー もしかりですが、
私たちは小っ恥ずかしいくて、こういうの、
知っててもなかなか使えませんけど…。
👨:意味を考えちゃうからじゃないの?
ねえ!とか ちょっと!って呼びかけと
同じだと思えばいいんだよ。
そうはいってもねえ…。無理無理 (^_^;)
次進みましょう、パオラの台詞。
Tesoro, però così ti fai solo del male.
自分を苦しめないで。
という字幕が付いていましたが。
ti fai del male これは fare del male a 人
という慣用句で、意味は …. 。
人を傷つける
人をいじめる
人を悲しませる
しかし、ここは ti fai del male なので、
fare が 再帰動詞 farsi になってるから ….。
自分自身を傷つける
自分自身をいじめる
自分自身を悲しませる
という意味になる。
ってことだから、この台詞の直訳はこうなります。
Però
でも…
così
そうすると
ti fai solo del male
あなたはあなた自身を傷つけるだけよ
優しくなだめるパオラの言葉も
今のアリーチェには響きません。
アリーチェの嘆きは続きます。
👩:Perché deve mettere incinta un’altra?
なんで他の女を妊娠させて
Perché se la deve pure sposare? E io?
その女と結婚するの? 私は?
Perché deve mettere incinta un’altra?
なんで他の女を妊娠させて
mettere incinta 人: 人を妊娠させる
直訳は「なぜ彼は他の女を
妊娠させなければならないの?」
Perché se la deve pure sposare?
その女と結婚するの?
またまた❓謎の文が出てきましたぁ❗
この se は何?この la は何?
もうううううう❗❗❗
👨:se は再帰代名詞の si。
la は 直接目的語人称代名詞。
ここはカルロが妊娠させた女性を指している。
その女と結婚するの? の
「その女と」 の部分。
pure。pure があると文全体の
トーンが強調される。
カルロが彼女と結婚することに納得がいかない
アリーチェの なんで❓一体どうして❓
という気持ちが強調されている。
👧:待って❗そんな、変だよ❗
だって、se が再帰代名詞 って言うなら、
この sposare は sposarsi っていう
再帰動詞 だってことになるじゃん。
再帰動詞 sposarsi 使って「誰々と結婚する」
っていうならさ、「誰々と」 の部分は
sposarsi [ con 誰々 ] って
前置詞 con +人 で言うはずでしょ?
前置詞ついてるんだから、この [ con 人 ] は、
直接目的語じゃないよねえ。
ということはよ、直接目的語人称代名詞 la に
置き換えられないよっ❗
直接目的語じゃないんだから。
なんでここで 直接目的語代名詞 la が
出てくるのかなぁ。
👨:❓
👧:だからぁ。
彼はアンナと結婚する は
Si sposa con Anna. でしょ?
仮にここで「彼は 彼女と 結婚する」
って言いたくてもさ、con Anna は
直接目的語じゃないんだから、
直接目的語代名詞 la には 置き換えられない
でしょっ❗って言ってるの。
👨:パオラの台詞。
Perché se la deve pure sposare?
この文の sposare は他動詞だよ。
再帰動詞 sposarsi じゃない。まず。
「人」 を直接目的語にとって
[ sposare 人 ] で 「人と結婚する」
っていう意味。
Carlo sposa Anna.
カルロはアンナと結婚する。
Anna は直接目的語だから、
直接目的語人称代名詞 la に置き換えられる。
Anna を代名詞 la に置き換えると...。
Carlo la sposa.
カルロは彼女と結婚する。
👧:じゃ、se は何よっ❗
sposarsi の si なんじゃないの?
👨:そう、再帰代名詞。
なんだけど、ここの再帰代名詞は、
主語の動作を強調する役割をしている。
他動詞には、本来再帰代名詞は
使わないが、再帰代名詞を置くことで
他動詞の意味が強調される。
例えば…。
Mangia un agnello intero.
彼は子羊をまるごと1頭食べる。
これに 再帰代名詞 を置く。
主語は3人称単数 だから、
ここで置く再帰代名詞は si だね。
si を動詞の前に置くと
他動詞 mangiare の意味が強調される。
Si mangia un agnello interno.
彼は子羊をまるごと1頭も
ぺろっと平らげてしまう。
アリーチェの台詞。
再帰代名詞 と pure なしだと。
Perché la deve sposare?
なんで彼は彼女と結婚しなければいけないの?
特に強調も何もない普通の文だ。
ここに 再帰代名詞 si と pure を
入れるとこんなニュアンスかな…。
Perché se la deve pure sposare?
一体、なにがどうなって
彼が彼女と結婚しけないって
ことになっちゃうんだよぉ〜❗
もう、なんで〜❗
不満な気持ちが強く表現される。
ちなみにここの si は la があるから、
形が変わって se la になってるよ。
👧:いやはや。
まだまだ知らないことばっかりだなあ。
今回もお付き合いありがとうございました❗
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