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連絡ちょうだいね! Fatti sentire!

こんにちは Minori です。
イタリアでは今日は Pasqua「復活祭」
キリストが十字架で処刑され,
その3日後に復活した日を祝うお祭りです。
我が家には全く関係ございませんけど。

イタリアではクリスマスに並ぶ大イベント。
現在,昼の12時ですが,我が家の周りは
ひっそりとしていて,誰もいないみたい。
みんなどっかに行ったのでしょうか。

イタリアでは,パスクアの日に,
伝統的に子羊を食べる習慣ありますが,
一昨年のパスクア,ヴァレの従兄弟の家に
招待され,子羊を振る舞われたのですが,
正直,複雑な心境だったことを
覚えています。

子羊が可哀想と言いながら,豚や牛や鶏は
お前,普通に食べるだろ?
と言われてしまえば,それまでですが,
やっぱり,ほとんど口にできなかった 😅

イタリア人にもそう思う人がいて,
その人はそもそもビーガンなんだけど,
仔羊を殺して食べるなんて,
どうかしていると猛烈に批判していたっけ。

しかも,気づいたら,今日から夏時間に
代わったんですねえ。
今,昼の12時ですが,昨日までは
まだ11時だったということ。
ちょっと理解が追いつかない (^_^;)

さて,本日の字幕で覚えるイタリア語,
今回も前回に引き続き
イタリア映画 Natale a tutti i costi
のセリフを取り上げたいと思います。

2人の子供が家を出て15ヶ月が過ぎ,
彼らから連絡はほとんどなく,
子供を溺愛する母 Anna は
寂しさを募らせるばかり。

叔母の葬式にも出席しない二人の子供たちの
不満を自分の母にもらすシーンです。

今回の登場人物は,アンナとアンナの母。
保守的なアンナに対して,
アンナの母は型破りな性格。
毒舌だし,ファッションも奇抜だし,
世間体を気にするアンナとは真逆。

でも実は,登場人物のなかで,
一番の常識人だったというのが,
ストーリーが進んでいくにつれ
明らかになってくる。

それではセリフをまず
イタリア語だけでみてみます。

いかがでしょう。
では,次はついてた日本語字幕で
こんな内容だというのを確認します。

こんな内容です。
では,例によってド直訳でセリフを読んできます。

👩‍🦰 Certo che Emilio e Alessandra si fanno sentire
      solo quando hanno bisogno, eh?

ここで取り上げたいのは,
動詞 si fanno sentirefarsi sentire です。

文字通りは《自分の声を人に聞かせる》
ですが,調べるとなんと3通りの使い方が
あるんだって。

まず1つ目は《もの》を主語として
「強く感じられる」という意味。

In questi giorni il freddo si fa sentire.
最近めっきり寒くなった。

Il freddo a Milano si fa sentire in inverno
ミラノに冬は寒さが身にしみる。

ただ「感じる」だけじゃなくて,
「身にしみるほど感じる」。

2つ目。《人》を主語として「足音・
話し声を聞かせる」という意味。

Non ti fare sentire.
Non farti sentire.

人に話し声[足音]を聞かせるな,
つまり,聞かれるな。

そして,3つ目。
これがアンアのセリフの farsi sentire

《人》を主語として「自分の声を聞かせる」
そこから → 自分から連絡をとる

アンナのセリフの farsi sentire は,
まさにこれ。

Certo che Emilio e Alessandra si fanno sentire
solo quando hanno bisogno, eh?

エミリオとアレッサンドラは,何か必要な時だけ
連絡してくるんだよね。

他の例文を見てみましょう。

Mio figlio non si fa mai sentire!
息子は全然連絡してこない。

ド直訳すると「彼らは彼らの声を聞かせない」
ってことになるんだけど,ここに「私に」
という意味の代名詞 mi はいりません。
つい,Mio figlio non mi fa sentire とか
言っちゃいそうだけど。

命令法の形で,別れ際や電話やメールの
最後によく使われます。

Va bene, allora salutami tanto Paolo.
じゃ,パオロによろしく。
D’accordo. Fatti sentire ancora!
分かった,また連絡してね!

Fatti sentire!

tu に対する再帰動詞の命令法は
命令法の活用と再帰代名詞を結合させます。

alzarsi → Alzati!
divertirsi → Divertiti!

ただし,fare, dire, dare, andare
tu に対する活用形は
fare → fa’
dire → di’
dare → da’
andare → va’

と ◯’ ちょん(’),がついてます。
こういう奴らは,後ろに代名詞が来る場合
子音を重ねます。

fare → fa’ + mi → fammi
dire → di’ + mi → dimmi
dare → da’ + mi → dammi
andare → va’ + ci → vacci

今回は farsi 再帰動詞ですから
tu に対する形は
farsi → fatti ( = fa’ + ti ) となります。

Fatti sentire!
連絡ちょうだいね!

では Lei に対しては?
Lei に対してのみ,代名詞は動詞の前に
置きますので,

Si faccia sentire!
ご連絡下さい!

「私に連絡してね」ですが,
さっきも言ったように「私に」を表す
mi や「私たちに」を表す ci は必要ありません。

ちなみに Fammi sentire って
言っちゃうと「私に聞かせて」という
意味になってしまいます。
形が似てるので,紛らわしい。

Fatti sentire!
連絡ちょうだいね!
Fammi sentire!
聞かせて!

Si faccia sentire!
ご連絡下さい!
Mi faccia sentire!
聞かせてください!

アンナの次のセリフにいきます。

👩‍🦰 Non si presentano neanche se c’è un morto.

字幕は「葬式にも来ない」と
なっていましたが,ド直訳すると

Non si presentano
彼らは現れない
neanche se c’è un morto
たとえ死人がいても

次はアンナの母のセリフです。

👵🏻 È una vecchia che avranno visto tre volte.
      Manco la conoscevano.

È una vecchia

これは亡くなったおばさんの
ことを指しています。

「お年寄り」は,セリフのように
「古い」という意味の形容詞 vecchio
を使ってもいいですし,他に anziano
という単語もあります。

👵🏻 È una vecchia che avranno visto tre volte.

字幕は「3回しか会ったことない相手だろ」
となっているセリフです。

子供たちはこのおばさんに3回しか
会ったことがないんだから,
彼女の葬式に来ないのも
しょうがないんじゃないの?
とアンナママは言ってるわけですが,
ここで❓️となったのは,

avranno visto

先立未来の活用です。
子供たちがおばさんに会ったのは,
過去のことなのに,なんで未来?って
思ったんですが,先立未来は

過去の明白な事実や確信を持っている
ことについて,断定的ではなく語調を
緩和してやわらかに表現する

という用法があるそうです。
語調を和らげるのは条件法の専売特許
かと思ったんですが,先立未来でも
語調緩和できるんですね。
ちょっと頭に入れておきます。

その次の …。

Manco la conoscevano.

字幕はついてなかったんですが,
直訳すると

彼らは(子供たちは)彼女(おばさん)
のことさえ知らなかったんだよ。

つまり,3回会ったことあるにはあるけど,
子供たちはおばさんの存在さえ
しらなかったんだよ,ということ。

この manco は,neanche の同義語。
前に一度ブログで取り上げました。

詳しくはこちらを御覧ください。
ローマでも manco 使うんですね。

おばさんって言ったって,
ほとんど知らない相手なんだから,
葬式に来なくてもしょうがないさ,
と冷静に割り切るアンナママ。

一方,アンナは
「だって親戚なのに!」と
なかなか割り切れないで悶々している。

はい,本日はここまでです。
最後までお付き合いありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!


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