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イタリア語の関係代名詞 1 CHE と CUI と QUALLE

 こんにちは Minori です。YouTubeで学ぶイタリア語。今月は,関係代名詞に注目して,イタリア人が投稿している解説動画をチェックしていきたいと思います。イタリア語の関係代名詞は, che, cui, quale, chi の4つ。使いこなせていますかぁ❓️この関係代名詞もねえ,永遠のテーマでございますよ。日本語と語順が違うでしょ。私が苦手なのは cui ですよ。前置詞と一緒に使うやつ。例えば …。

La casa in cui vive Mario è molto grande. 
マリオが住んでいる家は超でかい。

日本語の語順は

① マリオが住んでいる
② 家

一方,イタリア語の語順は

La casa
in cui vive Mario

たったこれだけ,たったこれだけのことだと,頭では超理解してるんですよ。でも,語順がちょっと違うだけで,すっと出てこないんだよねえ。不思議だよねえ。La casa …. と口から出たはいいが,che だっけ?cui だっけ?「マリオが住んでいる」 …. だから Mario vive in か。in 使うってことは che じゃなくて cui 使わないといけないな。セットで使う前置詞は in だから in cui か …。La casa in cui vive Mario .…。ふぅ〜 😮‍💨 って,こんなことやってる間に,日が暮れるっつーの。

というわけで,なんか学び方がいけないんじゃないだろうかと。つまり,日本で売られている,イタリア語の参考書の説明がいけないんじゃないかと思いまして。これ,イタリア語に限ったことじゃなく,英語でも言えることかと。

😲 他責!他責!

と,今は日本にいる息子に言われそうですが。イタリア人は関係代名詞を,どう説明するのか気になりましてね。というわけで,今月は関係代名詞 i pronomi relativi に限定して,YouTube 動画を見ていきたいと思います。イタリア人が投稿している,関係代名詞の解説動画は,多数ございまして。まず,お馴染み Raff さんの動画から取り上げたいと思います。今回は che, cui, quale についての解説です。

それでは早速行ってみよう‼️👍


こんにちは,私は Raff です。イギリスの大学でイタリア語、特に文法を教えています。このビデオを通じて、イタリア語を学んでいる皆さんの助けになればと思っています。このビデオでは、関係代名詞に関するシリーズの一部として、CHE・ CUI・QUALE の正しい使い方の基本的なルールについて説明します。

1.CHE と CUI

La ragazza che abita con te.
Il libro di cui mi hai parlato.
Il treno sul quale ho viaggiato.

このような文に関する内容です。

CHECUI を正しく使うためには、主語、目的語、そして前置詞によって導かれる他の間接補語との違いをしっかり理解することが重要です。次の文章を使って説明しましょう。

La ragazza abita con te.
その女の子は君と一緒に住んでいる。

この文の la ragazza (その女の子) は,当然,動詞 abitare (住む) の 主語 ですよね。

Hai comprato la macchina.
君は車を買った。

この文の la macchina (車) は,動詞 comprare (買う) の 直接目的語 です。ですから,Hai comprato ( 君は買った ) という動詞と,直接目的語である la macchina の間に前置詞は存在しません。

次に,間接目的語 になっているケースをご紹介します。いずれも,前置詞によって導かれています。どのような補語であるかは重要ではなく,すべてが間接目的語です。

Mi hai parlato di un libro.
君は私に本について話した。
Sono uscito con una ragazza.
私は女の子と出かけた。
Lavoro per una ditta americana.
アメリカの会社で働いている。
Ho dato le chiavi a una signora.
私は女性に鍵を渡した。

これらの文の un libro, una ragazza, una ditta americana, una signora はそれぞれ前置詞 di, con, per, a に導かれています。したがって,すべて間接目的語であることが分かります。前置詞は,もちろんこの4つだけではありません。他にも su, senza, da , in, tra など多くの前置詞が存在します。

さて,関係代名詞が 主語直接目的語 を表す場合には、常に CHE を使います。これが無生物であろうと人間であろうと、関係ありませんし,性が男性か女性かも関係ありません。常に CHE を用います。では,冒頭の2つの例文を使って,関係代名詞を用いた文を作ってみます。

Ho visto la ragazza che abita con te.
君と一緒に住んでいる女の子を見かけた。

CHEla ragazza を指していて,動詞 abitare の 主語 です。

Ho visto la macchina che hai comprato.
君が買った車を見た。

一方,この文の CHE は,無生物 inanimato の物体  la macchina を指していて,動詞 comprare直接目的語です。

Ho visto la ragazza che abita con te.
CHE = abitare の主語

Ho visto la macchina che hai comprato.
CHE = comprare の直接目的語

関係代名詞 CHE は,生き物にも無生物にも用いることができ,関係代名詞節の [ 主語 ] または,[ 直接目的語 ] になることができます。

したがって,CHE が,主語あるいは,直接目的語を表すときは,それが無生物であろうと生き物であろうと,常に CHE を用います。CHI を使うことは,絶対にできません。

一方,前置詞によって導かれるもの,つまり間接補語を指す場合には CUI を使わなければなりません。CUI は,間接目的語の場合に用います。生き物に対しても,無生物に対しても使うことができます。

先ほどの文を使って,関係代名詞を含む文を作ってみましょう。

Mi hai parlato di un libro.
君は私に本について話した。
Ho letto il libro di cui mi hai parlato.
私は君が話してくれた本を読んだ。

Sono uscito con una ragazza.
私は女の子と出かけた。
Mi ha telefonato la ragazza con cui sono uscito.
一緒に出かけた女の子から電話があった。

Lavoro per una ditta americana.
アメリカの会社で働いている。
La ditta per cui lavoro è americana.
私が働いている会社はアメリカの会社だ。

Ho dato le chiavi a una signora.
私は女性に鍵を渡した。
Ho dimenticato il nome della signora a cui ho dato le chiavi.
鍵を渡した女性の名前を忘れてしまった。

ご覧のように,di, con, per, a など,前置詞が変わっても CUI は,決して変化ません。前に述べたように,CUI が指すものが,生きものなのか無生物なのか,男性なのか女性なのか,単数なのか複数なのかは関係ありません。CUI は,変化しません。

もう一つ重要なことは、これらの例で見たように、前置詞はCUI の直前 に置かなければならず、文の最後に前置詞を置くことはできません。英語では可能ですが、イタリア語ではそれはできません。

このビデオでは,例えば,次のような構文。

Ho rivisto la ragazza il cui fratello veniva a scuola con me.
私と一緒に学校に通っていた弟がいるその女の子に再会した。

このような,複雑であまり一般的な構文については解説しません。関係詞節に関する,基本的なポイントだけお話します。2つの関係代名詞、CHECUI で、ほぼすべてのケースをカバーできます。この2つの代名詞だけで十分であり、ご覧のとおり、CUI は使い方が比較的簡単です。なぜなら、形が変わらないからです。ただし、重要なのは前置詞をしっかり把握することで、これが時々問題を引き起こすことがあります。

例えば,Ho bisogno di un favore. 「助けが必要だ → お願いがあるんですが。」という時,前置詞には di が用いられます。ミラノ出身でない限りは。まあ,これはまた別の話ですが。通常,前置詞 di を使って Ho bisogno di un favore. と表現します。正しい文章です。

avere bisogno di … : … が必要である

しかし,この文の語順を変えて,関係詞節で使おうとすると,混乱が生じることがあります。例えば,Non è questo il favore che ho bisogno. としてしまう方がいるかも知れません。ですが,正しくは,Non è questo il favore di cui ho bisogno. です。

Non è questo il favore che ho bisogno. ❌️
Non è questo il favore di cui ho bisogno. ⭕️
これは私が必要としてる手助けじゃない。

実際、話し言葉では多くの人が CUI の使用を避ける傾向があります。理由はわかりませんが、おそらく少しフォーマルすぎると感じるからかもしれません。そのため、同じ意味を持つ別の言い方を使って、違う形で文章を作る方を好む傾向があります。時には,CUI の代わりに,あえて CHE を使うこともあります。先日,YouTube のスポーツ動画で,このようなフレーズを耳にしました。

Lukaku è un giocatore che il Chelsea vuole liberarsene. ❌️
ルカクはチェルシーが手放したがっている選手だ。

動詞 liberarsi は,前置詞 di を伴って,liberarsi di 人(人から解放される)と表現しますので,この文は …

Lukaku è un giocatore di cui il Chelsea vuole liberarsi. ⭕️

とするのが,本来は正しいのです。ですが,このような文章を耳にしたところで,文法警察に通報したり、そのYouTubeチャンネルのフォローをやめたりする必要はありません。私たちが文法的に正しくないフレーズを使うのは,ごく普通のことです。しかし,イタリア語を学ぶ人にとっては、まずは「正しい」とされるルールを学ぶことが重要です。つまり、どのように言うべきか、どのようにフレーズを形成すべきかを学んだ上で、母国語話者が何らかの理由で文法のルールを守らない場合を,理解してください。

2.QUALE

それでは,IL QUALE に移りましょう。この関係代名詞は,CUI の代わりに使うことができます。また,あまり一般的ではありませんが,CHE の代わりにも使われます。ここでは,IL QUALECUI の代わりに使用する基本的なポイントだけに触れます。

QUALE は,必ず定冠詞を伴います。QUALE は,単数の男性名詞にも女性名詞にも使用でき,男女の区別は定冠詞で行います。複数形は QUALI で,こちらも同様に,複数の男性名詞にも女性名詞にも使用することができ,男女の区別は定冠詞で行います。つまり,次の4つの形があるということです。

il quale = 男性単数
la quale = 女性単数

i quali = 男性複数
le quali = 女性複数

これらの4つの形のうちのいずれを CUI の代わりに使うことができ、(CUIの代わりに使うということは) 前置詞の直後に置かれます。もちろん、いくつかの前置詞、特に a, di, da, in, su などの場合には、前置詞と定冠詞を結合させる必要があるため、前置詞と定冠詞が組み合わさった形 (冠詞前置詞)も理解しておく必要があります。

preposizioni articolate 冠詞前置詞

CUI を使った次の文を見てください。

Ho letto i libri di cui mi hai parlato.
君が私に話してくれた本を読んだ。

CUI の代わりに QUALE を用いると,このようになります。

Ho letto i libri dei quali mi hai parlato.

なぜ,i quali なのかというと,男性複数名詞 i libri を指しているからです。( di + i quali = dei quali ) 

È stata ritrovata l'automobile con cui i ladri sono fuggiti.
È stata ritrovata l'automobile con la quale i ladri sono fuggiti.
泥棒が逃走した(ときに使用した)車が見つかった。

Il treno su cui viaggiavano è partito in ritardo.
Il treno sul quale viaggiavano è partito in ritardo.
彼らが乗っていた電車は遅れて出発した。

Ho telefonato alla ragazza con cui sono uscito.
Ho telefonato alla ragazza con la quale sono uscito.
一緒に出かけた女の子に電話した。

ご覧のように、QUALE を使用するのは,少し難しいかもしれません。なぜなら、IL QUALE、LA QUALE、 QUALI、LE QUALI の4つの形があるからです。一方で、CUI は1つの形しかありません。つまり、QUALE を使うときは、単数形、複数形、男性名詞か女性名詞かを考慮する必要がありますが、CUI を使う場合はそのような心配をする必要はありません。

生徒たちによく「どちらを使った方がいいですか?」と聞かれます。QUALE を使うべきなのか、CUI を使うべきか。もしかすると,どちらかがフォーマルで、どちらかがインフォーマルということなんでしょうか? と。実際には、どちらも同じ文脈で使うことができます。ですから、書き言葉や話し言葉、フォーマルな場面やカジュアルな場面にかかわらず、IL QUALE、LA QUALE、I QUALI、LE QUALI を使っても,CUI を使っても問題ありません。

もう一つよく聞かれるのは、どちらがより一般的かということ。つまり,イタリア人は,どちらをより多く使っているかということです。これについては、ルカ・セリアンニに答えてもらいましょう。彼の文法書には次のように書かれています。

Come soggetto e sopratutto come oggetto la forma composta è molto meno comune di CHE.
主語として、そして特に目的語の代わりになるのは,圧倒的に 複合形 ( il quale, la quale, i quali, le quali ) よりも,CHE が一般的です。

このビデオでは、 IL QUALE、LA QUALE、I QUALI、LE QUALI は CUI の代わり使用することはできるが、CHE の代わりには用いないと申し上げました。なぜなら、セリアンニによれば、(主語と直接目的語の代わりに用いるのは) CHE の方が圧倒的に一般的だからです。

Come complemento indiretto la forma composta è invece altrettanto comune di CUI.
間接目的語の(代わり) としては,複合形 ( il quale, la quale, i quali, le quali ) は,CUI と同じくらい一般的に使用されます。

というわけで,CUI の代わりに安心して4つの複合形 ( il quale, la quale, i quali, le quali ) を使用してください。
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お疲れ様でした。本日はここまでです。
なるほどと思ったところが一つ。私はずっと,関係代名詞って,節と語をくっつける,いわゆる接着剤のようなものだと思っていました。つまりこういうことです。例えば …。

I signori che abitano qui sono molto gentili.
ここに住んでいる夫婦はとても親切だ。

語である I signori と節である abitano qui をくっつけるために,接着剤の che が間に必要なのだと。つまり,この che は,文章の要素とは別もの❓️みたいな❓️そんな感じに思ってた。でも,この che って,I signori なんだよねえ。そもそも,文章の一部なんだよねえ ….🤔 そんなことに,改めて気づかせてくれた,本日の動画でした。私の言ってること,伝わってますかね 😅

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