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令和5年食中毒発生状況 概要

令和5年食中毒発生状況 概要(本文1,936文字)
 
 
内閣府食品安全委員会は、令和6年10月8日に第956回食品安全委員会を開催し、令和5年の食中毒発生状況、委員会の意見の聴取に関するリスク管理機関からの説明、他の議事を取り扱いました。
ここでは、今回報告された「令和5年食中毒発生状況」についてピックアップし、報告の概要をご案内します。その他のテーマにつきましては、下の<会議資料>からご確認ください。
 
 
<議事>
(1)令和5年食中毒発生状況の概要について(厚生労働省からの説明)
(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見の聴取に関するリスク管理機関からの説明について
1. 食品衛生法第13条第3項の規定に基づき、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして内閣総理大臣が定める物質(対象外物質) 1品目
(消費者庁からの説明)
1-1. アセチルシステイン
2. 農薬 8品目
(消費者庁からの説明)
2-1. 1-ナフタレン酢酸
2-2. カルタップ、チオシクラム及びベンスルタップ
2-3. キノメチオナート
2-4. シフルメトフェン
2-5. ピリベンカルブ
2-6. フルオピラム
2-7. フロメトキン
2-8. ベンジルアデニン
3. 飼料添加物 3品目
(消費者庁からの説明)
3-1. ジブチルヒドロキシトルエン
(農林水産省からの説明)
3-2. アセチルシステインを有効成分とする飼料添加物
3-3. 安息香酸を有効成分とする飼料添加物
(3)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について
1. 農薬「ヨウ化メチル」に係る食品健康影響評価について
2. 遺伝子組換え食品等「Streptomyces mobaraensis TTG-1株を利用して生産されたトランス
3. グルタミナーゼ」に係る食品健康影響評価について
(4)食品安全モニターからの随時報告について(令和5年4月~令和6年3月分)
(5)その他
 
 
<令和5年食中毒発生状況の概要>
令和5年の食中毒発生について、「食中毒に関する情報」をもとに、厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課から状況説明されました。
 
1. 発生件数と患者数
・ 食中毒事件数は1,021件(前年比+59件)、患者数は11,803人(前年比+4,947人)、死者数は4人(前年比1人)
・ 患者数2人以上の事例は537件(前年比+169件)、患者数は11,319人(前年比+5,057人)で、全体の事件数の52.6%、患者数の95.9%
・ 患者500人以上の食中毒は2件(前年比+2件)
[まとめ] 令和5年は食中毒の発生件数と患者数がともに増加し、大規模な事例も増えています。
 
2. 月別発生状況
令和5年(1月~12月)の、食中毒発生の傾向は、
・ 発生件数が最も多かった月は3月(125件)、次いで4月(103件)、10月(86件)
・ 患者数が最も多かった月は12月(1,634人)、次いで8月(1,530人)、2月(1,439人)
[まとめ] 発生件数と患者数にはそれぞれ異なるピークが見られます。発生件数は、春(3月、4月)に多く、夏の終わりから秋(8月、9月)にかけて減少し、患者数は、冬(12月)と夏(8月)に多く、初夏(6月)と秋(9月)にかけて減少する傾向が見られます。
 
図 令和5年の月別食中毒発生状況:
(事件数)

(患者数)


3. 病因物質別発生状況
令和5年(1月~12月)の、病因物質別の食中毒は、
・ アニサキスによる食中毒が最も多く432件(42.3%)、次いでカンピロバクター・ジェジュニ/コリが211件(20.7%)、ノロウイルスが163件(16.0%)
・ 患者数でみると、ノロウイルスが5,502人(46.6%)、カンピロバクター・ジェジュニ/コリが2,089人(17.7%)、ウエルシュ菌が1,097人(9.3%)
・ 患者数2人以上の事例に限定すると、カンピロバクター・ジェジュニ/コリが188件(35.0%)、ノロウイルスが163件(30.4%)、ウエルシュ菌が28件(5.2%)
・ 腸管出血性大腸菌による食中毒は19件(1.9%)、患者数265人(2.2%)、死者は0人
[まとめ] 食中毒の病因物質は、アニサキスが最も多く、次いでカンピロバクター・ジェジュニ/コリ、ノロウイルスの順でした。患者数ではノロウイルスが最多で、特に冬季に多発しています。全体的に事件数と患者数が増加傾向です。
 
4. 原因食品・施設別発生状況

令和5年(1月~12月)に発生した食中毒において、
・ 原因食品が判明した事件は813件(79.6%)、患者数は11,491人(97.4%)
・ 原因食品は、魚介類が最も多く318件(31.1%)、次いで野菜及びその加工品が44件(4.3%)、肉類及びその加工品が34件(3.3%)
・ 原因施設は、飲食店が最も多く489件(47.9%)、家庭が112件(11.0%)、販売店が62件(6.1%)
・ 患者数2人以上の事例に限定すると、飲食店が353件(65.7%)で最も多く、次いで事業場が32件(6.0%)、家庭が28件(5.2%)
[まとめ] 原因食品が判明した事件は813件(79.6%)、患者数は11,491人(97.4%)でした。魚介類が最も多く、次いで野菜及びその加工品、肉類及びその加工品が続きました。原因施設では飲食店が最多で、家庭や販売店も多く見られました。患者数2人以上の事例に限れば、飲食店が最も多く、事業場や家庭も含まれます。全体的に、飲食店での発生が多い傾向が見られます。 
 
<会議資料>
議事次第
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=010
座席表
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=020
資料1-1_令和5年食中毒発生状況の概要について
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=110
資料1-2_令和5年食中毒発生状況
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=120
資料2-1_食品健康影響評価について<アセチルシステイン>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=201
資料2-2_食品健康影響評価について<1-ナフタレン酢酸>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=202
資料2-3_食品健康影響評価について<カルタップ、チオシクラム及びベンスルタップ>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=203
資料2-4_食品健康影響評価について<キノメチオナート>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=204
資料2-5_食品健康影響評価について<シフルメトフェン>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=205
資料2-6_食品健康影響評価について<ピリベンカルブ>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=206
資料2-7_食品健康影響評価について<フルオピラム>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=207
資料2-8_食品健康影響評価について<フロメトキン>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=208
資料2-9_食品健康影響評価について<ベンジルアデニン>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=209
資料2-10_食品健康影響評価について<ジブチルヒドロキシトルエン>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=2100
資料2-11_「アセチルシステイン」「1-ナフタレン酢酸」「カルタップ、チオシクラム及びベンスルタップ」「キノメチオナート」「シフルメトフェン」「ピリベンカルブ」「フルオピラム」「フロメトキン」「ベンジルアデニン」「ジブチルヒドロキシトルエン」の食品安全基本法第24条第1項第1号に基づく食品健康影響評価について
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=211
資料2-12_食品健康影響評価について<アセチルシステインを有効成分とする飼料添加物>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=212
資料2-13_食品健康影響評価について<安息香酸を有効成分とする飼料添加物>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=213
資料3-1_農薬に係る食品健康影響評価の審議結果について<ヨウ化メチル>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=310
資料3-2_遺伝子組換え食品等に係る食品健康影響評価の審議結果について<Streptomyces mobaraensis TTG-1株を利用して生産されたトランスグルタミナーゼ>
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=320
資料4_食品安全モニターからの随時報告について(令和5年4月~令和6年3月分)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20241008fsc&fileId=400
 
 
 
<一次情報>
【食品安全委員会】第956回 食品安全委員会
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20241008fsc
【厚生労働省】健康・生活衛生局ホームページ「食中毒に関する情報」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
 


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