損益分岐点比率 ~変動費率の削減方法は大きく3つ!~
こんにちは、予算管理に特化した税理士&コンサルタントのT.Hiroです。
前回記事で、「損益分岐点比率」について、計算方法や削減方法(固定費削減、変動費率の低下)などについてお伝えしましたが、今回は変動費率の削減方法について深堀して考えていきたいと思います!
(前回記事もご参照ください!)
1.損益分岐点比率を下げるために変動費を削減する
損益分岐点売上高が達成できず、数年間に渡り赤字経営を余儀なくされる場合に、事業構造を見直して損益分岐点売上高を引き下げ今の実績売上高でも利益が出るようにしたいところです。
前回記事でもお伝えしましたが、損益分岐点売上高を引き下げるためには、大きく2つの方法があります。
● 固定費の削減
● 限界利益率の向上
の2点です!
● 固定費の削減
損益分岐点比率を下げる方法の1つ目は「固定費の削減」です。固定費の削減、と言った場合に最初に思いつくのが人件費の削減で、いわゆるリストラです。
従業員の解雇だけではなく、従業員数の減少に伴って無駄になったオフィス・スペースの賃借料を打ち切るなど、最大限の効果を狙っていかなければならないのです。
ただ、会社の大切な人的資源を失うのは、心情的にも現実的にも失う点が大きいことから、慎重な判断が必要になってきます!
● 限界利益の向上
2つ目は限界利益の向上、つまり、言い換えると変動比率を下げるということです。仕入れコストの削減など、地道な努力の積み重ねでやっていくしかありませんが、その効果はかなりのものになります!
地道な努力にはなりますが、これがコスト改善効果としては絶大です!
規模が大きくなるにつれ、そのスケールメリットを最大限活かすことができる改善要素のため、地道ではありますが、すぐに取り組むべき改善活動といえるのではないでしょうか?
「仕入上手は儲け上手」といった言葉もあります。
日々のオペレーションを改善する上で、変動費を直接的に改善する方法は大きく3つあると思います!
変動費改善の方法は大きく3つあります!
2.大量仕入れで仕入単価を低減
例えば、毎月一定の量の仕入をしている場合に、まとめて大量に仕入れをすることで仕入先との値下げ交渉を行うことができないでしょうか?
仕入先にとっても、毎月小口で販売するよりも、運送費用や人件費を削減できるというメリットがあるので、仕入先の経費効率化にもつながります。
また、製造業であれば、一括発注や工具の大量発注などにより、仕入単価を低減することも可能かと思います!
ただし、これは需要予測や的確なマーケティングが必要なため、注意も必要かと思います。
3.支払サイトの短縮で単価を下げる
支払サイトの短縮という選択肢もあります。買掛金の支払いタイミングを短くすることで、単価削減を交渉するという方法です。
例えば、これまで平均サイトが45日であったところを30日にすることで、仕入先としては15日早く現金化することができるため、交渉を検討してみてはいかがでしょうか。
仕入先がたくさんある場合には、数社に絞りこみ、取引量を増やす代わりに仕入単価を下げてもらえる可能性があります。
ただ、もし1社に絞りこんでしまうと、不測の事態があったときに対応できなくなるので、その点は注意が必要です。
4.在庫管理の徹底を図る
過剰在庫や不良在庫を抱えないことも、変動費の削減、利益増大に繋がると思います!
過剰在庫とならないように、販売と仕入れの情報の共有がとても重要です。
例えば、
● 期末にかけて在庫管理を徹底する
● 在庫評価にもつながる評価単価の設定にも気を付ける
といった注意点は意識すべきかと思います!
特に販売状況を把握していない人が仕入の担当をすると過剰在庫となるケースがよくあるので注意が必要かと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は、事業再構築補助金の採択率に関する予想をお伝えしたいと思います!